2021-10-08
Q1.0住宅小山の家(小山市)
高断熱・高気密住宅

Q1.0住宅小山の家、契約しました。

9月25日、Q1.0住宅小山の家、設計と見積が完了して契約しました。

小山市の静かな住宅地に建つ、施工床面積31.5坪の住宅です。真四角で胴長な外観に片流れ屋根が載るという「高断熱住宅の類型」を設計するのではなく、下屋を支える5本の無垢柱と杉板外壁材+切妻屋根の外観で「経年しても日本的普遍性を感じさせる家」を目指しました。

基礎着工は12月初め、完成は来年6月初めの予定です。

この住宅から太陽光発電を標準仕様にします

南側から建物を見る

模型からの変更点は、屋根に太陽光パネルが載ること。2階の棟(むね:屋根の頂点)を北側に寄せて、南面を広くして6.6kwの太陽光パネルを載せます。

太陽光発電を標準仕様にしようと思ったのは、現在設計している施主さん達や、お引き渡したお客さんからの要望でした。

社会的背景として、今後も電気料金が値上がりしそうなこと、国の施策により電気自動車が普及するのが確実そうなこと、蓄電池が普及すれば、その値段が下がるかもしれないこと、また電気自動車を蓄電池代わりにできる時代が近くまで来ていることがあります。

生活面での背景として、コロナ禍が過ぎても在宅ワークという働き方が珍しくなくなることと、人が長生きすることで、家で過ごす時間が増えて電気使用量が増えそうなこと。

Q1.0住宅のような、冬暖かく夏涼しい快適な状態を、「低燃費で実現できる家」は、当然「太陽光発電+何らかの蓄電池的システムとも相性が良い」のですから、建築時のコストは高くなっても、日当たりが悪くない限りは、とくかく新築時に太陽光パネルを、おススメすることにしました。

この建物の特徴を見てみましょう。

特殊なエアコンでなく、メンテナンスしやすい市販品のエアコンを使用

Q1.0住宅のような断熱性の高い躯体を造った後、次に大切なのが冷暖房設備をどうするかです。

今回も、一般に売られている、普及品のエアコンを床下と2階吹抜けに1台ずつに設置するという、メンテナンス性を最重視した、極めてシンプルな冷暖房計画としました。

1台は、エアコン本体の半分が床下に入ってはいますが、ほぼ普通のエアコン設置方法と変わりません。

誰でも買える量産型の市販品エアコンなら、10~15年後に故障しても部品がある限りは直せるし、部品が無い場合はエアコン1式の交換が簡単にできる。故障時に、運悪く建てた住宅会社が倒産や廃業していても、市販のエアコンなら、他社で問題なく修理や交換が出来ます。

しかし、一般の住宅会社が買えない、特殊なエアコンによる全館空調や換気システムと連携させた独自のエアコンシステムの場合は、設置した住宅会社に依頼しないといけない。

万一15年後、その住宅会社が倒産や廃業していたら、修理や交換が大変になるはずです。というのも、他社が設計もしくは施工した特殊なエアコンシステムを修理する場合、修理する側は、修理前にその仕組みを確認してザックリと理解することが必要になるという、面倒なことがある上に、修理の場合は、天井裏や壁中等に隠れて多く配管されているダクトなどの既存部分も多く残して再利用することに「なりがち」なので、前任の他社が施工した部分も、後任の会社の責任範囲となるリスクが残る。だから依頼された側も不安になり、「既存部分の責任は負えない」もしくは「他に依頼してください」ということになる可能性が大いにある。

室内ドアや家具等の木質建材は、オリジナルを造作することにより、既製品を排除して廃盤になる可能性がなく、修理が効いて長く使えることになるが、反対にエアコンに代表される「機械モノの住宅設備」は、将来の修理や交換を考えて、誰もが修理・交換しやすい市販されている設備を使うのがベターだと考えている。

床下エアコンと壁掛けエアコンの2台を使用

「家全体をエアコン1台のみでまかなう」のではなく、床下エアコンと壁掛けエアコンの2台程度を設置するのが、自然の摂理に反せず、無難だと考えています。

理由は、暖かい空気は上昇するので暖房は下の階から、逆に冷気は下降するので冷房は上の階から行うのが自然であり、どちらかが故障した場合でも、片方が運転できる可能性が高いから。だから小さな家でも2台が適切だと考えています。市販の量産型エアコンを使っているので、簡単に修理が効く可能性も高く、修理出来ない場合の交換も1日で出来ます。

外付電動ブラインドと外付オーニングでの日射遮蔽

南面以外の窓は、できるだけ少なくして、日当たりの良い南面窓は外側で日射遮蔽することを基本にしています。それも、手で引っ張って窓の外側で使う、ローテクな外付オーニングが基本。電動でないので値段も安めで、経年劣化以外で故障となる可能性も低い。

今回は2階吹抜窓があり、当社はベランダを造らないようにしているので、その部分のみ外付電動ブラインドを使用。殆どの窓内側には、ハニカムサーモスクリーンという断熱ブラインドも付くので、夏も降ろしてもらえると、より室温を維持しやすい。

シンプルな造り付け家具を必要十分に

丸穴扉の玄関収納。内部は靴とコート掛けと傘掛け。今回も同じになる。

当社への依頼理由は、Q1.0住宅の快適性と、室内の木の暖かみのある雰囲気だとおっしゃる方が多いです。「木の暖かみのある雰囲気」とはフローリングはもちろん、「家具や造作建具等を含んだの室内全体の雰囲気」が依頼の理由になっていると考えています。「家は小さくて良いが、収納を多めに造りたい」という施主が多くなっているように感じます。

間取りを含んだ収納計画は、温熱環境と同じように重要だと考えています。小さな家で快適に暮らすに、コツが要ります。設計契約後に要望書を書いて頂いてから、現在の住まいにお邪魔して住まいぶりや収納の使い方を施主とお話しして、確認してから、なるべく室内に違和感が無いように設計しています。

造作家具と建具のインテリアに占める面積は大きく、そのままインテリアになるので、暮らしの中で印象が大きい。家具と建具はいつも目に触れて、手で触るので造り手と住まい手の「意匠面での相性」が一番出る部分であり、小さな家は、特に人と家具や建具との距離が近くなるので、その印象も大きくなります。小さな家でも収納が適切なら、コックピットのようなコンパクトで使い易い家にすることも可能になります。

話をしていると、収納の考え方も家族ごとにそれぞれ。共働きで忙しいご夫婦は、毎日決まった導線上に十分な収納を確保して、特に朝はストレスのないルーティンワークで出勤したいと思っている方が多いと思います。

今回も片付く室内を実現できる収納が出来ていると思います。

施主のKさんからアイデアの出た、洗面脱衣室の「洗濯かごの設置方法」は、使い易そうなので、下駄箱ドアの通気のための丸穴と同じように、定番化するかもしれません。

ちなみに、当社定番の「下駄箱ドアに開けた丸穴」も、革靴に白カビを生えさせないための施主から出たアイデアでした。今回も同じデザイン&寸法の玄関収納となります。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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