建築いろいろ, 高断熱高気密省エネ住宅.

今日のブログは、新築やリフォームをする時に、依頼先の住宅会社や工務店が、大手商社の子会社から建材を購入していたら、大手商社系だからこそ、その建材子会社は簡単に無くなるので、「安心できない」という具体例を書きます。

 

一般の人の感覚では、大手商社の三井物産や伊藤忠から建材を買っていると聞くと、安心感があるかもしれませんが、住宅業界に居る私は逆。不安になります。

 

その理由は景気の良かった時代、大手商社は資本を出して、住宅建材を販売する子会社を作っていたのですが、景気が悪くなると脱兎のごとく会社を畳んだので、その会社から建材を買って住宅を建てた住宅会社・工務店は大変だったのです。

 

具体的に何が大変だったかと言うと、特に輸入建材の場合は、建材子会社が無くなると、親会社である大手商社に相談しても、「もうその子会社は無いのだから」と、保証どころかメンテナンスもしてもらえない上に、新たなメンテナンス依頼先の紹介もしてもらえなかったので、とても苦労しました。

 

日本のメーカーの建材、例えば窓なら、販売していた建材会社が無くなっても、直接メーカーに問い合わせができて、メンテナンスも継続できますが、輸入建材の場合は、メーカーが海外なので、それが出来ません。

 

大手商社の建材子会社の社長は、大手商社の社員が出向して社長を務める、サラリーマン社長なのであり、業績が悪くなったりすると親会社の意向で簡単に会社が無くなります。サラリーマン社長の中で、それでも独立して建材会社を続けて行こうなんて人は皆無でしょう。大手商社に戻ったほうが、給料も良いし生活も保障されていますから。

 

結論を先に書くと、輸入建材を買う場合は、社長がオーナー社長で、かつ、地域に密着しており、差別化されている建材を持ち、その建材に惚れ込んで売っている社長から直接買うのが良いと思います。

 

そういう会社は、小規模ですが小回りが利いてメンテナンスもキチンとしてくれます。オーナー社長なので、親会社の意向で会社を畳む心配もありません。

 

では、輸入建材は、大手商社の建材子会社からは買わないほうが良いという具体例に行きましょう。

 

木製サッシ「ペラ」の障子が腐ってしまい交換

数日前に、築15年のお宅の木製サッシ(ペラというアメリカのサッシメーカーの窓です)の障子が腐ってしまい、大工と行って交換してきました。

 

サッシの障子とは、窓ガラスと周囲の枠のこと。窓の開いたり、移動したりする部分が「障子」で、サッシの壁に付いている部分を「枠」と言います。

 

この窓は木製サッシなので、室内から見るとガラスの周りも木枠。外側から見ると、木がアルミで覆われている「アルミクラッド」と呼ばれているタイプの木製サッシです。

 

ちなみに、木製サッシは「アルミクラッド」されているタイプと、木がむき出しの「木のまま」のタイプがあります。両方使った経験がありますが、「アルミクラッド」されているからと言って、長持ちするとは限らないと思います。アルミクラッドされていれば、その部分は塗装する必要が無いという程度でしょう。

 

8年程前にも、今回交換した窓の真下の窓の障子が腐ってしまい、その時は、保証期間だったのに、保証どころか、交換用の窓の購入先を探すのにも大変でした。

 

新築時の購入先の建材会社、三井物産の子会社の三井物産ハウステック㈱がすでに無く、さらに三井物産ハウステックに建材を卸した、ペラサッシの販売を主力としていた、伊藤忠建材の輸入建材部門である(株) キーストーンも、ペラの販売を辞めた後でした。そのキーストーンという社名は無くなり、伊藤忠建材に戻った形になったようです。

 

8年前の交換時は会社のあったキーストーンさんに、新築後7年なのだから、保証期間ではないのですか?と聞いたところ、直接販売したわけではないので、販売会社に問い合わせてくれと言われてしまい、販売会社が無くなっていることを話すと、ペラの販売を辞めていたこともあり、「うちでは何もできない」という返答でした。

 

通常なら新築後7年程度であり、新築して10年経っていないので、サッシメーカーの保証期間の可能性が高かったのですが、ペラのサッシを購入した建材会社である三井物産ハウステックも、そこにサッシを下ろした総輸入元キーストーンのペラサッシ部門も無くなっていたので、結局は全て自腹での工事になってしまいました。

 

建材子会社が無くなったので、親会社である大手商社に問い合わせたが、なしのつぶて。

8年前の交換では、前述したように、新築時、木製サッシ「ペラ」の商流は、伊藤忠建材の輸入建材部門である(株) キーストーン→三井物産の建材子会社である三井物産ハウステック→当社という流れでした。

 

当時、硬質ウレタンパネルのFP工法で有名な「FPの家」を造っており、このお宅もFPの家です。

 

