お客様の声

Q1.0住宅 昭和の家

性能・間取り・デザイン・設備。家づくりの各要素を、調和させて実現することを目指しました

宇都宮市の中心市街地では珍しく、十分な日当たりを確保できる敷地に建てられた、コンパクトな総二階建て(3.5間×4間)の住宅です。

この家は、Q1.0住宅レベル3の断熱性能を備えており、南側の窓から日射熱を取り込むことで、真冬でも、ほとんど暖房が不要なほど暖かく、その状態が長く続きます。

逆に夏は、窓の日射を遮ることで室内への熱の侵入を防ぎ、小型のエアコン1台で家全体を快適に冷やすことができます。

高断熱高気密住宅は、冬は日射熱を取り入れ、夏は遮った上で、設計時に選定した小さなエアコンを最小限で動かすことで、一年中快適かつ省エネな暮らしが可能になります。

※真冬と真夏の温湿度データと考察については、施工例の下の方をご覧ください。

この住宅の施主は「スイッチボット(SwitchBot)」を活用し、家電のスイッチをスマートフォンで遠隔操作しています。 例えば、スイッチボットの温湿度計を使用し、ハブ(専用接続器)と連携させることで、室温や湿度に応じてエアコンを自動制御しています。

高断熱・高気密住宅は外気の影響を受けにくいものの、2度くらい室内の温度差が発生することがあります。特に、南側の部屋は暖かくなりやすく、北側の部屋は冷えやすい傾向にあります。

そこで、各部屋に温湿度計を設置し、北側の冷えやすい部屋の温度に合わせてエアコンを制御することで、家全体の温度差を抑え、より快適な室内環境を実現しています。

また、当社では、温熱環境の快適性だけでなく、間取りや収納の使いやすさとによる快適性と、造作建材を使うことによる愛着と持続性も重視しています。

いつものように、設計前の打ち合わせでは、施主の生活習慣を詳しくヒアリングしました。

その際、奥様から「トイレと玄関の間に、カウンター付きの洗面台が必要」「化粧を素早く済ませるため、顔に影ができない照明一体型ミラーキャビネットを設置したい」といった具体的な要望をいただきました。

この要望を反映し、キッチンを中心に「キッチン→トイレ→洗面台→玄関」と回遊できる動線を設計。さらに、回遊式動線の周囲に、収納と水回りを周囲に配置することで、使い勝手の良い住まいを実現しました。

今回初めて採用した照明一体型ミラーキャビネットは、表情がよく見えて使いやすいため、リフォームも含めて標準仕様になりました。それまでの洗面台の照明計画では、顔に影ができてしまい、表情が見えにくかったため、この改善は大きなメリットとなりました。

この住宅は、断熱・気密性能が高く、収納が充実し、回遊式動線を採用した機能的な住まいです。しかし、機能性だけを追求すると、無機質な工業製品のようになってしまいますから、有機的要素を取り入れたい。

「吹抜け+階段」を組み合わせて空間に広がりを持たせ、無垢材と白い漆喰壁で仕上げました。さらに、名作照明を取り入れて壁面を美しく照らすことで、シンプルでありながら、温かみと情緒を感じられる室内空間を実現しました。

毎回、外観デザインでは、シンプルな矩形(四角形)の平面とすることを意識しています。凹凸のない矩形は外壁面積が少なくなって、施工費用を抑えられるだけでなく、外壁面積が少なくなるので光熱費も抑えられます。かつ複雑な形では無いため、雨漏りのリスクも軽減できます。

屋根は棟を北側に配置し、南側に広い面積を確保した切妻屋根とすることで、7.5kWの太陽光パネルを設置しました。

外装材も内装材同様、建築費用は安くないものの、普遍的で耐久性が高く、メンテナンス回数を減らせる材料を採用。長期的に施主にメリットがある仕様になっています。外壁と屋根にはガルバリウム鋼板を使用し、施主の希望でモスグリーン色を初採用しました。樹脂サッシと雨樋を茶色にすることで、周囲に自然に馴染む外観となっています。

このように、機能性だけでなく、デザインや使い勝手にもこだわることで、省エネで快適な暮らしを実現する住まいとなりました。

当社で家づくりをする前、家について、どんなことで不安やお悩みがありましたか?

性能・間取り・デザイン・設備など、それぞれをうまくバランスして実現できるか。

当社をどうやって知りましたか?

インターネット。

その時の当社の印象について教えてください?

住む人の個性や、生活に合わせた家を提案して頂ける。

他にも似たような住宅会社があったにもかかわらず、何(どの部分)が決め手となって当社と契約されたのですか?

・自分たちの要望に対して、検討頂けると感じたこと。

・ヨシダクラフトと現場が近いこともあり、施工管理や要望に対応頂けるのではないかと思ったから。

設計中の打ち合わせで印象に残っていること。参考になったことなどあったら教えてください?

