FEATURE家づくりの特徴

03断熱性能と耐震性能

Q1.0住宅(キューワン)を「一言」でいえば超省エネの高断熱住宅です。国の次世代省エネルギー基準(長期優良住宅の省エネ基準)より、 はるかに高い断熱性能と、冬に窓から太陽熱を室内に取り込む事で、暖房費が従来の半分以下で快適に暮らせる住宅をQ1.0住宅としています。

Q1.0住宅にすると、冷暖房光熱費が削減できるだけでなく、エアコン等の冷暖房設備の台数も、床下エアコン1台と壁掛けエアコン1台になるなど、間取りにもよりますが、大幅に省けるようになります。高い断熱性能を持つ住宅は、燃費の良い車のようなものですが、高断熱高気密住宅を謳っていても、断熱性能は各社ピンキリの内容。その中でもQ1.0住宅はプリウスのような存在です。

Q1.0住宅は、寒さが原因の病気になりにくいことでもメリットがあります。Q1.0住宅の断熱性能になると、部屋の上下はもちろん、家全体で温度差が少なくなります。冬に床が暖かく、トイレ・脱衣室・廊下も暖かく、ヒートショック等の疾患にもなりにくい。暖かく温度差の無い家に暮らすと、良く眠れて身体の負担が減り、血圧の上昇も抑えられるなど、健康寿命の向上にもつながることが近年の調査研究で分かってきました。Q1.0住宅は、家族が在宅医療になった場合も、病室のように冬暖かく夏涼しい快適な温度管理が、超高断熱高気密由来の低燃費で行えるため、大きなメリットがあります。

Q1.0住宅の場合、冬に日射取得出来ると、人が不在の無暖房状態でも夕方6時に帰ってくると、室内温度は21~24度程度になっていることが多い。高断熱高気密住宅は、今の状態を維持しようとする力が強い住宅です。断熱性能と気密性能が高いので、夏の昼間も窓からの日射を遮れば、前夜の室温を保とうとしますので、必要に応じて冷房を点ければ、涼しく快適です。

Q1.0住宅は、フランチャイズのクローズドな断熱工法でなく、誰にでも手に入る高性能グラスウールを基本の断熱材として使い、オープンな工法で造るので、フランチャイズが潰れたりして特殊な断熱材が生産中止になることはなく、普遍性と持続性があることもメリットです。

グラスウールは、一部の造り手から悪者にされやすい断熱材ですが、批判の多くは不適切な設計と施工を前提としたものであり、適切に施工すれば、費用対効果が最も優れている断熱材です。私は、硬質ウレタンパネル・ウレタン吹付・ポリスチレン・羊毛と、様々な種類の断熱材を使ったことがあるので、高性能グラスウールのコスパと耐火性能を理解しています。

ヨシダクラフトのQ1.0住宅について説明します。

断熱性能01

付加断熱

床下エアコン1台で、家1軒全体のベースとなる暖房が可能で、経済的負担を感じることなく過ごせる断熱仕様として、壁は付加断熱(W断熱)を基本仕様としています。

付加断熱の構成は、高性能グラウウール充填断熱105mm+付加断熱105mmの合計210mm。壁は、断熱部位の中で一番広い面積を占めるので、付加断熱にすることは効果的、一般的な住宅の2倍の断熱性能に致します。

天井はセルローズファイバーもしくは吹き込みグラスウール300mm。基礎断熱は外周立ち上がり内側に押出法ポリスチレン3種100mm、スラブ上押出法ポリスチレン3種50mmが基本的仕様です。

基本性能

熱損失係数Q値1.0~1.3程度。 隙間相当面積C値1.0以下(0.5程度)(Q値及びC値は、敷地形状と建物形態により異なるので、邸別に計算及び測定します。)

付加断熱に使用する断熱材は、最もコストパフォーマンスが高く、火にも強い高性能グラスウールを基本仕様と致します。火災に強い高性能グラスウールと耐火性能の高い耐力面材を組み合わせると、メンテナンスコストが少なく長く使える杉板外壁材やガルバリウム鋼板外壁材が、防耐火認定として採用しやすいことも、グラスウールを選んでいる理由の1つです。

