2015-11-11
土地・地盤
家づくりの初めに

注文住宅を建てる人には、杭偽装問題より重要なポイントは土地選び!このような土地建物は買わないほうが無難という具体例

旭化成杭工事会見

出典

横浜市のマンションが傾いている問題。杭工事を行った旭化成建材及び旭化成の世間のイメージは大きく落ち込んでいます。旭化成のへーベルハウスは、つい2ヶ月前、栃木・茨城での集中豪雨による「洪水に耐え隣家住民も守った家」として絶賛されましたが、一転、「杭偽装問題」で評判はガタ落ちになっています。

 

私、サラリーマン時代にマンションの現場監督として杭工事の経験があり、木造住宅も造っており、建物の沈下修正工事(アンダーピニング)の経験も2度ありますので、経験をもとに語りたいと思います。

 

「木造住宅の杭は大丈夫なのか?」と心配になっている人も多いかと思いますが、まずは、杭の話の前に、このような土地と建物は買わないほうが無難だという話をしたいと思います。杭工事よりも重要なポイントだからです。

 

2段擁壁や大谷石擁壁のある土地は買わない

 

2段擁壁出典

 

高低差のある土地は、土地の土が流出しないように、土留めの「擁壁」を設置しています。この擁壁が倒れたりすることが原因で事故になっているケースが多いです。2段擁壁とは、古い大谷石の擁壁などの上に、コンクリートの擁壁を載せている状態を言います。写真は下が大谷石で上がコンクリートブロックの2段擁壁です。

 

栃木県は大谷石の産地で、古い大谷石の擁壁が未だ多数存在します。2段擁壁も大谷石擁壁もどちらも安全を証明できないので、条例で禁止していることが多いです。

 

このような土地では、擁壁を無いものとして、がけ地扱いして擁壁と建物の距離を充分 離しても、擁壁が崩れてしまうと、20M以上先の建物さえ傾くことがあります。

 

2段擁壁についてQ&Aに答えています。擁壁Q&A

 

 

中古住宅を買う場合は、床の水平を確認する

レーザーレベル測定

中古住宅を買う場合は、必ず床が水平であるかを確認したほうが良いです。床が傾いているのは、軟弱地盤で基礎が傾いている可能性があるので、真っ先に確認すべき事項です。購入後にリフォームする場合は、おかしいと思ったら、工務店に立ち会ってもらいレーザーレベルという水平を確認する機械で調べたほうが良いでしょう。写真がレーザーレベル。水平の赤いレーザーが出て、床の高さの違いを測れる。

 

レーザーレベルで確認出来ない場合は、室内をくまなく歩いて床が平らかを確認すること。また、ドアや窓がきちんと開閉するか確認しましょう。建物が傾いていると、ドアや窓がきちんと閉まらないことが多いので、目安になります。傾いている場合は、歩くと普通は分かります。

 

注意しなければならないのは、仲介の不動産業者にとっは、中古住宅が傾いていたら売れない可能性が高く、知らなかったと言えば自分達の責任にはならないので、わざわざ自分に不利な情報は言わない可能性が高いです。

 

地盤調査は絶対に行う

 

地盤調査

新築する場合や、中古住宅を買って家が傾いていることが分かったら、地盤調査は絶対に行いましょう。スゥェーデン式サウンディング試験で良いです。

 

ネット上には、地盤調査と地盤補強は住宅会社が金儲けのために行っている。本当は必要ない。不必要な工事をさせられている、などど書いている設計者がいらっしゃいますが間違いです。地盤調査で、地盤補強が必要と判定されたら、必ず行いましょう。

 

住宅地盤改良種類

出典

地盤調査をして、必要な場合は、適切な地盤補強をすれば、通常は問題ありません。地盤補強の種類は、上記の表層改良、柱状改良、鋼管杭の3種類が多く、地盤調査内容にあった方法を選択します。砕石を使った柱状改良工法のハイスピート工法も良いと思います。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

この記事をシェアする
コメント