設計コンペで、高断熱住宅を建ててはいけない理由
目次
去年、他社で新築した方から、住宅調査の依頼メールが来た
今年8月に、Aさんと言う方から、住宅調査の依頼メールが来ました。
内容は、「去年新築したが、キッチンからの水漏れがあり、かつ断熱性能UA値OOということで建てたが、夏暑く冬寒いので調査を依頼したい」というものでした。
※UA値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅の断熱性能を示す数値
どのような状況なのか少し興味はあったのですが、忙しかったことと、去年他社で新築した住宅の調査をすると、面倒なことに巻き込まれそうだという直感もあり、お断りしました。
忘れていた10月に再度、「現在も家の不具合が全く解決されていない状況なので、調査の仕事を受けてもらえないか?」というメールを頂きました。
本当に困っているのだと感じたので、こんなことをしたらどうか?という提案を文章にしてメールしてから、仕事を請けられそうか、ZOOMで話をすることにしました。
事前にZOOMで話をした理由は、他社で新築した住宅で、施主Aさんと住宅会社の関係が上手く行っていないこともあり、今回は、Aさんと私の価値観や考え方が、ある程度は合わないと、より悪い状況になりかねないと感じていたからです。
住まいの不具合と現況
ZOOMで話して気になった、Aさん宅の住まいの不具合と現況は以下の9つ。
- キッチンの水漏れは床下配管部の水漏れでなく、シンクと天板の隙間から漏れている
- 夏暑くて耐えられないので、リビングエアコンを、エアコンの専門家に相談して、家庭用エアコンで一番大きい9キロに交換したが、効かない
- 基礎断熱なのに、床ガラリはオプションだと言われた。オプションなので必要が無いと思い、1か所も付けていない。床下に湿気が溜まっているようだ
- 住宅会社から、施工中は現場に来ないでくれと言われたので、施主は、ほぼ施工中の状況は見ていない
- 図面は平面図と立面図程度しか貰っていない
- 壁は付加断熱になっている
- 気密測定をするか迷っていたところ、合意も無しに、気密試験を勝手に行われてしまった。なので、気密測定費用の請求が来たが、支払っていない
- 上記の時には既に、住宅会社と上手く行っていない状況だった
- どうやって依頼先を探したのが聞いたところ、設計コンペだった
当社では、住宅調査は行わないことにした
Aさんと、ZOOMで話をした時の状況と、その後の対応から、仕事は請けられませんと、メールでお断りしました。
Aさんと私は、価値観や考え方が、違うと感じたからです。
仕事をお断りするメールには、仕事が請けられない理由を、キチンと書いておいた方が良いと感じたので、書きました。
理由の1つとして、「造り手側への想像と配慮に欠けている」と書いたのですが、Aさんからの返信メールで、その意味を教えて欲しいと言われました。
自分でも、言語化して整理しておいた方が良いと感じたので、下記のように詳しく書いて、再送しました。
Aさんに送ったメール
A様
こんにちは。
返信ありがとうございます。
「造り手側への想像と配慮に欠けている」の意味は、ZOOMでお話したと思いますが、ザックリ言うと、「そもそも住宅を、特に高断熱高気密住宅を、設計コンペで建てたことが、住宅会社とのトラブルに繋がったのではないか?」ということです。
詳しく説明します。
設計コンペで、依頼先を決めたことが、結果として良くなかったと感じた
私はAさんが、設計コンペで、依頼先を決めたことが、結果として良くなかったと思いましたので、依頼先の選定方法を間違った可能性が高いという意味で、先日の仕事依頼をお断りするメールに、「造り手側(設計コンペ会社と加盟住宅会社と加盟建築家)への想像と配慮に欠けている」と書きました。
この設計コンペの表向きの建付けからして、「施主側に有利に造られていて、造り手側に無理が生じやすい」ものになっています。
結果として、その無理は施主が負担する場合もあるのではないかと感じました。
それを、ZOOMでふんわりと話したつもりでしたが、Aさんは、現在も理解していないのだと思います。
