2019-07-19
Q1.0住宅宇都宮の家 SH-house(宇都宮市)
高断熱・高気密住宅

付加断熱をグラスウールで行う3つのメリット

付加断熱(ふかだんねつ)とは

付加断熱とは、一般的な壁の外側にもう一つ壁を作って断熱を強化する「壁の断熱仕様」のことで、「充填断熱+外断熱」のことを言います。

 

充填断熱に「付加(付け加えて)」して、外断熱を行うので「付加断熱」と言います。

 

付加断熱の一番具体的な利点は、冬とても暖かく、身体が楽になること。

 

また省エネになること。室内がどこでも暖かいので、例えば北側にリビングを持って行くこともできたりして、間取りの自由度があがること。寒くないので部屋の隅々まで使えるため、小さな家でも広く使えるなど、様々良いことがあります。

 

SH-houseでは、充填断熱105mm+付加断熱120mm=225mmの分厚い壁の「付加断熱仕様」にしています。

 

付加断熱をグラスウールで行う3つのメリット

BEFORE

付加断熱をする場合、私が所属する新住協では断熱材の種類は、グラスウールやロックウールと言った燃えにくい無機質な材料を使うことを推奨している。

 

AFTER

ウレタンやポリスチレン等の石油化学系断熱材を外壁側に付加断熱として使ってしまうと、ロンドンの高層ビル火災のように、延焼する可能性が高いからだ。

 

1.付加断熱をグラスウールで行う1つ目のメリットは、他の断熱材よりも燃えにくいこと。

 

火を付けてみると分かるが、グラスウールはウレタンやポリスチレンよりも燃えにくい。

 

全国的にロックウールよりもグラスウールのほうが安いので、実際に使われているのは、グラスウールがほとんどである。

 

2.2つ目の付加断熱をグラスウールで行うメリットは、普遍性が高く安価なこと。

 

グラスウールは日本で一番普及しており、普遍性とコスパが高い断熱材です。専門工事業者を必要としないので、大工さんでも施工可能であり、リフォームなどでも応用が効くのが、普遍性とコスパが高い理由です。

 

特定のフランチャイズ(FC)に入っていないと採用できないような特殊な断熱材は、その住宅会社がフランチャイズを辞めてしまったり、FC自体が無くなってしまうと、入手できなくなります。このような断熱材は普遍性が低いと言えます。

 

3.3つ目のメリットは、分厚く施工できること。

 

断熱材の性能は厚さに比例するので、「充填断熱+付加断熱」の厚さを210mmから225mmなど、分厚くできることがメリットです。

 

付加断熱の施工順序

最初に窓廻りの付加間柱を組んでおく。

1.まず最初に窓枠を組みます。

 

2.ダイライト上に付加間柱の位置を出します(墨出し)

 

付加間柱は土台を最初に取り付けて、下から上に取り付ける。

3.土台から順番に付加間柱を取り付けます

 

バネリードビス160mm。

バネリードビス160mmを使いました。下穴を開けずに120mm×30mmの付加間柱に160mmのバネリードを留めるのは杉の柱だと柔らかいために難しかった。ビスが規定の寸法潜らなかったので、下穴を開けて施工しました。105×30の間柱だと、150mmのバネリードで留められるらしいです。

窓下には縦方向に付加間柱を入れた。

4.付加断熱材を取付

 

付加断熱を施工する際は、給湯器や外付けスクリーンや縦樋の下地を、忘れずに入れておくのが重要

出隅の縦方向の下地は縦樋を取り付ける下地木材。H型は給湯器取付下地。

普通の家」は、充填断熱のみなので、付加されておらず、外壁下地となる「柱」に給湯器、外付けロールスクリーンや縦樋等が付けられます。

 

しかし、「付加断熱」の場合は、外壁の直ぐ下に「下地となる木材」が入っていないので、忘れずに下地を入れておく必要があります。

 

履き出し窓の脇に付けた「物干し金物下地」

キチンと下地の位置を検討して取り付けるので、結構手間が掛ります。

 

なおかつ、外壁材がガルバリウム鋼板の場合は、ガルバ外壁材に直接ビス留めをしないほうが良いため、下地の上にステンレスのアングルを付けておきます。

 

グラスウールは専用の裁断カッターで切ると便利

グラスウール専用の裁断カッターで、切っているところ。

グラスウールには専用の裁断カッターがある。マグイゾベールのグラスウールカッター。

 

付加断熱材の断面は120mmと分厚い。グラスウール裁断カッターは刃渡り300mm。

綺麗に切断出来て、作業もスムーズだ。

 

今月末7/27()7/28()に、このQ1.0住宅の構造見学会を行います

今月末7/27(土)と28(日)にこのQ1.0住宅で構造見学会を行います。

 

付加断熱、床下エアコンの平屋のような24.5坪の住宅です。

 

予約制なのでご興味ある方は、ご連絡ください。

 

案内を貼っておきます。

Q1.0住宅構造見学会のお知らせ@宇都宮市 

 

7/28(日)はまだ空いております。

 

■7/27(土) →予約満了になりました。

①10:00   ②13:00  ③1500

 

■7/28(日)

①10:00   ②13:00  ③1500

 

これから家を建てる方におススメしたい本。家づくりでの大切なことが1日でザックリ分かります。

この本ついてにブログを書きました。

「住まいの基本を考える」は、家を建てる前に知っておきたいことが1日で読めるおススメ本

 

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

この記事をシェアする
コメント