Q1.0住宅 宇都宮昭和の家は、名作照明器具と真鍮スイッチプレートでどんな雰囲気になったのか?
当社の照明は、シンプルで必要充分な明るさを確保するという考えで行っているため、通常は地味で目立ちません。しかし、Q1.0住宅 宇都宮昭和の家では、施主の選択で、印象的な名作照明を複数採用しました。
照明の値段が高い上に、目立ちすぎるかもしれないと考えていたのですが、結果として、とても雰囲気が良くなりました。照明器具によって、かなり室内の印象が変わるのだと認識しました。
この家は、Q1.0住宅レベル3の高断熱住宅ですから、夏の暑さと冬の寒さから解放されるのでストレスが軽減されて、照明の美しさも感じやすいかもしれません(謎)。
最後に、私の理屈で「照明により雰囲気が良なった3つの理由」を書きました。
目次
千senブラケット
ブラケットとは壁付け照明のことです。真鍮で出来た、シンプルで繊細な雰囲気の、オブジェのように感じる金色の照明。
真鍮なので、金色が変化して濃くなり味わいが出てきます。金工造形師を名乗る、西本卓也さんが作っています。
照明図も丁寧。設計時点で、下地の位置や配線位置も分かりやすく書かれたモノを送ってくれるので、施工者も安心できます。
この照明は、施主の選択により知りましたが、インテリアの好きな方の一部に、とても人気のある照明のようです。
真鍮製の照明なので、素手で触ると変色しますから、引き渡し前までは手袋で触る必要があり、普通の照明よりも、取付と現場管理に少し手間が掛ります。
PH5ミニ
「ペンダント照明」とは、コードやチェーンを用いて天井から吊るすタイプの照明器具のこと。
デンマークの照明ブランド「ルイスポールセン」のPH5は、デンマークの家具デザイナーである「ポール・へニングセン」がデザインした照明です。PH5の方は、直径50センチと少し大きめ。
この照明の特徴は、グレア(眩しさ)を外側に出さず、大部分の光を下方に集めて、ランプ自体の輪郭を自ら照らして美しく見えること。
ただし、この照明の特徴である「眩しさのなさ」は、「大型照明のわりには明るくない!暗い!」というクレームにも繋がることもあります。ですから、この照明が好きでどうしても付けたい人もしくは、説明してこの照明が好きになってくれた方のみに提供するのが良いと思います。経験者は語る。
写真のPH 5 MINIは、名作PH 5を直径50センチ→直径30センチにリサイズしたペンダント照明です。
PH5は使ったことがありますが、PH5ミニは初めて使いました。ダイニングテーブル上に2灯です。
久しぶりに使いましたが、点けていない時のシルエット、優しい灯り、その灯りが照らす照明自体が、やはり美しいです。
mayuhanaマユハナ
吹抜けに2灯吊るしてあるのがmayuhanaマユハナです。
建築家伊東豊雄さんデザインのペンダントライト、mayuhanaマユハナは初めて使いました。
2007年の発売と有名な照明としては新しいほうですが、日本のペンダントを代表する照明です。
伊藤豊雄さんは「柔らかい光、奥ゆかしい光、器具をデザインするのでなく、光そのものがモノに置き換わっているオブジェをつくりたかった」とのこと。おっしゃるとおり、大変美しいオブジェのような照明です。
Q1.0住宅 宇都宮昭和の家では、吹抜のほぼ真ん中に2灯、mayuhanaマユハナ500(三重)とmayuhanaマユハナ430(二重)を吊るしています。
照明同士の幅と高さは、1階から見ても2階から見ても違和感が無いように、図面で十分に検討しました。
照明配線芯は300mm空けて設置しています。mayuhanaマユハナの高さは、mayuhanaマユハナ500の下端が1FL+2700mm、mayuhanaマユハナ430の下端が1FL+3300mmです。ベストバラスな位置に付けたつもりです。
電球が切れたからと言って足場を組むのは大変なので、LEDに変えておくことをおススメします。このお宅の場合は、思いがけず足場を架けなくても、2階から電球交換できるようになりました。
2灯を近くに吊るして、高さを変えたのも施主のアイデアです。室内の雰囲気が変わりました。次に建てるQ1.0住宅 宇都宮小幡の家でも、施主の希望でmayuhanaマユハナを2灯使います。
タリアセン3ブラケット
タリアセン3ブラケットは、アメリカの有名建築家、Frank Lloyd Wright(フランクロイドライト)ブラケット照明です。
施主の照明の為、あまり詳しく弄れませんでしたが、取り付けた電気職人によると、木材のパーツをいろいろと組み合わせられる、よく出来た照明とのことです。
オーデリックOP252481LD2
ガラスの模様により、美しい灯りの模様が壁と天井に広がるペンダント照明。トイレに吊るしました。
オーデリックOB255206LC
アンティークな雰囲気のするブラケット。照明金物の金色は、スイッチ・コンセントプレート・扉の取っ手の真鍮の金色とも合います。洗面台写真で見える金物は、水栓を含めて全て金色で統一しています。
他の部屋の金物も、ほぼ真鍮で統一。真鍮は素手で触れず、施工に手間が掛るため、施主の要望以外では使うことは無い金物です。しかしシナの建具とより合うのは、シルバーでなく、ゴールドの金物だと、使って初めて分かりました。
オーデリックOB255318R
シンプルなブラケットですが、点けると個性的な灯りとなります。
真鍮のスイッチ・コンセントプレート
Q1.0住宅 宇都宮昭和の家のスイッチ・コンセントプレートは、ゴールド色が好きな施主の希望で真鍮製です。素手で触ると変色してしまうので、手袋を付けたりして作業しました。開き戸の取っ手ハンドル、棚受け金物も真鍮製です。
照明により雰囲気が良くなった3つの理由
上記の照明を採用したことにより、室内の雰囲気が良く感じる理由は、照明自体の灯りの美しさ、灯りを付けた時の照明のシルエットの美しさ、内装の手作り感の3つだと思いました。
先の2つの理由は各照明のところで説明しました。
最後の内装の手作り感とは、左官の手仕事である、壁と天井の珪藻土の塗り壁、建具職人が造った室内の造作収納と造作建具、無垢フローリングなど。長く使えるというバックグラウンドを持った手作り感のある内装のこと。
逆に内装が、大手ハウスメーカーが使っている、新建材である場合。木目がプリントされた塩ビシートの建具や家具となるので、経年すると、みすぼらしい劣化となる可能性が高いです。偽物に灯りを当てることになるので、いくら照明の灯りが素晴らしいとしても、内装が安っぽいので、よい雰囲気にはならないと思います。
その理由はこちらをご覧ください。いくら超高断熱住宅で住み心地が良くても、下記のブログのような住宅の仕上げ材では不満・不安になるのではないでしようか?
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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