FPグループでは、FPパネルとサッシと換気システムという最低3つの建材は、三井物産ハウステックから買わなくてはならないという「取り決め」があり、三井物産ハウステックから3つの建材を買わないと、「FPの家とは認められなかった」ので、ペラのサッシもキーストーンから直接買うのでなく、三井物産ハウステックを通して買いました。

 

ちなみに、三井物産ハウステックは、FP工法の本部であった松本建工と大手商社の三井物産が折半の資本で作った会社であり、会員工務店に、パネルと一緒に建材を売るというFCやVCが良く行う手法で運営されていました。

 

8年前の初めて木製サッシが腐ってしまった時には、私はFPグループを退会しており、その時には三井物産ハウステックも無くなっていたので、まずは三井物産ハウステックの親会社の、三井物産の本社の建材を扱っている部門に電話しました。

 

すると、電話の相手は、三井物産ハウステックという会社が存在したことも知らないようで、「もう会社が無くなってしまったのだから、当社(三井物産)には責任はなく、何もできない」という返事でした。子会社の数が多すぎて理解していないのだと思います。

 

機械と話していても時間の無駄なので、次に伊藤忠建材の輸入建材部門である(株) キーストーンに電話しましたが、前述したような返事であり、これまた交渉しても時間の無駄なので、「ペラ サッシ」でネット検索すると、「ペラ インターナショナル」という会社がヒットしたので連絡しました。

 

「ペラ インターナショナル」という会社は、(株) キーストーンから、主力であった「ペラのサッシ部門」のみが独立して出来た会社のようで、築7年なので、保証対応できないかと聞いても、キーストーンと同じ返事でした。

 

当時「ペラ インターナショナル」は、年配のシニアテク二カルマネジャーの肩書を持つ社員Aさんが実質1名で動いており、現在のペラの販売会社であるハウディー株式会社に間借りするような形で運営されていたようです。Aさんの携帯が繋がらない時は、会社に電話すると、ハウディーの社員さんが出たという記憶があります。

 

多分、(株) キーストーンから、ハウディー株式会社に「ペラ サッシ部門」を移行する役目の会社がペラインターナショナルであり、その社員がAさんであったようです。

 

8年前のサッシの交換は、ペラ インターナショナルに有料で依頼し、代金は当社で負担しました。

 

今回のサッシ交換の時に使ったような、交換マニュアルがあれば、専門家が居なくても、2人で交換できるのですが、8年前は交換マニュアルも無かったのです。

 

Aさんも1人で動いていたためか、横浜の会社から宇都宮に来るのがとても面倒な様子で、こちらとしては、何とか来てもらってサッシ交換しないと、お客さんに迷惑をかけるので、Aさんに対して非常に気を使った記憶があります。

 

今回のペラサッシの購入先

まずは、現在ペラのサッシは、受注生産になっており、発注してから納期が約3か月間とかなり時間がかかります。アメリカで作って船便で届きます。

 

15年前は、横浜のキーストーンの倉庫に大量のペラのサッシを在庫してあり、その倉庫に見学に行きました。

 

今回は、ハウディー株式会社さんから買いました。担当の方はとても丁寧に、交換方法等を教えてくれました。

 

当然、交換した経験が無いので丁寧に教えてもらわなければ交換は出来ないのですが、8年前の三井物産と伊藤忠建材の輸入建材部門である(株) キーストーンとペラインターナショナルの対応が、とても酷かったので、普通の対応でもありがたく感じてしまいました。

 

今回のペラサッシ交換の施工写真

サッシ交換前。2階のサッシ交換なので足場が必要。

ペラサッシの腐食状態

 

マニュアルに従いサッシを外したところ

パッキンの下端が切れていた。新しいサッシと比べたところ。

障子の4方向に廻っているゴムパッキンの下端が切れていました。切れていなければ雨水は入らないので、これが原因かと思います。切れたパッキンから水が入ると、パッキンがあることにより、逆に水は排出されにくくなり腐食が進むのかもしれません。劣化によりパッキンは切れますから、障子交換を前提に作られている窓なのだと思います。

付きました。

取付は、外したのと反対の工程です。

 

今回、ペラサッシを購入したハウディーの方によると、木製サッシは特に長期間締め切りにせず、1日1回程度窓を開けて、サッシの様子を見るのも大切だとのこと。

 

ガラスとアルミクラッドとの取り合いから、雨水が入ることもあり、それが腐りの原因になることもあるようです。

  

今日のわかった

数日前に、ペラのサッシの交換を大工と行い、8年前の悪夢を思いだしてブログを書きました。

 

今日のブログに書いたように、大手商社系建材子会社は、撤退が早いので、特に輸入建材を買う場合は、おススメしません。

 

輸入建材を買う場合は、建材会社の社長がオーナー社長で、かつ、地域に密着しており、差別化されている建材を持ち、その建材に惚れ込んで売っている社長から直接買うのが良いと思います。

 

こちらのブログもご覧ください。

施主支給がコストダウンになりにくい理由

 

ドックフード、安いものの中では、これが良いみたいです。コストコ専用ですが、アマゾンでも売られています。次はこれにする予定。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士

栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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