2023-08-14
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集成材カウンターの中で、何の樹種が水に強く長持ちするのか?

台風19号以降は、水に強く木目も美しい、この集成材天板カウンターを使っている

今日のブログは、地域の建材店で流通している、比較的手に入りやすい「集成材カウンターの中で、何の樹種が水に強く、長持ちするのか?」を書きます。

2019年の台風19号で、社屋兼自宅も被災しました。倉庫にストックしてあった建材も、高さ60㎝近くまで浸水したので、木材の多くにカビが生えて使えなくなりました。

3種類残っていた集成材カウンター材も同様に浸水しました。2種類はカビだらけになり処分しましたが、1種類だけカビが生えなかった集成材があり、水に対する耐久性に驚きました。

後日、そのカウンターは自宅の洗面台の天板カウンターとして使いました。台風19号以降は、他の集成材カウンターはなるべく使わず、値段は高くても、水に強く木目も美しいその集成材を、水廻りカウンター及び、机のカウンターとして使っています。

自宅対面キッチンの天板カウンターも同じ集成材です。25年間、カビや大きな劣化なく使えていることを考えると、値段が高くてもその集成材を使うのが良いと考えています。

台風19号で浸水しても、カビが出なくて、後で使えた集成材カウンターは何だったのか?

1階の倉庫は、コンクリート土間だったので、高さ60㎝近くまで浸水しました。

赤松集成材カウンター・ゴム集成材カウンター・タモ集成材カウンターの3種類が、水に浸かりました。1か月程度経ったころ、赤松集成材カウンター・ゴム集成材カウンターはカビだらけになって使えなくなっていました。

タモ集成材カウンターのみが、泥に汚れて、うっすらとシミが出来ましたが、水拭きしたら使えそうなので、後日自宅の洗面台カウンターとして使いました。

自宅の造作洗面化粧台のカウンター木材は、台風19号で浸水してもカビが生えなかったタモ集成材カウンターで造った

こちらもご覧ください。

浸水しても、タモ集成材カウンターのみにカビが生えなかったのはなぜなのか?

赤松集成材カウンター・ゴム集成材カウンター・タモ集成材カウンターの3種類の中で、硬い材料は、ゴムとタモです。硬さは、丸ノコで切ると、切った断面と丸ノコの刃の側面が焼けるほど硬く、加工はしずらいです。

2つを比較すると木目が美しいのはタモ集成材で、塗装をすると木目の美しさがより際立ちます。

赤松集成材は針葉樹で軽く、丸ノコで切りやすく、ゴム集成材と、タモ集成材ほど硬くありません。

比重は赤松が0.47、ゴム0.64、タモ0.55~0.65と赤松が一番軽い。数字が大きいほど重い木材です。

https://zaimoku-shouten.jp/%E6%9C%A8%E6%9D%90%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E%E3%80%81%E9%87%8D%E3%81%95%E3%80%81%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

木材には比重(正式には気乾比重)があります。 これは、同じ容積の水を1とした時のその木材の重さを表しています。 一般的には比重の大きい(重い)材ほど硬くなり、小さい(軽い)材ほど柔らかくなります。

https://www.haburikobo.com/knowledge/k0035.htm#:~:text=%E6%9C%A8%E6%9D%90%E3%81%AB%E3%81%AF%E6%AF%94%E9%87%8D%EF%BC%88%E6%AD%A3%E5%BC%8F,%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%82%8F%E3%81%91%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82

比重の高い木材のほうが、硬くて水が染みにくいのだと思います。ただし、同じくらいの重さで、硬い印象のゴム集成材とタモ集成材ですが、洪水による浸水でカビが出たのは、ゴム集成材で、タモ集成材にはカビが出ませんでした。ゴム材にカビが出た原因は良く分かりません。多分、ゴム材の方が、水が染みやすい構造になっているのだと思います。

長物の集成材カウンターが、ネットでなく地域建材店で買われいる理由

赤松集成材カウンター・ゴム集成材カウンター・タモ集成材カウンターが、主に住宅で使われる代表的な集成材カウンターです。理由は、地元の建材店で扱っているためです。その他の集成材カウンターとして、杉やメルクシパインのカウンターなどもあります。

ネットの集成材カウンター専門店でも売っていますが、3M以上の長尺カウンターは、地元の建材店から買っている住宅会社が多いと思います。その理由は、ネットで買った場合、現場までの運搬は一般の運送業者になるので、現場で重い集成材カウンターを受け取る人が必要になります。建物の軒先で受け取ることになっているので、基本的には、建物の中の「ここに置いてください」という指定も出来ません。

対して、地元建材店の場合は、いつも取引しているので、現場が不在の場合でも、キーボックスの番号を教えておけば、こちらで指示した場所にキチンと置いて、鍵も締めてくれるから手間が掛らないのです。例えば厚30×奥行500×長さ3000のタモ集成カウンターは長くて運びにくい上に、重さも30キロくらいになります。木材を運び慣れている地元の材木店や建材店のほうが、仕上がった外装や内装を傷つけず運んでくれる可能性も高いと思います。なので、構造材や石膏ボードなどの長物及び重い大物は地域の建材店で買っている住宅会社が殆どだと思います。

赤松集成材カウンター・ゴム集成材カウンター・タモ集成材カウンターの値段と木目の美しさの比較

値段は、ゴム集成材カウンター・赤松集成材カウンター・タモ集成材カウンターの順番で値段が上がります。2023年8月現在、タモ集成材カウンターは、ゴム集成材カウンターの約2倍の値段です。

値段は木目の美しさにも比例していると思います。木目が美しく、耐久性も高いタモ集成材の値段が3種類の中では一番高いという結果になっています。

タモ集成材カウンターが水に強いからと言って、予算の関係で水廻りのみタモ集成材として、その他の集成材カウンターを別の種類にするのは、統一感が無くなるので辞めたほうが良いでしょう。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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