ヨシダクラフトの家は「省令準耐火構造」が標準仕様になりました。火災リスクが低くなるので火災保険料もかなり安くなります。
今年7月に完成したQ1.0住宅小山の家から、ヨシダクラフトの家は「省令準耐火」が標準仕様になりました。省令準耐火構造のメリットは、自宅もしくは隣家で火災が発生した場合に、被害を最小限に食い止めることができる、耐火性の高い住宅であること。
省令準耐火構造にするお金のメリットは、一般的な木造住宅よりも火災に強いことで、「火災保険料がかなり安くなる」場合が多いことです。
目次
省令準耐火構造とは?
省令準耐火構造は、建築基準法の「準耐火構造」に準ずる防火性能のある住宅として、住宅金融支援機構の基準を満たした建物の構造を指します。
「準耐火構造」は建築基準法に準ずる基準として定められていますが、「省令準耐火構造」は建築基準法で定められた法令ではありません。
省令準耐火構造の家の特徴とは?
建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅をいいます。具体的には次の1~3のいずれかの住宅または工法です。
(1)外部からの延焼防止
隣家から火災が発生した場合に火をもらわないよう、外壁や軒裏は防火構造でつくり、屋根は不燃材料で葺きます。
(2)各室防火
室内の壁・天井部分を石膏ボードで被覆することにより、各室を防火区画します。
(3)他室への延焼遅延
部屋から火が出たとき、ほかの部屋へ火が移るのを遅らせるため天井や壁の取り合い部分にせっこうボードや木材、断熱材などでファイヤーストップを設けます。
省令準耐火構造にすることで、第三者の現場検査はありません。各保険会社は、図面に仕様を描く程度しか求めないと思います。しかし、普通の木造住宅とは造り方が違う点が多いです。マニュアルの確認をして図面作成し、職人への指示をして施工。各工程後は自主的な検査を行う必要があるため、キチンと省令準耐火構造を造れる造り手に依頼する必要があります。
ヨシダクラフトが「省令準耐火構造」を標準仕様にした理由
当社では高断熱・高気密住宅となる「Q1.0住宅の標準工法(GWS工法)」を採用しています。「省令準耐火構造」を当社の標準仕様に採用した理由は、「Q1.0住宅の標準工法」にプラスαの仕様変更をすることで、大きな負担なく省令準耐火構造となるからです。
「Q1.0住宅の標準工法」の「外壁内側の壁仕様」が「石膏ボードを桁まで貼り上げる納まりによってファイアーストップ兼気流止めとなり」、省令準耐火構造仕様として高断熱構法と気流止めを耐火性能上、有効なファイアーストップとして認め認められました。
「省令準耐火構造」と「Q1.0住宅の標準工法」との関係については、新住協の鎌田先生の下記の記事に分かりやすく書かれていますので添付します。
上記のリンクから文章を抜粋すると、
私たちは、高断熱構法と気流止めを耐火性能上、有効なファイアーストップとして認めるよう国に要請し、2010年ようやく省令準耐火構造仕様として認められました。この仕様の基本である、壁内から天井裏に火が燃え広がらないようにするファイアーストップを設ける工法が、高断熱構法や気流止めと全く同じ働きをします。
この省令準耐火構造仕様で家を建てると竣工時の火災・地震保険料が5年で約20万円、30年間では100万円以上も安くなるので、急速に普及し始めています。プレカット工場もこの仕様でプレカットが可能になり、高断熱ボード気密工法の最後の障害が取り除かれました。図-3がその概要で、要点は次の通りです。
https://www.replan.ne.jp/articles/5776/3/
GWS工法はこちら。
https://www.glass-fiber.net/gwskoho.html
「Q1.0住宅の標準工法(GWS工法)」を「省令準耐火構造」にするには
「Q1.0住宅の標準工法」を「省令準耐火構造」にするには、主に下記の4つの仕様を変更する。Q1.0住宅の標準工法で建てていれば、「省令準耐火構造」にするには、以下の変更程度なので、そんなにコストアップにはなりません。
- 上の階に床がある天井を強化石膏ボード12.5以上にすること。強化石膏ボードとは、石膏の芯にガラス繊維などを加えて耐火性能を強化したボード。同じ厚さの石膏ボードと比較するとかなり重い。
- 上の階に部屋のない天井(下屋の天井)の場合は、普通石膏ボード12.5以上にすること。
- コンセントとスイッチボックスの防火被覆措置。当社では金属製のプレートとすることで対応している。
- 軒裏を防火構造とする。防火構造(準耐火構造30分軒裏)が求められるので、アスノン12mmを使っている。
省令準耐火の仕様については、下記がイラスト入りで分かりやすいです。
省令準耐火の仕様の概要
https://www.flat35.com/files/300187905.pdf
省令準耐火の家は、普通の木造住宅と比べて、どのくらい保険料が安くなるのか?
省令準耐火構造の住宅は、通常の木造住宅と比べて火災保険料が割安になります。保険にもよりますが、場合によっては半額程度まで保険料が抑えられる場合もあります。
火災保険の等級は、戸建住宅の場合、T構造(耐火構造)、H構造(非耐火構造)の2種類です。
省令準耐火は、T構造(耐火構造)に分類されるので、火災保険料が安くなります。
T構造(耐火構造)に分類される建物には、コンクリート造、鉄骨造など火災に強い建物が挙げられます。
省令準耐火構造の建物は、そうした建物と同等の耐火性能を有していると評価されるため、火災のリスクが低いとみなされ、T構造(耐火構造)に分類されるので、火災保険料が割安に設定されています。
省令準耐火の家のデメリットは?
省令準耐火の家は、普通の木造住宅よりも、火災に強い建物になるため、材料と手間が高くなりコストアップすることがデメリットの1つになりますが、毎年掛かる火災保険が安くなることで回収できます。
特に、Q1.0住宅標準工法になっていれば、上記の変更程度なので、そんなにコストアップにはなりません。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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