特になし。

家づくりでこだわった点、ゆずれなかった点は?

タイルや照明など、自分たちで良いと確認してから、モノ(建築材料)を使うこと。

施工中、印象に残っていることなどありますか?私や職人の対応、現場の様子など、何でも結構です。

毎週、施工状況を現場で説明頂けたことは良かったと思います。指摘に対しても対応頂けた。

実際に住んでみた、夏の暮らしについて。快適だったこと、不快だったこと、こうすれば良かったことがあれば教えてください。

・軒の出や外付けブラインド、オーニングで日射遮蔽させられるため、エアコン1台で十分涼しい。

・夜間などは、エアコンが作動していない時間が多いため、エアコンによる除湿は出来にくい。湿度を下げようとすると室温が下がりすぎる。

実際に住んでみた、冬の暮らしについて。快適だったこと、不快だったこと、こうすれば良かったことがあれば教えてください。

・晴れ日は、暖房が不要なほど温かい。また、温まった状態も長く続く。

・ただし、日が暮れたタイミングで不在なことが多いため、ハニカムサーモスクリーンが自動で閉まるようになると、(より保温性が高まるので)良かったと思います。

※ハニカムサーモスクリーンとは、各窓の室内側に取り付けた、カーテンもしくはレースカーテンの代わりにもなる、上げ下げできる窓の断熱材です。

温熱環境以外の、間取り・内外装の仕上げ材・収納などについて、率直な感想をお聞かせください。

既製品にはない、(造作収納や造作建具による)間取りに合わせた設計と素材は、住みやすさと愛着に繋がっていると思います。

家の中でお気に入りの場所、ちょっと自慢したくなるところは?

吹き抜けと照明の雰囲気。

実際に暮らしてみて、こうしておけば良かったと思う所がございましたら、教えてください?

特になし。

家づくりを計画中の方たちに、一言アドバイスをお願いします。

自分たちの中で譲れないことを、しっかりと決めておくことが必要だと思います。

ヨシダクラフトより

このアンケート回答に書いてありますが、施主が当社に依頼した理由の1つは、「敷地と当社が近いので、適切に施工管理を行ってくれて、要望にも対応してくれそうだと思ったから」です。

住宅会社と現場が近ければ、住宅会社側は現場に行きやすいので、施主と密にコミュニケーションが取れますし、コミュニケーションが円滑だと、相手が何を考えているのかが分かりますから、要望にも対応しやすい。

人間は接触(コミュニケーション)する回数が増えるほど、その相手への好意も信頼も高まり、接触が少なく「何を考えているかわからない」と思われると、嫌悪感を持たれやすいのです。接触理論と言うらしいです。

物理的に住宅会社と現場が近いなら、住宅会社・職人・施主の3者の接触回数は増えますが、住宅会社と現場が遠い場合は、お互いの接触回数は減ります。

少子高齢化の影響もあり、今後、ますます家づくりは、できるだけ近くの造り手(工務店や設計事務所、職人)に依頼することが重要になります。

しかし、その重要事項を軽く考えてしまい、遠くの造り手に、家造りの依頼をする方もいらっしゃいます。

私は、遠くの造り手に依頼して新築した方から、「ヨシダクラフトでリフォームをやってくれないか?」と、何度か問い合わせを受けたことがあります。

問い合わせ内容は「遠くの造り手に依頼をして新築は上手く行った」「しかし、引き渡し後のコミュニケーションが徐々に減ったことなどにより、完成して10~15年後のリフォーム時に、新築した会社に依頼できなくなっている」というものでした。

造り手の立場からすると、近くのお客さんには、移動時間やガソリン代等の経費が掛からないので、比較的きめ細かく対応できますが、遠くのお客さんには、それが難かしくなるという単純なことなのです。メンテナンスや少額リフォームは、基本的に工事単価が低いため、粗利益も低めになりますから、遠い現場の場合は、近くの現場のようには対応が出来ません。

どうしても遠くの造り手に依頼したい人は、そうすれば良いと思うのですが、「遠くの造り手に依頼するデメリットは、完成して10〜15年後の、最初のリフォームあたりから生じる」ことを、新築の時は知らない方が多いのです。

ですから「家造りは、近くの造り手に依頼したほうが良い理由」を詳しく説明します。

この文章の最後に、近くの造り手に依頼したほうが良い理由を書いたブログを、2本リンクしました。

●住宅は移動できない特性があるため、近くの造り手に依頼するのがベター

住宅は土地に固定されており、大きくて重いため移動できません。

もし住宅が小さくて宅配便などで、持ち運びができるものであれば、遠方の業者に依頼しても問題はないでしょう。しかし、現実には住宅は動かせないため、造り手側は総動員して現場に何十回も行く必要があります。