設計コンペ会社のWEBを見ると、施主側は13,200円(税込)のみを払えば、最大で5社の住宅会社がプランと見積もりをプレゼンしてくれて、施主は最適な住宅を建てられるとありました。依頼先が決まった後も、施主側の負担は13,200円(税込)のみです。
設計コンペ会社への代金の支払いは、コンペで勝った住宅会社のみが、請負額の3%を支払うとあります。
設計コンペ会社の専属の建築士が、最初にヒアリングを行い、依頼先が決まるまでサポートをするとなっています。契約までの最短で数か月はサポートするのでしょう。いろんな作業が想定される仕事を13,200円(税込)で行うのは無理だと思いますから、13,200円(税込)は、単に登録料なのだと思います。
施主側からすると、実質、無料の設計コンペで、最善の住宅会社の選択ができると感じてしまうのかもしれませんが、今回のように、そうならないこともあると思いました。
「施主側に有利に造られていて、造り手側に無理が生じやすい」の意味は、設計コンペのレールに乗ってしまうと、施主には理解しずらくなるのかもしれませんが、下記を読んで頂いた上で、自分の働いている業界に置き換えると、誰でも理解できると思います。
設計コンペに参加した住宅会社の負担が、施主に返ってくる建付けになっている
施主と対面して、ヒアリングした後で、プランと見積と対面してのプレゼン。これを全て無料で行うことが、住宅会社の負担となります。
通常であれば、ヒアリング・現地調査・法規チェック・プラン作成・概算見積・プレゼンで、最短でも5~7日程度は掛かると思われます。その費用は、安めに見積もっても、1社あたり10~15万円(税別)程度は掛かると思います。仮に、5社でなく3社に依頼したとすると、実際のコストは、10万円(税別)×3社=30万円(税別)以上になりますが、施主は3社合計約30~45万円分くらいの費用を支払わなくて良いことになっています。
施主側は、3社から無料で、プランと見積を対面でプレゼンして貰えます。楽しい経験になり、かつ、お得に感じるかもしれません。しかし無料であることが、結果的に、施主側に不利益をもたらす可能性があると思いました。
コンペでは、事前に施主が総予算を申請しているはずです。ざっくり総予算が決まっており、かつ、3社の中で、1社しか選ばれません。
住宅会社3社は、時間と手間を掛けて、無料でプランと見積もりを作って、対面でプレゼンするので、何とか仕事が取りたいと考えます。結果として、仕事が取れるように、なるべく良い仕様で、かつ概算見積もりは安めか、もしくは、かなり安めに計上するはずです。
3社から提案される施主が、「私は依頼先を値段で決めるのでなく、提案内容を含めた総合力で決める」と考えても、実際の提案の裏側は、上記のようになっていると思います。
ですから、最安値ではない、提案内容の良い住宅会社を選んだとしても、その会社は適切な粗利益を計上していない、安めな概算見積を提出している可能性があります。そして、その安めな概算見積書が施主にトラブルをもたらす原因になる場合もあります。
そのような場合、設計コンペで勝った住宅会社が、正常に近い粗利益を、どこで確保するかというと、具体的には、オプションが多めになったりすると思います。
結果として、A様のお宅は、基礎断熱にするなら、必ず付けなければならない「床ガラリ」と、高断熱高気密住宅なら、通常は行う「気密測定」がオプションになっていました。「床ガラリ」については、1か所も付いていない状態で引き渡されて、お住まいになっています。
逆に、最初から施主側が、設計コンペに出る各社に、提案料金を支払う仕組みになっていれば、各社にお金が出ることから、無理な提案は少なくなると思います。しかし、その仕組みだと有料となるため、応募してくる施主が少なくなるか、ほぼ居なくなるので、設計コンペ会社は、そのような仕組みにはしないのだと思います。
設計コンペで勝った住宅会社が、全てのコンペ代金を負担するのが問題だと思う
住宅会社側は、安めの概算見積を提出した上で、かつ、契約後に設計コンペ会社に請負額の3%を納めます。対して、施主は13,200円(税込)しか負担しないことになっている。
この状態は、住まい手と造り手の間の、「お金と責任の負担のバランス」が、とても悪いと思います。
