2016-07-27
住宅探訪

イタリア大使館別荘@日光市を人間に例えると、日本が好きな毛深い外国人

イタリア大使館別荘1

樹木で隠れているが普遍的な美しい住宅であることが分かる

 

英国大使館別荘@日光市の後は、隣のイタリア大使館別荘の見学です。私が特に見たかったのは、アントニン・レーモンドが設計した、杉皮の内外装で有名なこちらの別荘でした。英国大使館別荘から徒歩2~3分で到着します。

 

今の時期は、樹木が茂り明確に建物の外観を見ることが出来ませんが、建物の美しいアウトラインが、印象的な杉皮外壁材に覆われているのは分かります。この建物を人間に例えると、「日本が大好きな男前な毛深い外国人」という印象。

 

イタリア大使館別荘は、杉皮の印象的な壁に美しい屋根が載っています。イギリス、イタリアどちらの別荘(住宅)も、美しい勾配の付いた屋根が載り、窓と開口部の対比が明確。美しい外観の住宅で強く印象に残るのは、屋根だということを再確認。

 

整った壁の上に綺麗な形の屋根が載り、スカイラインを美しく切り取っているので、毛深い人肌のような杉皮外壁材でも男前なのです。杉皮は水平に設置された「竹の押し縁」で押さえられており、その規則性と市松模様が、整った印象を与えています。プロポーションが悪い建物に、杉皮外壁材を使ったら、「趣味の悪い目立ちたがりの毛深いオッサン」のような建物になっていたことでしょう。

 

イタリア大使館別荘の設計者は、アントニン・レーモンド

アントニン・レーモンド

イタリア大使館別荘は、1928年(昭和3年)にアントニン・レーモンドが設計し完成しました。修復、復元がされており、今年で築88年です。

 

アントニン・レーモンドは、チェコスロバキア出身。、22歳で渡米し建築家フランク・ロイド・ライトのもとで学び、帝国ホテル建設の際に来日。その後日本に留まり、モダニズム建築の作品を多く残し、日本人建築家に大きな影響を与えました。

 

イタリア大使館別荘は、ライト建築との決別を意味する新境地
イタリア大使館別荘2

イギリス大使館別荘とは全く違った内外装

このイタリア大使館別荘は、壁に市松調模様や独特の平面プランニング、日本家屋と欧米生活様式の融合を図ったディテールなどはライト建築との決別を意味する新境地となる。前川國男、吉村順三、ジョージ・ナカシマなどの建築家がレーモンド事務所で学んだ。

ウィキペディア

日本の建築設計業界、工務店業界に多大な影響を与えている吉村順三さんの事務所のボスがアントニン・レーモンドです。

イタリア大使館別荘3

建具の押し縁も外壁の押し縁の高さと、ほぼ同じ。外壁と建具が連続するように造ったのだと思う。室内建具材はラワン。木製サッシュはスプルス?

 

イタリア大使館別荘5

眺望はイギリス大使館別荘の勝ち

 

イタリア大使館別荘7

 

イタリア大使館別荘を設計するにあたり、地元の職人たちにどのような建材が適しているか提案するように依頼し、地元特産の日光杉を樹皮と薄い板に分け市松模様にし、美しくモダンな内外装の建物を造りました。


副邸の国際避暑地歴史館

イタリア大使館別荘8

こちらが副邸。

 

イタリア大使館別荘の隣にある、副邸の国際避暑地歴史館も、別荘の雰囲気が継承されたとても落ち着く平屋の建物です。

 

イタリア大使館別荘よりも高い位置にあります。副邸の窓から本邸別荘がよく見えます。また、副邸では、鱒釣りや中禅寺湖でヨットをしている当時の映像が見られるので、こちらも見学することをおススメします。

 

モダンでありなから有機的な住宅

 

イタリア大使館別荘6

杉皮と杉板が竹の押し縁で留められている

 

私は、アントニン・レーモンドの設計した建築を初めて見学しました。非常に落ち着く建物だと感じたのは、杉皮や檜の床板等、よく目にする素材で有機的に建物が造られていたからだと思います。佐藤秀工務店に勤務していた時に、アントニン・レーモンド亡き後のレーモンド設計事務所が設計した住宅の施工管理を担当したことがあります。大田区馬込の住宅でした。鉄筋コンクリート造の住宅でしたが、玄関ポーチを支えるコンクリートの丸柱に、杉の型枠が使われ、コンクリートの表面に杉の表情が出る仕上げでした。

 

お隣の群馬県高崎市には、アントニン・レーモンドが設計した群馬音楽センターと旧井上房一郎邸がありますから、近いうちに見学に行きたいと思っています。

 

レーモンド設計事務所

 

日光 翠園

 

別荘見学の後は、食べログで見た中華料理 日光 翠園 でランチ。豚肉炒めのCランチ。観光地なので料金高めですが、美味しかったです。

 

 

日光 翠園ランチ

 

「イタリア大使館別荘記念公園」

住所:日光市中宮祠2482

駐車場: 歌が浜駐車場(県営無料)

観覧料:大人200円、小人100円(イギリス大使館別荘との共通観覧料は、大人300円、小人150円)

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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コメント
やつふさ

群馬音楽センター、旧井上房一郎邸へ是非。高崎には、激安うまい焼肉ランチ、慶州苑銀座店がありますよ。ビックリ価格です。日光のランチなら、清滝の香楽かな。特徴的なレバニラ、定番の鳥旨煮なんか最高です。

2016年07月27日
yoshidacraft

ありがとうございます。参考にさせて頂きます。慶州苑銀座店、良さそうですね。

2016年07月28日
yoshidacraft

清滝の香楽の特徴的なレバニラもガッツリ行けそうですね。 http://fifabakutyouou.cocolog-nifty.com/nikkousannsou/2014/06/o-0381.html

2016年07月28日