2022-08-09
Q1.0住宅小山の家(小山市)
高断熱・高気密住宅

Q1.0住宅 小山の家 完成して引き渡しました

南西より外観を見る。屋根には太陽光パネル。

先月7月2日土曜日、「Q1.0住宅 小山の家」を引き渡しました。

工事途中は、「Q1.0住宅 小山の家」の現場管理と、その他、計画中のQ1.0住宅の仕事が忙しくて、ブログの更新が出来ませんでした。

今後、数回に分けて、「完成したQ1.0住宅 小山の家を振り返る」という形で、「読者に参考になるであろう」ことを、ブログにしたいと思います。

今日のブログは、内外観をザックリと説明します。

軒の出た外観にする理由

軒の出た外観。付加断熱の住宅で下屋を造るのは手間がかかるが、物干しとなるデッキ上にも屋根が架けられると合理的

当社では、他社が新築した住宅のリフォーム工事も行っており、「軒の出の無い家」や「軒の出の少ない」、お豆腐のような四角い外観の家が、どれくらい傷みやすいかを知っているので、造らないようにしています。

雨の多い日本の気候風土を考えると、キチンと勾配の付いた屋根を架けて、軒を出すのが自然です。シンプルな勾配屋根は水キレが良く、軒(のき)が出ていると外壁に雨が掛かりにくく、外壁が汚れにくくなり、結果として耐久性の向上とリフォーム費用の削減に繋がります。

逆に、お豆腐のような、軒の出の少ない四角い住宅は、屋根勾配が緩いために、屋根に降った雨水のキレが悪く、屋根面が濡れている時間が長くなりゴミも堆積しやすいので、屋根材が傷みやすくなります。「軒の出」も無いため外壁にも雨が掛かりやすく、汚れやすくなると同時に傷みも早くなります。

「汚れやすい」は「傷みやすい」と同義なのです。

私は、雨に対する耐久性と外観の普遍性を重視し、屋根にキチンと水勾配を付けて、狭小敷地で軒が出せない以外は、軒を出すことを外観デザインの基本としています。

太陽光パネルと外装材

軒の出た外観

模型やパースと違って、屋根に6.6kwの太陽光パネルが載っています。今後の住宅は基本的に太陽光を載せていく予定です。

外壁材は、栃木県産の杉板。外壁杉板の寸法は175×18×3650、それを3~5mm程度の隙間を空けて縦貼りして、隙間に15×45×3650の押縁を貼りました。無塗装です。

外壁杉板は、水に強く耐久性にも優れると言われている「赤身の節あり材」です。

杉板縦貼り押縁仕上げ
貼った時点では赤身の杉板なのが分かる。引き渡し時にはやけて黄色くなった。

小さな家を広く感じさせる工夫

ダイニングからキッチン方向を見る。適切な位置に使いやすい収納を造ることを心掛けている。格子内は床下エアコン。

室内は当社のいつもの仕様です。

栃木県産の杉フローリングは、幅165×厚さ30mmの節無し。珪藻土の壁と天井。

幅広のフローリングを使うことで、フローリングの継ぎ目の数を最小限にして、小さな家でも、より広がりを感じるようにしています。

かつ室内壁の一番上に「廻り縁」という木材を付けないことで、壁と天井を一体化させて、より広がりを感じるようにしています。

小さな家こそ、造り付け収納を多めにして、片付く室内を目指すべきなので、そうしました。

洗面脱衣室を見る。左は洗濯機を囲う乾太くんの台。洗面ボウル左脇は洗濯物を畳めるスペース。

工程表から家の特徴が分かる

これがQ1.0住宅小山の家の工程表です。

特徴は、建具の建て込み期間を12日間取っていること。

当社の建てる住宅は、大きくても30坪程度。

小さな家が多いので、結果として造作家具や収納が多めになります。

というのも、小さな家の場合は、適材適所に収納を多めにしておかないと、室内が片付かないからです。

家具や収納が多めになるということは、建具(ドア)の数も多めになるということです。

かつ1人の建具職人が作業場で丁寧に造って、現場で建て込むので、建具の建て込み(現場での設置期間)に10日~12日間くらい見ています。

工程表を見て頂くと、4/25~5/9くらいに木製建具工事が行われたことが分かります。

建具が付くと、現場も完成が近くなることが実感できて、ひとまずホッとする瞬間です。

私の中では、建具職人のYさんは現場に落ち着きを与える、江夏豊のような存在かもしれません。

下のブログのように、建具職人はリフォーム現場でも大活躍です。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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