契約した場合に、コンペで勝った住宅会社が、設計コンペ会社に支払う代金3%なので、例えば請負総額 4000万円(税別)だとすると、4000万円×0.03=120万円(税別)になります。請負総額 3000万円(税別)の場合は、90万円(税別)です。
設計コンペ会社への支払いが、請負額3%となるのが高いとは思いません。設計コンペ会社も店舗があり、スタッフもいるので、むしろ良心的な金額だと思いました。
しかし、設計コンペの成約代金は、施主が設計コンペ会社に支払うのか、施主とコンペに勝った住宅会社との折半、もしくは、多少は施主も支払うのだと思っていたので、全てを住宅会社が負担すると知って、少し驚きました。「少し驚いた」の意味は、薄々、そんな仕組みだろうと感じていたからです。
依頼先の住宅会社の粗利益が、キチンと確保されている状態で、住宅会社が、請負額の3%を負担するのなら分かるのですが、提案段階で、金額も競争させられているため、安めの概算見積で設計契約している場合が多いと思います。その場合、結果として請負契約金額も安めになります。
現在は、資材や人件費も高騰しており、それを価格転嫁しにくい風潮もあるので、なおさらです。
そのような状態で請負契約を結んだ場合、元々粗利が少ないわけですから、請負契約後に、設計コンペ会社に請負額の3%を支払うと、粗利がより少なくなります。
そのような、カツカツの状態で、家づくりがスタートすると、手間が掛からないように、かなり合理的に家を造らないと、粗利益は、ますます薄くなります。
カツカツの粗利で設計契約すると、住まい手と造り手のコミュニケーションが、悪くなる
住宅会社の粗利が低い場合。具体的に、どのように行動するかと言うと、住宅会社側は、余計な手間は一切掛けないようにして、より短期間で家づくりを終わらせようとするはずです。
しかしこの事態は、本来なら最も大切な、造り手と住まい手間の、大切なコミュニケーションまで回数が減る、もしくは行わないということに繋がるかもしれません。
Aさんは、「施工中に、自宅現場の見学をしたことが無かった」、住宅会社からは「勝手に現場に来ないでくれと言われたので、ほぼ施工中の現場は見ていない」ことですが、造り手側は、そもそも施主を現場に案内する、余裕がなかったのかもしれません。
週に1回程度、造り手側に現場を案内してもらっていれば、住まい手と造り手が、コミュニケーションを取れることで、お互いの関係も悪くならなかった可能性があります。また毎週のように施工現場を見られていれば、完成後の不安に陥る可能性も少なかったと思います。
ちなみに当社は、施工開始してから、毎週1回程度は、施主と現場で顔合わせして、コミュニケーションするようにしています。
その理由は、家族や友人同士でさえ、何を考えているのか分からないため、トラブルになったりするのに、住まい手と造り手という、まったくの他人同士が家づくりすることになるからです。
「現在、お互いに何を考えていそうか?」「何かを不安に思っていないか?」「気が変わっていないか?」などを、週1回程度、対面して話をして、確認することは、とても大切だと感じています。
ちなみに、「気が変わっていないか?」の意味は、気が変わったからと言って、施工後に間取り変更などの大規模変更が出来るわけではありません。それらの基本事項は変更が無いように、設計段階で確定させておきます。「気が変わっていないか?」で対応できるのは、例えば棚の高さや枚数などの、これから行う、細やかなことについてです。
注文住宅は、世界でただ1つの住宅を造ることになるので、決めることも多くあります。施主が要望している家が造られているか?進捗状況を確認するという意味でも、現場で行う、対面コミュニケーションは、必須事項だと感じています。
Aさんが、この設計コンペの仕組みの裏側を、少しでも想像できていれば、設計コンペで家を建てることは無かったかもしれないという意味で、「造り手側(設計コンペ会社と加盟住宅会社)への想像と配慮に欠けている」とメールに書きました。
