2026-03-03
住宅設計
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【ヤマギワのマユハナは暗い?】20畳の勾配天井リビングに必要な明るさ(ルーメン)と照明計画の考え方

先日、広島在住の方から、当社で使用経験のあるヤマギワの照明・マユハナについて、問い合わせを頂きました。当社WEBをご覧になり「リビングで、マユハナとダウンライトを併用するが、どのくらいの明るさなのか?」という問い合わせでした。

照明計画で多くの方が悩むのが、

  • 明るさルーメン(lm)はどれくらい必要?
  • マユハナはメイン照明?補助照明?
  • 20畳のLDKは何ルーメン必要?

という疑問です。

今回は実際のお問い合わせと私の返信をもとに、マユハナの明るさの考え方と、20畳リビングの照明計画について整理します。

お問い合わせ内容

マユハナ

こんにちは。

広島に住んでおりますAと申します。

ヤマギワの「マユハナ」という照明を検討しており、検索していたところ御社のホームページに辿り着きました。

20畳ほどの勾配天井のリビングに取り付けたいと考えています。

この照明だけでは暗いでしょうか?

ダウンライトと併用して付けようと考えています。

知人からは「マユハナは装飾照明だよ」とも言われました。

実際のところどうなのでしょうか?

私の返答1

Q1.0住宅小幡の家 マユハナ照明施工例

A様

こんにちは。ヨシダクラフトの吉田武志です。

お問い合わせありがとうございます。

ヤマギワのマユハナは、私も住宅で使用したことがありますが、とても柔らかい光で雰囲気の良い照明です。

様々なサイズがありますが、代表的には

・小サイズ(直径約36cm)

 E26 60W相当LED ×1灯(約800ルーメン)

・中サイズ(直径約43〜47cm)

 E26 100W相当LED ×1灯(約1500ルーメン)

・大サイズ(直径約50cm)

 E26 100W相当LED ×1灯(約1500ルーメン)

という構成だと思います。

付属している電球は、白熱球です。

電球取替口はどれもE26なので、100WのLEDの電球色に交換して、長く使えるようにすると、交換頻度を伸ばせて良いと思います。当社はそうしています。

マユハナは二重・三重のシェード構造のため光が柔らかく拡散し、実際の体感の明るさは電球のルーメン値より、控えめに感じます。

私が感じるに、シェードがあることにより、実効光量は上記のルーメンの7割程度(約1500ルーメン×0.7=実際は1050ルーメン)と考えると良いと思います。

一般住宅では

1畳あたり300〜400ルーメン程度が一つの目安なので、一般的には、20畳のリビングの場合は6000〜8000ルーメン程度の明るさが必要になります。

LDK20畳は照明全部で6000ルーメン必要-1050ルーメンマユハナ=4950ルーメン必要(LDK照明の合計ルーメンの目安)

そのためマユハナ1台だけでリビング全体を明るくするというよりは、ダウンライトなどの主要照明と組み合わせて計画するケースが多いと思います。

あくまでも、4950ルーメンは目安です。

あまりにも明るいと、かえって雰囲気が悪くなることもあるので、完成してからスタンドライトを自分で買って、明るさ調整しても良いと思います。

ダウンライト等の、マユハナ以外の照明器具がメイン照明で、マユハナは補助照明という感じ。

特に勾配天井の場合は光が拡散しやすいため、そのような組み合わせの方が、バランスの良い照明になると思います。

とても雰囲気の良い照明ですので、ぜひ素敵な空間になると良いですね。

他の読者のためになる問い合わせ内容なので、A様のプライバシーに配慮した上でブログにします。

※「マユハナは補助照明という感じ」の意味は、マユハナは明るさの“主照明”ではないが、空間の“主役”になる照明。つまり機能の主役ではなく、空間の主役という意味です。

A様からの返信

吉田様

とってもご丁寧な説明で、大変分かりやすかったです。

マユハナをサブの照明と考えるのですね。私はマユハナがメインでダウンライトがサブだと思っておりました。

今計画しているのは、勾配天井のところにメインのペンダントライト(マユハナのようなもの)を付けて、勾配天井でない、周りの普通の高さのL字型の天井のところにダウンライトが既存で7個付いているので、そこをLEDのダウンライトに変えようかと思っておりました。

それでもダウンライトは460ルーメンなので、それを7個にしても3200ちょっとしかなく、それではとっても6000に及びませんね。また再考の余地ありです。

マユハナがとても素敵なのですが他も探してみないといけないかもしれません。ネットやカタログ見れば見るほどわからなくなりました。おまけに地方なのでショールームもありませんし、、、実物の証明を見れなくて。

ほんとにほんとに、ありがとうございました。

ブログの件、プライバシーに配慮していただけましたら使っていただいても大丈夫です。

私の返信2

A様

返信ありがとうございます。

1畳あたり300〜400ルーメン程度というのは目安です。

部屋全体は少し暗くても、欲しい場所に、欲しい明るさの灯(あかり)があれば、生活には困りません。

例えば、「よく考えて照明計画したが、少し暗くなってしまった」という場合は、スタンドライトを付けるなどすれば良いと思います。


このやり取りをもとに、照明器具マユハナについての考え方を整理してみます。

ヤマギワ社のマユハナとは?