断熱材は一度施工すると、機械のように壊れて交換する必要がなく、建物がある限り使用できます。新築時に充分断熱材を入れて断熱性能を上げておくと、冬暖かく夏涼しくなり、室内の快適性が大きく向上することはもちろん、半永久的に冷暖房コストが削減できます。高性能グラスウールは、耐火性能が高くコスパも良いため、高性能住宅のトップランナーに最も多く採用されている断熱材です。

壁の断熱材の基本仕様は、充填断熱・付加断熱共に高性能グラスウールなので、リフォームの時に外して再利用できることも利点で、ゴミも少なく出来ます。壁の断熱材がセルローズファイバーのような粒状断熱材だったり、ウレタン吹付け断熱材のように木材にへばりつく断熱材だったりすると、リフォーム時に断熱材を外して再利用するのは不可能です。リフォーム工事を年間80件程度行っているので、断熱材を再利用できる重要性を実感しています。

上記したスペックの断熱気密性能なら、家全体が暖かくなります。どの部屋も稼働率が高くなり隅々まで使えるので、小さな家でも大きく暮らすことが可能になります。また、断熱気密性能が高いと、各部屋にエアコンを入れるということが無くなるので、室外機が、家の周りに部屋数分並ぶという格好の悪い状況から解放され、スッキリとした外観になります。

断熱性能02

エアコンで冷暖房

エアコンは、暖房と冷房が1台で出来る唯一の機器で、量産されているので価格が安く、超省エネでランニングコストも安い。エアコンを冷暖房で使うのが、合理的だと考えています。

断熱性能と気密性能が低い家で暖房をすると、より暖気は上昇しやすく足元が冷えます。その理由は、上階や屋外に暖気が出て行き、代わりに床下等から冷気を引っ張ってくるので、床をさらに冷やして暖かさを感じにくくするからです。気密性が低い住宅の場合、暖房を強くすると、壁の中も含めて上昇気流が強くなり、壁の断熱材が効かなくなるばかりか、暖気は外へ出て行き、下からの冷気の引き込みは更に強くなるので、室内は暖かくなりません。

上昇気流が発生しやすくなるのは、どの暖房機でも一緒ですが、エアコンの場合は逃げていく室温を上げようと風量が、より強くなるので、「エアコンの風が苦手」とエアコンが嫌いになるのだと思います。

断熱性能と気密性能が高い住宅なら、低気密の家と比べると暖気は上昇しにくく、それほど強運転する必要がないので、エアコンで暖房しても快適性が高くなります。高断熱住宅に住んだことがある方が少ないので、エアコンでも快適な暖房ができるのを知らないのだと思います。

当社では、エアコン暖房の風をより感じずに、1階床面全体を暖かくできる「床下エアコン」を基本の暖房としています。床の表面が暖かいので快適性が高く、部屋の上下温度むらがなく、床下配管せずに、トイレや洗面脱衣室も暖かく出来ます。

基礎断熱+床下エアコンとすることで、床温度が室温プラス2度程度と、穏やかな頭寒足熱状態になり、床暖房以上に快適な室内となります。実は床暖房は床表面が熱すぎて、床下エアコンと比べると快適性が劣ります。床下エアコンは、床暖房と違い無垢フローリングが使えることも利点です。

断熱性能03

気密工事の重要性

気密性能は最重要の基本性能なので、気密工事が完了したら気密測定を行い、「キチンと気密が取れているか?」を確認します。気密性が低いと断熱材を入れても効きが悪くなるばかりか、室内の湿った空気が壁の中に入って、壁体内結露する可能性もあるからです。ヨシダクラフトでは、新住協(高断熱高気密の住宅技術研究団体)で、付加断熱と気密工事を、効果的にローコストで行う方法を学んでいます。

1. 断熱材が効くには気密性能が必要

暖まった空気は上昇するので、気密性能が不十分な家は、断熱材の入った壁内部を、煙突のように空気が上昇してしまいます。熱は建物上部の屋根や壁から逃げてしまい、どんどん下から冷たい空気を引っ張るので断熱材が効きません。断熱材が効くには、気密性が必要なのです。

2. 壁体内結露の防止

壁の内部に、湿気の多い室内の空気が入り冷やされると、壁体内で結露して断熱材が効かなくなるばかりか、木材を腐らせることもあります。断熱材の室内側に防湿気密シートを貼って、気密性能を確保し壁内部に湿気をいれないようにします。

