2019-07-15
Q1.0住宅宇都宮の家 SH-house(宇都宮市)
高断熱・高気密住宅

住宅の気密性を高めるために行う「先張りシート」と「壁のスリーブ廻りの木枠造り」

住宅の気密性を高めるために、充填断熱材を入れる前にやっておくべき事が2つある。

 

1つは外壁と垂直にぶつかる壁に「先張りシート」を貼っておくこと。

 

もう1つは、断熱性と気密性が高まるように「壁のスリーブ廻りを木枠で造り」設置しておくこと。

 

先張りシートとは・・・

外壁の内側には気密シートを貼るので、垂直にぶつかる壁には、先張りシートを張ると気密が取りやすい。

気密シートとは、木材を設置してからだと、気密シートが張りにくい場所にあらかじめ気密シートを貼っておくことである。

 

外壁と直行する壁がある場合、先に木材を設置してしまうと気密シートが途切れてしまい、気密性が確保しずらくなるので、あらかじめ気密シートをカットして貼ってくことを、先張りシートという。

 

外壁側に筋違いが直行する部分の先張りシート

特に外壁に筋違いを含む壁が直行する場合は、先張りシートを貼っておいたほうが、後で気密シートを上手く貼れる。

 

断熱性と気密性が高まるように「壁のスリーブ廻りを木枠で造り」設置しておくこと

熱交換換気扇のスリーブ

住宅の外壁には、換気システムやキッチンレンジフードの給排気口、またエアコンスリープ等、多数の穴を開けなければならない。

 

それは高断熱高気密住宅でも同じである。

 

この住宅の壁スリーブは7本。パイプの廻りを木枠で囲い、隙間にウレタンスプレーした。

このSH-houseでも、外壁に大小7か所の丸い穴が開いている。

 

スリーブ廻りの断熱性と気密性を確保

穴の種類と大きさを説明すると、キッチン排気レンジフード150パイ(直径150mm)、キッチン給気口150パイ、熱交換換気扇給気100パイ、熱交換換気扇排気100パイ、ユニットバス排気100パイ、トイレ排気100パイ、2階エアコン65パイの合計7か所である。

 

この家の壁に付くエアコンは1台のみだが、普通の家は各部屋に1台エアコンを付けることが多いため、壁も穴はさらに多くなる。

 

普通の住宅では、このように「パイプの廻りに木枠を組んで、隙間をウレタンスプレーする」なんてやってないから、穴廻りはスカスカであり、気密性が確保できないのは当たり前の話である。

 

家造りは、このような完成すると隠れてしまう部分を、「細かく行う」ことが、室温をより均一にして快適性を上げるために重要である。

 

構造見学会の案内をこのブログの最後に付けたので、興味のある方は、ご連絡ください。

 

気密性を高める必要性は、7/13のブログに書いたが、室内の温度差を極力なくすためである。

 

また、気密性能の高さは、作業の丁寧さにもつながり、気密以外の施工精度とも比例していることが多い。

 

なぜ住宅の気密性を高めることが必要なのか?

隙間の多い家で暖房すると、暖かい空気は天井へあがり、屋根の隙間から外へ出ていきます。

 

屋根から出た分だけ床下の隙間から冷たい空気がどんどん侵入するため、暖房すればするほど室内の上下で温度差が拡大します。

 

隙間の少ない家は、暖めた空気が屋根から抜けにくく、床下から冷たい空気が侵入してきませんから、室内の上下で温度差が起きにくいのです。

 

気密性の向上は床の底冷えにも効果があります。

 

だから新築工事の依頼先は、気密試験を実施しているところが良いです。

 

・「断熱」「気密」というと、どこか息苦しく感じたり、自然や気候風土を遮断しているようなイメージを抱いている方もいますが、それは言葉の独り歩きからくるまったくの誤解。

 

・断熱気密性能を建物の「保温力」と捉えてみてください。冬は太陽の熱を効率的に取り入れ、その暖かさをしっかり保つのです。

 

・気密はダウンジャケットのファスナーと捉えればわかりやすいでしょう。しっかりと閉めることができれば格段に保温力は上がります。

 

今月末7/27()7/28()に構造見学会を行います

今月末7/27(土)と28(日)にこのSH-houseで構造見学会を行います。

 

付加断熱、床下エアコンの平屋のような24.5坪の住宅です。

 

予約制なのでご興味ある方は、ご連絡ください。

 

案内を貼っておきます。

Q1.0住宅構造見学会のお知らせ@宇都宮市 

 

7/27(土)は予約満了になりました。7/28(日)はまだ空いております。

 

■7/27(土) →予約満了になりました。

①10:00   ②13:00  ③1500

■7/28(日)

①10:00   ②13:00  ③1500

 

庭のある普遍性の高い住まいを特集しています。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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