2018-05-23
リフォーム

リフォームやリノベーションで出来て新築で出来ないこと。それは古く価値のある既存建材を生かして、新築にない味わいを出せること

既存の梁を露出させ、新築には無い雰囲気とした。新しさと古さの対比が印象的な室内。

リフォームやリノベーションで実現でき、新築で出来ない事は、古く価値のある既存建材を生かして、新築にない味わいや雰囲気を出せることです。

 

古い既存部分に価値があるということは、新築では真似の出来ない工事になります。

 

窓のカウンターの無垢材は新築当時のものを削って使っている。

リフォームを手掛けている経験から言うと、古くなっても使える建材は、新建材ではなく、無垢フローリングや無垢材のカウンター等の建材です。

 

例えば、新築後50年以上経っている無垢のフローリングを何度も見ていますが、それらはまだまだ使えそうでした。

それに対して、カラーフロア(合板フローリング)や既製品の建具等の新建材は、新築後20年程度でみすぼらしく劣化するのが実情。カラーフロア等の新建材は接着剤の寿命が建材の寿命となる場合が多く、かつ工業製品なので廃盤になる運命です。廃盤になると修理が効かないので、リフォーム時に新建材を残そうという選択肢はなくなり、新建材を全て撤去して大規模リフォームとなることが多いです。

 

リフォームをする度に感じますが、新築時には値段が多少高くても、長く使える「無垢フローリング」と、廃盤にならずに地域の建具職人によって修理の効く「造作建具」の2つを使うと、結局は長く使えるのでお得。この2つは、意匠面だけでなく、耐久性や更新性の面からも室内建材のマストアイテムだと思います。

 

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本年度アカデミー賞 主演女優賞受賞作品。クライムサスペンスですが、街の人々の様子が丹念に描かれた脚本が良くできてます。「オレンジジュース、飲む?」には泣いた!

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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