2021-10-22
Q1.0住宅小山の家(小山市)
建材・住宅設備・便利グッズ
高断熱・高気密住宅

床下エアコンには必須!基礎断熱のシロアリ対策

快適性が極めて高い床下エアコンを採用する場合は、基礎断熱にする必要があります。基礎断熱とは、基礎コンクリートを断熱材で覆って、床下の熱を外部に逃げにくくする断熱方法です。

基礎断熱は、文字通り基礎の立ち上がりと床版に断熱材を設置します。基礎断熱は、シロアリの居る地面から、断熱材までの距離が近くなるため、床断熱よりもシロアリ被害を受ける可能性は高くなります。

当社の今までに行っていた基礎断熱のシロアリ対策は5つ

1.基礎スラブ下の防湿シートを敷く前の土壌に防蟻薬剤を撒くこと、

2.基礎内側に断熱材を施工すること

3.断熱材と配管等の隙間には防蟻ウレタンスプレーを注入し、極力隙間を無くすこと

4.床下点検しやすくするため、太い換気配管をなるべく床下に設けず、点検できる基礎高さとすること

5.床下と床から1Mの木部に「ホウ酸防蟻剤」を撒くこと

新築専門の住宅会社や社歴の浅い会社は、自社施工の新築以外を見る機会が少なく、実際にシロアリ被害を見る機会が少ないため、あまりシロアリを恐れていないのかもしれません。しかし、私はリフォーム工事等で他社物件も含めた様々なシロアリ被害を見ているので、慎重にならざるを得ません。

そこでQ1.0住宅小山の家以降の新築住宅は、建材メーカー城東テクノの「Joto基礎断熱工法」を採用して、よりシロアリの被害を受けにくい仕様と致します。

Jotoシロアリ保証1000はこちら

城東テクノのシロアリ対策、「Joto基礎断熱工法」の採用理由

この工法を採用すると、シロアリの被害をより受けにくくなる上に、竣工後10年以内に蟻害が発生した場合に、累計1000万円を限度に保証を付けることが出来ます。

「Joto基礎断熱工法」は、シロアリを未然に防ぐ工法となっており、入会金や保証金が必要なく、部材を採用して施工する以外に費用が掛からないことで、大幅にコストアップしないことも、この工法の採用理由です。

シロアリ保証が受けられる「Joto基礎断熱工法」を説明する前に、栃木県では、まだまだ珍しい断熱仕様である「基礎断熱を採用する2つの理由」をお話しします。

基礎断熱を採用する2つの理由

1つは床下エアコンを採用するためです。1階床面より下部の断熱方法には、床断熱と基礎断熱の2種類がありますが、床下エアコンを採用する場合は、基礎断熱の1択です。「基礎断熱」とは、基礎コンクリートに密着した断熱材により、床下エアコンの熱を逃げにくくする仕様です。

ちなみに基礎断熱には、基礎外断熱と基礎内断熱がありますが、「Joto基礎断熱工法」は、基礎外断熱と基礎内断熱のどちらにも対応しています。ちなみに当社はシロアリの被害を比較的受けにくい、基礎の内側に断熱材を設置する「基礎内断熱」を採用しています。

2つ目は、基礎断熱は床断熱よりも気密性能を確保しやすいためです。床断熱は、気密層となる床合板面に、何本もの排水管や給水管が貫通するので、基本的に気密性を確保するのが難しい断熱方法です。

その点、基礎断熱は基礎を貫通する配管廻りの気密性を確保すれば良いので、床断熱と比べると気密性が確保しやすい。基礎断熱は、北海道などの寒冷地では、床下の給排水管を凍結させないという利点もあります。