家を建てる場合は、依頼前から、自分が働いている業界に、状況を置き換えて考える必要があります。それは、結果として業者側に無理をさせると、自分に良くないことが返ってくるかもしれないなど、基本的なことを考える必要があるということです。
そして、設計コンペは、高断熱高気密住宅のような、より手間の掛かる住宅には、更に適しません。
以下で説明します。
設計コンペは、高断熱高気密住宅のような、より手間の掛かる住宅には、更に適さない
A様は、高断熱高気密住宅を建てたいのに、依頼先を設計コンペとしたのが、更に間違いだと感じたので「造り手側への想像と配慮に欠けている」と書きました。
〇〇市は断熱基準の地域区分が5地域になります。Aさん宅のUA値は、5地域の設定がされていますが、現在のところ、計算結果があるわけでなく、日射遮蔽もされていないようです。
5地域で、冬暖かく、夏涼しい家に暮らして、かつ、他の住宅と違いを明確にするには、Q値1.3以下(できれば1.0前後)くらい、C値1.0以下(できれば0.5くらい)の断熱気密性能と、日射遮蔽材が必要なので、お金(材料費と手間)が掛かります。
そもそも、Aさんが、夏涼しく、冬暖かい高断熱住宅を建てたいのなら、コンペ前の段階で、断熱気密性能のQ値やC値のザックリした数値と、夏の暑さを防ぐ日射遮蔽方法程度は、決めておく必要があったと思います。
結果として、それを決めないままで、設計コンペをスタートしたのが間違いだったのですが、それは、Aさんだけが悪いわけではないと感じました。
設計コンペ会社専属の、依頼先が決まるまでサポートをする建築士に、高断熱高気密住宅の知識が無ければ、コンペ前に、上記のような温熱環境の数値条件を付けることは難しいからです。そもそも、上記仕様くらいの、高断熱高気密住宅を、専門に造っている住宅会社が加盟しているのかも、分かりません。
上記性能くらいの家は、値段も高くなるので、無料で設計コンペを行う建付けだと、金額競争の側面がより強くなるので、完全にミスマッチだと思いました。
具体的には、設計前に温熱性能を決めて、かつ気密試験で良い結果が出るような住宅は、設計施工に手間が掛かるので、今回のような設計コンペとは、さらに相性が悪いということです。
無料で設計コンペに参加して、失注した住宅会社は、そのコストをどこから得るのか?
設計コンペに参加して仕事が取れなかった2社は、何日も無料で仕事をした上で、仕事が取れていません。
結局そのコストは、契約した他の施主から頂くことになりますから、無料の設計コンペが良いシステムだとは思えません。
既存顧客宅に訪問して、住み心地を聞くのは必須事項
また、依頼先を決める前に、その住宅会社が建てた、施主のお宅を訪問して、住まい手に、実際の住み心地を聞いて、かつ内外装の意匠を確認することも、行っていないと思います。
この既存顧客への訪問を行っていないと、これから家を建てる新規顧客は、依頼先の住宅会社が建てた、実際の建物を実感していないということになります。
そうなると、住んだ後で、「住み心地や意匠が、想像していた住宅と違う」と、問題になることがあると思います。
当社では、既存顧客への同行訪問は、当然行っています。
コンペ前の温熱面での条件設定と、お宅訪問が出来ており、その内容にA様が納得していれば、今回のようなトラブルにはならなかったと思います。
上記くらいの性能の住宅を専門に造っている会社であれば、当然かなり手間の掛かる家づくりをしているので、そもそも設計コンペなどの、自分たちの価値を評価してもらいにくい土俵には、上がらないと思います。
どの業界でも同じですが、競合しないで受注をするのが、仕事の王道だからです。
設計コンペ会社側も、「設計コンペで値段を競わせたわけではない」と言うかもしれませんが、コンペに参加した住宅会社からすると、そうしないと受注「しにくい」わけですから、結果として値段も競わせていることになるのです。
私は以前から、住宅設計コンペは金額競争の側面も強くなることから、特に無料の場合は、結果としてそのしっぺ返しを、施主が負担する場合も、少なくないと感じていました。
ちなみに、付加断熱もしているAさんのお宅が、夏暑くてエアコンが効かない原因の1つは、窓の日射遮蔽が出来ていないからだと想像していました。
基礎断熱なのに、床ガラリがオプションなことについて