マユハナ Q1.0住宅昭和の家 部屋全体が明るいわけではない
  • 伊東豊雄氏デザインのペンダント照明。ペンダント照明とは天井から吊り下げるタイプの照明です。
  • 二重・三重のシェード構造により光をやわらかく拡散させるのが特徴です。
  • 光源が直接見えないため、空間に“美しい光の塊”が生まれます。

マユハナの主要仕様(サイズ)と明るさ

サイズ適合電球LED換算明るさ
Φ360(321P2911W) 二重E26 60W相当約800ルーメン
Φ430(321P2910W) 二重E26 100W相当約1500ルーメン
Φ500(321P2909W) 三重E26 100W相当約1500ルーメン
※付属しているのは白熱球ですが、E26口金なのでLED電球に交換可能です。

照明の明るさを示す「ルーメン(lm)」とは?

照明計画を考えるときに、必ず出てくる数字が「ルーメン(lm)」です。

ルーメンとは、その照明器具がどれくらいの光の量を出しているかを示す単位です。

数字が大きいほど、光の量が多い=明るい、ということになります。

ルーメン(lm)とワット(w)の違い

以前は「60Wの電球は明るい」という言い方をしていましたが、

・ワット(W)=消費電力
・ルーメン(lm)=明るさ

です。

LED照明の時代では、ワット数は小さくても、ルーメンが高ければ明るくなります。

例えば:

・40W相当LED → 約485ルーメン
・60W相当LED → 約800ルーメン
・100W相当LED → 約1500ルーメン

つまり、「100W相当」という表示は、おおよそ1500ルーメン程度の明るさがある、という意味です。

20畳リビングに必要な明るさルーメン(lm)の目安は?

一般的な住宅照明では、1畳あたり300〜400ルーメンが一つの目安と言われています。

・300~400ルーメン×20畳=6000〜8000ルーメン程度必要

例えば、この問い合わせ者のお宅ように、20畳のLDKであれば、6000〜8000ルーメン程度が“全体照度”の基準になります。

ただし、これは部屋を均一に明るくする場合の目安です。

あくまで目安であり、必ず6000〜8000ルーメン程度必要ということではありません。

【大切なポイント1 】照明の明るさルーメンと、体感の明るさは違う

例えば、同じ1500ルーメンでも、

・この照明のように、シェードで光が包まれている
・天井が高い
・光が拡散する

と、実際には暗く感じます。

逆に、直接光が机に落ちれば、少ないルーメンでも明るく感じます。

ルーメンの数字はあくまで目安であり、体感の明るさや心地よさと、イコールではありません。

【大切なポイント2 】マユハナの体感の明るさは、ルーメン値の約7割程度?

マユハナはシェードで電球を包み込んでいます。

そのため、体感の明るさは、ルーメン値の約7割程度と考えると分かりやすいです。

例)1500ルーメン × 0.7 ≒約1050ルーメン程度の体感

ルーメン値の約7割程度の明るさというのは、あくまで私個人の感想です。

【大切なポイント3 】一番大切なのは、部屋全体を明るくするよりも、必要な場所の明るさを確保すること

ルイスポールセン スタンドライトAJフロア出典

部屋全体を明るくすることよりも、

・読書をする場所・勉強する場所
・食事をする場所
・くつろぐ場所

それぞれに適した明るさがあることの方が重要です。

空間全体が少し暗めでも、手元などに必要な明るさ確保されていれば、生活には困りませんし、そのほうが明るさと暗さのメリハリも付くし、照明器具代や配線代も安く済むかもしれません。

当社のマユハナの施工例も、そのように計画しました。

ルーメンは照明計画の“明るさの目安”にはなりますが、最終的に決めるのはそのルーメンの数字ではなく、その空間でどう過ごしたいか?

だと私は思います。

例えば読書をするなら、ルイスポールセンのスタンドライトAJ フロアのような、手元をしっかり照らすスタンド照明が効果的です。

空間全体が少し暗めでも、

  • 手元は明るい
  • ソファは落ち着いた光
  • ダイニングは適切な明るさなど

このメリハリが、上質な空間をつくります。

ただし名作と言われている照明は、スタンド照明を含めて、値段が高めです。

私は「明るさについてこのようにお返事しました」

「1畳あたり300〜400ルーメンは目安です」

部屋全体が少し暗くても、欲しい場所に、欲しい明るさの灯があれば生活には困りません。

もし少し暗く感じたら、スタンドライト等を足せば良いと思います。

マユハナはメイン照明?サブ照明?

マユハナは

✔ 明るさの“主照明”ではない
✔ でも空間の“主役”になる照明

です。

つまり

機能の主役ではなく、空間の主役。

まとめ

マユハナは

× 明るさのための照明
○ 空間を美しくする照明

20畳だからといって、必ずしも部屋全体で6000~8000ルーメン必要とは限りません。

必要な場所に、必要な明るさがあれば、快適に過ごせます。

明るさが足らなければ、スタンドライト等を自分で追加することも可能です。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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