シロアリ保証が受けられる「Joto基礎断熱工法」の規定は主に4つ

基礎内断熱に「Jotoのシロアリ返し付き断熱気密パッキン」 を施工した図
基礎間仕切りには通気できる普通のキソパッキンを設置する

1つは、床下を換気経路にいれること。シロアリは乾いた場所が苦手なので、床下の空気を循環し乾燥させることが大切だと言われています。

2つ目は、基礎外周の打ち継ぎ部分に「joto製のキソ止水プレート」を入れるか、基礎コンクリー打設を、床版と立ち上がりの2回に分けずに1発打ちとすること。ちなみに、Q1.0住宅小山の家は「基礎の一発打ち(基礎立ち上がり一体打ち)」を行う予定である。

3つ目は、基礎外周の配管貫通廻りは無収縮モルタルか防蟻パテを使うこと。

シロアリが床下に侵入しやすいのは、基礎外周のコンクリートの打ち継ぎ部と配管廻りの2箇所であるから、その部分をしっかりと防ぐということです。

ちなみに防蟻リフォームでシロアリ業者が床下に潜り、念入りに防蟻剤を撒く箇所は、基礎外周部の打ち継ぎ部と配管廻りです。シロアリ業者ほど、シロアリの発生個所を知っている人達は居ません。

4つ目は、外周部の基礎パッキンを「Jotoのシロアリ返し付き断熱気密パッキン」として、基礎間仕切り部分の基礎パッキンを、床断熱の時にも使う「キソパッキンもしくはキソパッキンロング」にすること。どちらも城東製品である。

これで、しっかり基礎外周で気密を取れて白蟻返しで基礎内部に侵入しずらい形状となり、基礎内部では空気を動かしやすい仕様となる。

シロアリ保証が受けられる条件は、基本的にはこの4つのみであり登録料や保証料は必要ない。単純に白蟻対策建材と施工費用がアップするだけであり、施工内容もシロアリを防ぐには、納得できるものばかりである。

「Joto基礎断熱工法」 以外のシロアリ対策部材「ターミダンシートという防蟻防湿シート」

joto基礎断熱工法以外のシロアリ対策として、砕石の上に敷く「防蟻防湿シート」でターミダンシート、別の会社のモノでアリダンシートという部材がある。

同じ基礎面積の場合の、材料のみの価格をざっくり比較したところ、 「防蟻防湿ターミダンシート」は「Jotoのシロアリ返し付き断熱気密パッキン」 の約半分の値段でした。

ただし「Jotoのシロアリ返し付き断熱気密パッキン」 が基本的に1ケース8本入りという最小単位で買えるのに対して、 ターミダンシート は、1本当たり、総2階延床30坪程度の家だと2軒分以上になるので歩留まりは 「Jotoのシロアリ返し付き断熱気密パッキン」 のほうが良い。だから材料費は ザックリとターミダンシート が 「Jotoのシロアリ返し付き断熱気密パッキン」 の半額になるということでなく、半額より高めになるだろう。

ターミダンシート のような 「防蟻防湿シート」 が効果が長く続くのであれば、基礎下(基礎の外側)で白蟻をシャットアウトするのは合理的なので、ターミダンシートを採用して、外周部の土台下を普通の気密パッキンにしても良いかもしれない。詳しくは調べていないが、保証も出るようである。

joto基礎断熱工法 は主に建築の形態で防蟻し、ターミダンシートやアリダンシートは建築外のシートに含まれた防蟻剤で防いでいる。両者、施工箇所は違うのでどちらも使えればより良いが、値段は当然高くなるので、どちらかを採用するのが普通だろう。

シロアリ関連のブログはこちら

リフォーム工事等で白蟻被害を複数回見ており、その対策もしているので、今までにもシロアリ関連のブログを何本か書いています。よかったらご覧ください。

これから新築・リフォームする人は、「白蟻被害実態調査報告書」をザックリ読んでおこう
白蟻(シロアリ)被害を受けやすい家、9つの特徴とその対策
羽有アリが出たら、白蟻(シロアリ)かどうかは「くびれ」で見分けられる!
吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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