2019-02-28
本・映画

建築家「白井晟一全集」を買ったら総重量27キロ、物凄いボリュームに驚いた

白井晟一全集。左の2冊のハードカバーの中に図面集が3冊ずつ入っています。

高額でなかなか手が出なかった建築家「白井晟一全集」を、思い切ってメルカリで買いました。

 

雰囲気ありますね。

写真出典

 

白井晟一氏とは、日本を代表する建築家の1人で、モダニズム建築の風潮に相容れず、哲学的・詩的と言われる建築を造った方です。昭和58年に78歳でお亡くなりになっています。

 

私の中では、特に自邸の「虚白庵:こはくあん」の真っ暗な室内写真と、「試作小住宅」の均整の取れた外観が印象的な建築家。銀行などの商業建築や役場などの公共建築も手掛けています。

 

プライベートでは、パリ時代に「放浪記」等の作品で有名な、作家林芙美子の恋人だったようです。

 

林芙美子邸も、とても素敵な住宅でした。

 

豪が暮らした名作平屋。林芙美子邸、建物内部の特別公開に参加しました

 

「白井晟一全集」の購入理由

試作小住宅

「白井晟一全集」の購入理由は、「試作小住宅」と名前が付けられた15坪の平屋の美しい外観シルエットに興味があり、図面で寸法を見たかったこと。

 

木造住宅は、木材をそれぞれの寸法に切って、現場で組み立てるのですが、自分が良いと感じる住宅が、どんな寸法で造られているのか、どんな勾配で屋根が架けられているのか、軒の出、階高、開口部の割合と取り方等を確認したかったからです。

 

また、他の住宅の図面や写真も見たかったから。

 

「試作小住宅」については、簡潔にまとめられているこちらをご覧ください。他にも名作小住宅が掲載されています。

 

「白井晟一全集」は物凄いボリューム

この1988年に出版された建築家の全集は、中古市場でだいたい3万円前後で取引されており、9万円に近いものもありました。

 

「白井晟一全集」は、建築関係の友人の事務所でも見たことが無く、栃木県内の図書館にも無いので内容も確認できなかったため、価格に対して内容が分からなかったことも、なかなか手が出なかった理由の1つです。

 

先日、メルカリに全部揃った状態で合計17800円(送料及税込)という破格値で出品されており、今がチャンスと買いました。ネット上には全揃えでなく、分割されて売られているものも多数あります。

 

全集は段ボールに入って送られてきました。総重量27キロ。

出品者からは「全揃なので物凄いボリュームです。1つの段ボールで納まらないかもしれない」と連絡が来ました。

 

「白井晟一全集」は、図面集6冊、作品写真集6冊、ドローイング集1冊、白井晟一の眼という題名のエッセイ本2冊、全集補完本1冊で、重さを測ったら27キロ。足に落としたら骨折は確定の重さ。

 

作品写真集とドローイング集は、価格の都合なのか製本されていません。白井晟一の眼というエッセイも2冊付いているので、読むのが楽しみです。

 

まだ、さらっとしか見ていませんが、買って良かったと思いました。私はボリュームのある食事と本が大好物です。

 

現在、Amazonでは分割されたものだと思いますが、9000円で出ています。これも値段は安いと思います。

買いやすいのはこのへん。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

この記事をシェアする
コメント
ヤンさん

吉田社長様 いつもコメントありがとうございます。その後発作も治まり、忙しい日常が戻っておられると思います。 今日は窓ガラスのことで質問をさせてください。 我が家は3年前に大手ハウスメーカーで注文住宅を建てたのですが、余り記憶には無いのですが、窓ガラスには2種類ある。 言ってみれば、冬用と夏用、即ち夏の暑い太陽光線を遮る窓ガラスと、一方冬の暖かい太陽の熱を室内に取り込める窓ガラスがある。そんな記憶があるのですが、如何でしょうか? また、私の居住地は埼玉県南部になりますが、仮に2種類の窓ガラスがあるのなら、どちらが適当なガラスになるんでしょうか? ひょっとしたら、愚問だったかもしれません。その際はご容赦ください。 よろしくお願いいたします。

2019年03月05日
yoshidacraft

こんにちは。 現在、新築やリフォームをする場合の窓ガラスの選択は、南面の窓は冬の日射取得を、その他3面は日射遮蔽と断熱性を上げることを重視します。 具体的には、冬に南側からの日射を取り込み、南側の窓を暖房機代わりに使う。ですから南側の窓を大きくして、日射を遮らない「日射取得型のペアガラス」を使います。日射取得を優先するので、トリプルガラスにはしません。 逆に東・西・北の窓は、基本的にあまり大きくせずに最小限の個数で、「日射遮蔽型のペアガラスもしくはトリプルガラス」という考え方です。 日差しの強い夏は、できれば窓の外側で日射遮蔽して涼しく過ごします。窓の外側で日差しを遮るのが効果があります。窓外に付ける日射遮蔽材はすだれ、もしくは専用日よけ材のセイキのサングッドのような建材。窓外で日射遮蔽出来ない場合は、室内側のハニカムサーモスクリーンが良いと思います。室内側のハニカムサーモスクリーンは窓の断熱性も高めます。 ちなみにサッシ枠も断熱性の確保には重要です。当社では新築の場合は、オール樹脂サッシ。ガラスはアルゴンガス入り、スペーサーは樹脂スペーサーが標準仕様です。ハウスメーカーでも一条工務店のように断熱性能を重視して、樹脂サッシを標準仕様にする会社もあります。

2019年03月05日
ヤンさん

早々のご回答ありがとうございました。 新築設計時に、設計士の方からそんな詳細な話しは全く無かったですね。 ユーザーに話す必要も無いことなんでしょうかね? でも、これで疑問解消です。我が家がさて、どうなっているのか?今度、営業マンに効いてみたいと思います。

2019年03月05日
yoshidacraft

返信ありがとうございます。 20年程前から、家の断熱性能が、住み心地やランニングコスト、健康、家の間取りにも大きく影響することが分かってきたので、断熱性能や気密性能にこだわっている住宅会社が多くなっています。こだわり方はピンキリなのですが、一般的にそういう会社で建てる場合は、ハウスメーカーでも地域工務店でも、窓ガラスの仕様は当然、施主との話に出ます。外皮で一番熱の出入りのある窓と玄関ドアの性能を上げることは、家全体の断熱性能を上げるために必要だからです。 窓ガラスの仕様は図面の中の、建具表に表示されていることが多いので、確認してみたらいかがでしょうか?もしくは、見積書に書いてあることもあるかもしれません。 ハウスメーカーさんは、通常営業マンがお客さんとの窓口になっているのが、分かりにくい理由かもしれません。特に性能関連の仕様決めと施主説明は、設計者のほうが適任だからです。営業マンは売るのが仕事で、造るのは自分ではないですから。設計者から窓の話が無かった理由は分かりません。全国一律に近いスケールメリットを生かすには、それぞれの地域で個々に断熱性能の仕様までこだわって対応していたら、大手ハウスメーカーのスケールメリットが無くなるという話ですよ。

2019年03月06日