基礎断熱なのに、住宅会社側から「床ガラリ」がオプションだと言われて、施主はオプションなら付けなくて良いと判断しました。結果として床ガラリが1つも付いてない状況であり、床下に湿気が溜まっているとのことです。
基礎断熱に「床ガラリ」はセットになります。特に引き渡し後の1~2年程度は、基礎コンクリートが固まる過程で、水蒸気が出ます。また、基礎コンクリートの乾燥後にも、床下も室内として考える仕様のため、床下の換気は必要になるので、床下エアコンを付けない場合でも、床ガラリは必須アイテムです。
毎回、造る住宅が、Q値1.0前後、C値0.5程度で、日射遮蔽もキチンと行っている住宅会社であれば、断熱気密仕様・換気仕様・日射遮蔽仕様・冷暖房仕様は、ほぼ確定していますので、大切なことを、オプションにすることは、あり得ません。大切なことは全て、標準仕様(基本仕様)になっているはずです。
このことからも、本物の高性能住宅を建てたいなら、設計コンペで、家づくりの依頼先を選ぶべきではないと思いました。
住宅会社側は、コストダウンや意地悪で、「床ガラリ」を付けなかったわけでなく、基礎断熱について、知識がなかったのだと思います。というのも、「床ガラリ」を付けない場合、床下の湿気が多くなり、カビの発生の可能性があるので、わざわざ「床ガラリ」を付けないことは、住宅会社の首を絞めることになるからです。
栃木県では、基礎断熱は床断熱と比べると、まだまだ珍しい工法です。基礎断熱にする理由は、主に床下エアコンにしたいためと、気密性を確保したいための2つです。
基礎断熱よりも、床断熱のほうが安くできます。
「基礎断熱にしたい」と要望したのがAさんなのであれば、基礎断熱に床ガラリを付けるのは常識的なことなので、施主も知っておくべきことだったと思います。
施主側が、事前に「基礎断熱には床ガラリは必須」を知っていれば、契約後に、造り手側から「床ガラリはオプションです」と言われた場合でも、この造り手は、断熱気密については、良くわかっていない業者だと判断できたと思います。
Aさんの話を聞いていると、依頼先を設計コンペにしたことで、温熱環境面でも、間違いのない提案が、複数の会社から出てくると安心してしまい、自分たちが建てたい高断熱高気密の基礎知識を、理解していなかったと感じます。
気密測定費用を支払っていないことについて
住宅会社から、気密測定はオプションだと言われたので、行うか態度を決めかねていたら、合意の無い状態で、住宅会社に勝手に気密測定をされた。なので、気密測定代金を、住宅会社側に支払っていないことについて。
気密試験結果は、知らされていないとのことですが、住宅会社から、気密試験の数値は悪くなかったとの報告を受けているとのことでした。悪くなかったとのことなので、通常なら隙間相当面積C値は1.0を切っているのだと思われます。
気密試験を行うか迷ってはいたが、合意なしに行われた。その後、気密試験代金を請求されたが、合意してないので、代金は支払いたくないという、Aさんの気持ちも分かります。
しかし、話を聞いたところ、気密試験時には、すでに、コミュニケーション不足もあり、お互いの関係が上手く行ってなかったとのことでした。
気密測定代金を支払う配慮をしていれば、今ほど住宅会社との仲も、ギクシャクしていなかったと思います。
私が思うに、住宅会社は気密試験を、たまにしか、行っていなかったのだと思います。ですから、自信がないこと、また気密工事をする手間が掛かって面倒なこともあり、オプションにしたと想像しました。
まとめ
造り手と住まい手が、地道に関係を構築して行かないと、家づくりは上手くいきません。都合の良い話は無いと再認識しました。
住まい手側は、設計コンペ会社に依頼したことにより、簡単に、良い家ができると考えてしまった。
造り手側も、関係が上手く行かなそうになれば、よりコミュニケーションを取るべきところを不足してしまい、それがトラブルになった印象です。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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