かつ、現場で施主と顔を合わせて、頻繁にコミュニケーションしたほうが良いので、近くの造り手に依頼するほうが多くのメリットがあります。

●遠方の業者に依頼するデメリット

多くの人は気づいていませんが、遠方の業者に依頼すると、特に新築後10~15年が経過した頃からデメリットが顕著になります。

① 新築後10~15年以降になると、外壁塗装等の外装メンテナンスにプラスして、比較的少額のメンテナンス工事も発生してきます。

例えばどういうことが起きてくるかと言うと、キッチンや洗面台などの水栓・給湯器・便器などの設備類が壊れたりします。また網戸の張替等も発生します。

各工事は、多くて数十万円の比較的少額なメンテナンス工事になりますが、それらは、一気に発生するのでなく、1つか2つずつ、少し間を開けながら、継続して起こります。

近くの住宅会社に依頼していれば、比較的すぐに対応してもらえますが、遠方の業者だとそうはいきません。

造り手側からすると、新築工事のように、比較的総額が高く粗利益が取れれば、遠くても対応は出来ます。しかし、メンテナンス等の安い単価の工事だと、時間が掛かる割に粗利が取れないことがあるので、仕事を請けにくい。

逆に施主側も「安い単価の工事で何度も来てもらうのは、造り手側に申し訳ない」と考えて、依頼しずらいということも出てきます。

② 住宅のメンテナンスやリフォームにも、多くの職人が関わります。当然ですが、設計者・現場監督はもちろん、各職人の人数分の交通費や人件費が発生します。

遠方の業者に依頼する場合、片道1時間以上かかると往復だけで2時間以上。訪問準備や作業時間、帰社後の後処理も含めると、1日仕事になることもあります。

近場なら他の現場と掛け持ちできますが、遠方だと移動時間が長くなり、掛け持ちが難しい。設計者・現場監督・各職人の全てが、その現場に行っただけで1日仕事になってしまう可能性があります。結果として人件費や交通費が高くなります。

例えば、近くの業者なら1万円で済む工事が、遠方の業者だと2~3万円になってしまうこともあります。

自称合理主義者の中には「新築や大規模リフォームは、遠方のお気に入りの住宅会社に依頼し、誰でも出来るメンテナンスは近場の住宅会社に頼めばいい」と考えるかもしれません。しかし、新築工事の保証期間内に、別の業者が手を加えると、保証が無効になる可能性があり、その場合、合理的で無くなってしまうので注意が必要です。

●少子高齢化により、ますます近くの業者に依頼することが重要になる

少子高齢化が進むにつれ、大工や職人の数は減少しています。2000年から2020年の20年間で、大工の数は54%減少。2020年時点で、60歳以上の大工の割合が、43%と絶滅危惧種のようです。

大工以外の、他の職人も同様に20年間で32.7%減少、60歳以上の割合は27.8%です。

現在の建築現場では高齢な職人が多く、高齢な職人は、体力的に無理が効きません。特に高齢職人たちにとっては、遠くの現場に何度も行くのは負担が大きく、地元で仕事が確保できるなら、遠方の現場は避けたいのが本音です。

なので今後は特に、遠くの造り手には依頼しないほうが良いです。

施主自身が、住宅業界を自分の働いている業界に置き換えて考えてみてください。ほとんどの業界が、少子高齢化の影響を受けているはずですから、遠くの住宅会社に依頼するのは、避けた方が良いことが、何となく分かるはずです。

●近くの業者を選ぶ目安

依頼する業者は、車で有料道路を使用しない前提で、以下の距離を目安に探すと良いでしょう。

新築工事 → 造り手の会社から 1時間以内(できれば30分以内で、できる限り近い業者の方が良い。特に高断熱高気密住宅と造作建具・造作家具を使う家は、それ以外と比べて、職人の作業量と、現場監督が施工確認する量が各段に多くなるので、特に現場に近い住宅会社のほうがきめ細かく施工管理が行える)

大規模リフォーム・リノベーション → 30分以内(新築に近い大規模工事こと。壊しながら造る判断をすることが多いので、新築よりも現場に行く回数が増えるため、新築時よりも近い方が良い)

リフォーム → 15分以内(数万円から5~6百万円くらいまでの工事。)

●まとめ

住宅は土地に固定されており、宅配便などを使って動かせないという特性があります。

そのため、新築もリフォームも、できるだけ近くの造り手に依頼することが、長期的に見て、コストやメンテナンスの面でも有利になります。

特殊な過疎地でない限り、自分たちに合った造り手は、必ず近くで見つかるはずです。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。遠くの造り手に依頼しないほうが良い、具体例を書きました。

少子高齢化が進むと、新築の依頼先は、ますます近くの会社が良い理由

遠くの住宅会社に依頼するのが合理的でない理由

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