3. 換気システムが正常に働くために

低気密の住宅は隙間が多いため、換気システムを入れても室内が負圧にならず、給気と排気が上手く働きません。空気のよどんだ場所ができて、カビやダニの発生要因となります。

断熱性能04

全熱交換型換気システム

全熱交換型換気扇が基本仕様です。本体の設置場所は、本体交換の点から考えると、壁付けで露出設置できることが理想なので、なるべくそうしたいと考えています。

1. 冷暖房費削減

熱交換効率80%程度の高性能な換気扇を採用。排気の際に、汚れた空気と一緒に捨てていた熱を給気時に回収して室内に戻します。熱回収により空調負荷を軽減でき、冷暖房コストを抑えます。

2. 冬の過乾燥と夏の多湿を緩和

全熱交換型換気扇は、温度だけでなく湿度も交換して、室内の過乾燥を防ぎます。冬の乾燥対策と、夏の多湿を緩和するのに大きな力を発揮します。

3. 花粉・粉塵対策

給気側には給気清浄フィルターが付いています。給気清浄フィルターは大気中の花粉や砂ぼこりなどの侵入を抑えます。

断熱性能05

樹脂サッシ

家から逃げていく熱の約半数が窓からなので、断熱性能の高い樹脂窓を設けるのが合理的です。オール樹脂枠となりますので、枠の結露も抑えられます。樹脂サッシは、フレームの「造り」が良く、取手とクレセントの形状と操作が普遍的なYKKのAPW430と330を基本仕様としています。

しかし、高性能な樹脂トリプルサッシでも、断熱材の入った壁と比べると熱の損失箇所となります。不必要に多くの窓を設けると、断熱性能が低くなることはもちろん、外観も悪くなります。日射取得できる南面には大きな窓を設けて、その他の方角は必要最低限の窓を、用途とデザインに応じて適切に設けることを心掛けています。+全熱交換型換気扇が基本仕様です。は必要なし。

断熱性能06

木製断熱玄関ドア

日本のアルミ製玄関ドアよりも断熱性能と意匠性が高く、ガラス面も大きいシンプルな北欧の木製断熱玄関ドアが基本仕様です。北欧の木製断熱玄関ドアは、ドア枠外側の幅と高さが、メーカー間で統一されていることが多いため、塗装では済まないほど劣化してしまった場合でも、交換可能な仕様を選択すれば、玄関ドア周囲の壁を壊すことなく、ドアの交換が出来ることも利点です。

小さな家の場合は玄関収納を優先するので、玄関に窓が取れないことが多いです。その場合はドア本体にガラス面があり、採光が確保できる玄関ドアを採用します。日本製ではガラス面の大きい、リーズナブルな木製断熱玄関ドアがないことも、北欧製を選んでいる理由です。玄関ドアには雨が直接掛からないように計画します。

断熱性能07

日射取得及び日射遮蔽できる設計

高性能住宅になるほど、日射取得と日射遮蔽は良い影響をもたらします。冬は、日射を充分取得できるように南面の窓を大きく取り、窓を暖房機代わりとして計画します。新たに土地を買う方は、できれば東西方向に広く、真南に面する敷地が買えると、日射取得しやすく、冬暖かい家にしやすいです。

夏は、軒の出はもちろん、窓の外に外付けスクリーンを付けたりして日射遮蔽を行い、太陽熱を上手に制御して、涼しい室内を実現します。

断熱性能08

温熱シュミレーションソフトを使い温熱性能を数値で確認

温熱シュミレーションソフトを使い温熱性能を数値で確認して設計致します。温暖地の栃木県宇都宮市でも、快適で健康に過ごすには、断熱性能を表すQ値1.3以下程度は必要だと考えます。

高断熱高気密もピンキリです。暖かいと言われて造った家が、実際住んで寒かったら悲惨なので、契約前に設計者にQ値と気密測定を実施しているかの確認をしてください。温熱シュミレーションソフトを使い断熱性能を数値で確認し、断熱・気密施工を丁寧に行ってから、気密測定で確認しないと、本当に快適で省エネとなる高性能住宅は造れません。全棟気密測定を行っている会社は、断熱気密施工を丁寧に行っている可能性が高いので、そういう会社に依頼するべきでしょう。