2019-12-07
Q1.0住宅宇都宮三番町の家 SI-house(宇都宮市 三番町)
リフォーム
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【経験者は語る!】洪水時の浸水はインナーガレージのシャッターから起こりやすいので、シャッター用防水商品で大型台風に備えるの巻

台風19号の洪水で、当社前の上河原通りは川になった。ショールーム内も床上浸水してバケツが浮いている。

10/12の台風19号による洪水では、当社の自宅兼事務所も床上浸水しました。

 

台風19号で事務所兼ショールームが床上浸水した1日を写真で振り返る

 

当社とお客様の水害事例は、インナーガレージのシャッターが水圧で壊されて(または外れて)、浸水したということが、近隣で4例ありました。

 

洪水時に、一番低い開口部であるシャッターから浸水するのは当たり前の話なのですが、当社倉庫と施主のお宅3軒が浸水して初めて、洪水時のシャッター部の弱さに気が付きました。

 

先日書いたブログでは水害に強い建材について書きましたが、今日のブログは、洪水時の浸水はインナーガレージのシャッターから起こりやすいので、シャッター用防水商品で大型台風に備えたほうが良い!という話を書きます。

 

【無垢材と造作建具は水害にも強い説】台風19号で床上浸水した結果から水害にも強い建材を考える

 

自宅も床上浸水35㎝の被害にあい、洪水被害にあった施主のお宅もリフォーム工事している私が通りますよ。

 

基礎断熱の場合は基礎内部に水が入りにくい。しかし・・・

基礎断熱のSI-houseの床下には浸水していなかった。床下点検口と床ガラリから床下を確認した。しかし、インナーガレージは浸水し、車両が被害を受けた。

洪水被害を受けた住宅の中で、基礎断熱の住宅は基礎と土台が気密化されており、床断熱のように基礎と土台の間に2㎝程度の基礎パッキンの隙間が無いため、基礎内部に水が入らず効果的でした。

 

ただし基礎断熱の住宅の場合でも、防水に有効なのは、浸水高さが土台上端以下の場合のみです。

 

逆に基礎断熱の場合は、一度基礎内部に水が入ってしまうと、基礎内部に通気しませんから、床断熱よりも床下が乾きにくくなります。

 

一番低い開口部であるシャッターから浸水する

しかし基礎断熱の場合でも、一番低い位置にある開口部であるインナーガレージのシャッターから洪水の侵入をうけ、中の車両が被害を受けたお宅がありました。

 

被害を受けたのは当社前のSI-houseです。

 

またシャッターのスラット(巻き上げる部分)が、洪水の水圧で曲がってしまい全て交換になりました。

 

基礎断熱の住宅でインナーガレージがあり、ガレージへの浸水経路が、シャッターの1箇所のみという場合は、シャッター部の防水だけを考えておけば良いので、軽量シャッター用の洪水対策商品が有効です。

 

SI-houseもガレージだけ防水すれば、浸水高さが土台上端以下の場合は室内に浸水しないので提案しました。

 

私も台風後に初めて知ったのですが、洪水対策用のシャッター防水商品があるのです。

 

三和シャッターの場合の軽量シャッター用簡易防水シートeシートの3つのメリット

三和シャッターの軽量シャッター用簡易防水シート「eシート」

調べたところ、各シャッターメーカーが、洪水時のシャッター用の防水商品を出しています。

 

三和シャッターの場合は、「eシート」という軽量シャッター用簡易防水シートです。

 

メリットは3つ。

 

  1. 素人1人でも5~10分くらいで設置できる。
  2. 防水性能は土嚢の10倍以上。土嚢は買って運ぶのだけでも大変です。
  3. コンパクトで持ち運びできること。専用のバックに入っており、収納時寸法はW630×D210×H130です。

 

デメリットは浸水高さが300mm以下なこと。ただし、これを付けておけば高さ400mm程度の浸水でも、かなり水の侵入は防げるはず。

 

対応浸水高さを300mmまでと決めてあるのは、それ以上にするとシャッター自体が水圧で壊れてしまう等、試験結果から有効高さを決めたのだと思います。

 

床断熱の住宅でも、浸水高さが基礎立ち上がり以下の場合は、この商品は有効です。

 

履き出しサッシ及びシャッター付履き出しサッシ部の防水商品は無いのか?

SI-houseの施主にシャッター部だけでなく「履き出しサッシ及びシャッター付履き出しサッシ部の防水商品は無いのか?」と聞かれたので調べてみました。

 

ネット検索しても無かったので、サッシの代理店経由でメーカーに問い合わせてもらいました。

 

結論から言うと、履き出しサッシ及びシャッター付履き出しサッシ部の防水商品はありませんでした。

 

履き出しサッシの高さまで浸水してしまうと、基礎断熱の住宅でも室内・基礎内部・壁内部に水が入りやすくなりますし、洪水時の水圧はかなりなモノなので、サッシに防水部材を取り付けると、ガラス面はもちろん、サッシ自体も破損する可能性があるから、造っていないのかもしれません。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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