2021-01-23
リフォーム

【自己負担なく住宅修理やリフォームができると言われたら要注意!】栃木県の火災保険申請サポート会社の詐欺的商売の裏側をレポートします

「住宅〇〇協会」など、住宅業界団体っぽい所から電話やメールが来て、「火災保険を使って自己負担なく住宅修理やリフォームができる」と言われて、トラブルになっている人が増えています。

これです。国民生活センターも注意喚起しており、相談件数は2019年度は、2010年の24倍になっています。

当社にも、「住宅〇〇協会」を名乗る栃木県内の火災保険申請サポート会社から、協力工務店の依頼が来ました。その時に話を聞いて、詐欺的商売の裏側を少しだけ知っていたので、いつか世間で「火災保険申請サポートの悪い評判」が出たときに「ブログに書こう!」と思っていました。

ついにその時が来ました。

今日のブログは、私の知っている栃木県の火災保険申請サポート会社の工務店勧誘方法と詐欺的商売の裏側をお話しします。ちなみに協力会社になっていた工務店の中には、私の知り合いの設計者が施工を依頼している工務店(工務店というよりも総合建設会社という規模)もありました。

施主(エンドユーザー)の主なトラブル事例としては以下のようなことがあります。何でこのようなことになるのか、このブログを読めば、その裏側が分かります。

保険金を使って自己負担なく住宅修理やリフォームができると言われて発生したトラブル事例

【主なトラブル事例】

「契約時に契約書面に署名したが、控えをもらえなかった」

「解約すると言ったら、解約料として保険金の50%を請求された」

「代金として保険金全額を前払いしたのに着工されない」

その他、悪質な例では申請代行業者から「損傷は経年劣化によるものだが、保険会社等には自然災害が原因という理由で申請するよう」勧められたと思われるケースもあります。

出典

栃木県の火災保険申請サポート会社の工務店勧誘方法と見積調整の実態

栃木県の場合、私の知る限りでは、お客さんに代わって火災保険申請サポートを行っている会社や個人が、工務店やリフォーム会社と結託し、保険会社に提出する工事見積金額を高額にさせて、本来なら必要の無い保険金を請求し、火災保険申請サポート会社及び営業代行会社が自分の懐に入れているのが問題なのです。

火災保険申請サポートを行っている会社や個人は、自称前職で損害保険会社に勤務していたなどと言っている人間で、「自分は火災保険が ケースバイケースで いくらくらいまで出るかを熟知している」などと言います。

そして、「工務店やリフォーム会社が作る見積書は安すぎる場合がある」「見積に計上できる項目を見落としているので、キチンと申請すればもっと保険金が出るから見積金額はこちらで調整する」「私がお客さんを探して来て、工務店やリフォーム会社に紹介します」などと勧誘し、「安すぎる見積との差額+対価を私が頂きます」などと言います。

火災保険申請サポート会社の粗利は保険金の30%

火災保険申請サポートでネット検索すると多くの業者が出てきます。手数料も30%程度で合ってました。

何故知っているかというと、当社にも火災保険申請サポートを行っている会社が営業に来たからです。当社はOB施主のリフォームで手一杯なのでお断りしたのですが、 しつこく 「話だけでも」というので、ザックリと話を聞きました。

少し話を聞いただけで「詐欺師っぽいのが来た~、いつかブログに書こう!これは楽しみ~」と思いました。その火災保険申請サポート会社が、どのくらいの粗利を取っているのか聞いてみると、火災保険の総支給額の約30%とのこと。(グレーな仕事なのに)高い粗利ですね?と私が言うと、素知らぬ顔つきで、他社では45%のところもありますと言っていました。

なぜ工務店は火災保険申請サポート会社の協力会社になってしまうのか?

工務店側からすると、 火災保険申請サポート会社の 協力会社になっておくと、自分で営業活動せずに、修理工事程度でも仕事が発生します。火災保険申請サポート会社から、ついでに他の仕事も依頼されるかもしれないなどと言われると、協力工務店に加わっておこうという話になるのだと思います。

仕事の内容を聞くと、行ってはいけないグレーな仕事であり、かつ少額工事が多い上に、火災保険申請サポート会社にマージンを抜かれるので、利益も取れないと分かるのですが・・・。

また、火災保険と関係の無い、追加のリフォーム工事が発生した場合でも、火災保険申請サポート会社は、キッチリと多額のマージンを取るのだそうです。詐欺的 保険申請サポート 会社は、どこまでも貪欲でした。

宇都宮市内のどのような工務店が火災保険申請サポート会社の協力会社になっているのかを聞いたところ、5-6社の社名が上がり、名前を聞いたことがある会社も含まれていました。

トラブルになった施主の傾向

一方、騙された立場の施主側の問題としては、自己負担なく住宅修理ができるに引っ掛かるような人は、私の経験では世間知らずです。かつ物事には良い面と悪い面があるということを理解していない上に、自分に都合が良いことのみを受け入れるクレイマー体質の人も含まれます。

火災保険申請サポート 会社に、「施主はクレイマー体質の人も多めでしょう?」と尋ねると、「そうだ」と言っていました。だから工務店側にとっては、最悪な仕事なのです。

私の「貴方たち詐欺的ですよね?」の問いに、「グレーゾーンです」

話を聞いた後で、私は火災保険申請サポート会社に聞いてみました。「保険申請に不必要な、貴方たち火災保険申請サポート会社が介在して、保険会社に多めに保険金を支払わせるのは詐欺的ですよね?」と言ったところ、表情一つ変えずに「グレーゾーンです。」と言ったのでした。グレーな人間はメンタルも強いなと思いましたね。

その営業をしていたのも、火災保険申請サポート会社の人間ではなく、火災保険申請サポート会社と提携している「営業の代行会社の人間」でした。話を聞くと、数社の火災保険申請サポート会社と提携しており、出た火災保険金から、その営業の代行会社の人間も利益を取っているとのことでした。

その代行営業マンも火災保険申請サポート会社社長も、パンチの効いた半グレでなく、温和なIT企業のプログラマーか清潔感溢れる保険屋さんのような見た目なので、お客さんは騙されやすいと思いました。

普通に考えると、残りの70%の金額で工務店やリフォーム会社が、工事できるとは考えられませんから、手抜き工事に近いことも行われているのだと想像しました。

施主(エンドユーザー)からすれば、工務店に依頼した見積書を火災保険の申請書類に添付して出せば良いだけの話で、火災保険申請サポート会社なんて介在させる必要は無いのです。

ネットや電話営業、または飛び込み営業で、火災保険を代理申請しますと勧誘してくる業者の話は聞かないほうが良いでしょう。

経年劣化は火災保険の対象外

台風や大雪などの自然災害による住宅修理は火災保険が出る可能性がありますが、経年劣化や老朽化による損害は、もちろん火災保険の対象外です。

保険の申請は代筆してもらうのでなく、自己申請が基本

「火災保険を利用して、自己負担なく家の修理ができる」と言われると、そんなに美味しい話は無いと思いながらも、「申請は私が行うので手間はありません」と念を押されてしまうので、楽に無料で住宅修理ができると話を聞いてしまいがちです。しかし美味い話には毒がある。

保険の申請は代筆してもらうのでなく、自己申請が基本です。特に経年劣化に由来する住宅修理に対しては火災保険は出ないので、話を前に進めないようにしましょう。

保険金が使えるという住宅修理サービスでのトラブルに注意 チラシ

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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