2025-08-13
Q1.0住宅 宇都宮小幡の家(宇都宮市)
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防水テープ圧着専用具「ウォータープルーフスムーサー」―気密テープ施工にも活用できる優れた道具

ウォータープルーフスムーサーは、程よいコシと柔軟性がある

「ウォータープルーフスムーサー(Waterproof Smoother)」は、窓まわりの防水テープ施工時に発生しがちな“浮き”や“隙間”を防ぐために開発された、専用の圧着工具です。

一般的に、防水テープは大工が窓を取り付けた後、自らの手で貼ることが多いのですが、テープは厚く、貼る面はサッシのツバなど凹凸があるため、手だけでは十分に圧着しきれません。その結果、わずかな隙間や防水シートのシワが「水の通り道」となり、雨漏りの原因となります。

実際、外部開口部(窓や玄関ドア)まわりは、雨漏り事故原因の上位常連です。その主な理由は、防水テープの施工不良です。確実に密着させることが、雨水侵入防止の第一歩となります。

今回は、この圧着専用工具「ウォータープルーフスムーサー」の特徴と、気密テープ施工にも応用できる可能性について紹介します。

雨漏り事故の半数以上が外部開口部と外壁面で発生――専用圧着具の必要性

統計によれば、漏水事故の53.1%が外部開口部や外壁面で起きています。さらに住宅瑕疵保険事故の93.8%は「雨水の侵入」が原因であり、その多くが防水テープと透湿防水シートの施工不良に起因します。

防水テープの性能を最大限発揮するには、透湿防水シートも含めて隙間なく圧着することが不可欠です。
「ウォータープルーフスムーサー」は、住宅保証機構株式会社(一社)日本木造住宅産業協会㈱CK WALLTEC の共同開発によるもので、現時点では一般販売されていません。興味のある方は住宅保証機構株式会社の技術管理部に直接、電話問い合わせる必要があります。03-6435-8865

当社でも、この住宅保証機構の瑕疵保険や住宅設備機器延長保証制度を採用しています。

住宅設備機器の予想外の早期故障から学び、「まもりすまい住宅設備機器延長保証サービス」をおすすめする理由

ウォータープルーフスムーサーの施工説明動画とPDFでわかる圧着効果

下記リンクの動画では、防水テープが隙間なく圧着される様子が確認できます。

クロスヘラに似ているが、防水テープ施工専用に設計

見た目は内装仕上げのクロスヘラに似ていますが、担当者によれば「柔軟性や角の丸みが異なる」とのこと。角を丸くすることでテープを傷つけず、厚みもやや増して圧着力を高めています。

こちらはクロスヘラ。ウォータープルーフスムーサーと比べると角が尖っており、少し薄い

気密テープ施工にも応用可能

モイスの継ぎ目に貼った気密テープは下のローラーで圧着していた。合板気密(ボード気密)

当社では外壁下地の耐力面材(モイス)の目地を気密テープで塞ぎ、合板気密(ボード気密)を確保しています。従来はローラーで圧着していましたが、このスムーサーを使えば、より短時間で確実な施工が可能になりそうです。

合板気密の施工例は、こちらのブログ記事で紹介しています。

合板気密(ボード気密)の気密テープは、このローラーで圧着していたが、ウォータープルーフスムーサーを使ったほうが、早く簡単に出来そう
吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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