Q1.0住宅SH-house@宇都宮市の年間暖房費用12,652円(推計)。推計燃費と暖冷房燃費計算ソフトの燃費が、ほぼ一致していたという話
7/26月曜日の午後、新住協 関東支部の勉強会がZoomで行われました。講師は本部の会沢さん。勉強会の内容は、雑誌「北関東の高断熱住宅 第8号」に掲載されている各社の住宅を「断熱仕様と性能、暖房燃費と室温などについて確認し合う」という興味深いもの。この雑誌の編集も会沢さんが担当しています。
新住協は、超高断熱住宅の住宅技術を普遍となるまで研究開発している団体で、定期的に座学での勉強会や、会員工務店の現場を訪問しての勉強会が行われています。
講義中。会沢さんから、当社が掲載したSH-houseの話題も出て、「小さな家で暖かく広々暮らすというコンセプトが面白いので、年間光熱費を教えてください?」と言われました。
私は過去のブログにSH-houseの各月の光熱費と年間光熱費を掲載していたものの、正確な費用を伝えたかったので、勉強会の終了後、メールで光熱費をお知らせしました。
その後、光熱費をご覧になった会沢さんから連絡があり、「SH-houseの年間暖房費用の推計実燃費とQpex(キューペックス)の年間暖房費用がほぼ一致している」という資料を頂きました。
推計手順が興味深かったので、頂いた添付資料を公開し、推計手順を説明します。
※Qpex(キューペックス)とは・・・新住協で開発した住宅の暖冷房燃費計算ソフト。例えば断熱厚さや断熱材種類、窓の仕様などをソフトで入力し変更すると、燃費も変わるので仕様選択の検討にも役立つ。
※推計(すいけい)とは・・・推定して計算すること。また、計算しておしはかること。出典
目次
Q1.0住宅SH-house@宇都宮市の年間光熱費はこちら
ガスは給湯とキッチンコンロのみ。その他は電気です。暖房は1階の床下エアコン暖房、冷房は2階吹抜け近くに壁掛けエアコンの1台ずつ。
暖房費の推計手順
1. 年間光熱費の表から。主に暖房する期間である12月~3月の4か月間と、冷暖房することが少ない期間である4月・5月・6月・9月・10月・11月の6か月間のそれぞれの月平均電気料金を算出する。
それぞれ、暖房期間4ヵ月の平均8774円。冷暖房しない6か月平均5611円。
2. 主な暖房期間4ヵ月の月平均電気料金から、冷暖房することが少ない6ヵ月の月平均電気料金を引いて、差額を出す。
この場合は 8774円(暖房期間4ヵ月の月平均電気料金)- 5611円(冷暖房することが少ない6ヵ月の月平均電気料金)=3163円
3163円(この差額が暖房期間4ヵ月の1か月あたりの暖房費用と考える)
3. 差額3163円が、暖房期間4ヵ月の1か月あたりの平均暖房費用と考えるので4倍する。
3163円(差額)×4ヵ月(主な暖房期間)=12,652円(年間暖房費と推計)
4. QPEXの計算結果と比較する。
QPEXによる年間暖房エネルギー消費量は463KWh(エアコン暖房効率3.0)。電気料金28円/kwhとすると、
463KWh×28円=12,964円
QPEXによる年間暖房エネルギー12,964円は、年間暖房費と推計した12,652円とほぼ一致。
冬、全室暖かく暮らして、年間の暖房費が12,652円(推計)なら安い
たまたまの一致かも知れませんが、冬、全室暖かく暮らして、年間の暖房費が12,562円(推計)。お金がかからない快適な家で、全室暖かい。極端な話、真冬でも室内はどこも寒くないので、廊下や納戸でも眠れる。室内に寒い所が無いから、部屋の用途を兼ねやすく、どの部屋も稼働率が高くなる。結果として小さな家でも大きく広々使えるという、まさに「高性能な小さな家で暖かく広く暮らす!」というコンセプト通りの家になっていると思います。
暖房は床下エアコン暖房1台
SH-houseの暖房は床下エアコン暖房1台です。夏は2階吹抜け近くの壁掛けエアコン1台です。
SH-houseのコンセプト。掲載文をそのまま転記します。
造作家具と建具で片付く室内を実現! 小さな家で暖かく快適に暮らすコツ
小さく質の高い家を造ることが、将来に渡って施主のメリットになると考えて、小さなQ1.0住宅を造ることを基本にしています。
小さな家は掃除が楽で将来のリフォーム費用も安く、冷暖房の効きも良い。特にQ1.0住宅のような超高断熱住宅は、家全体の温度差が無くなるため、どこも寒くないし暑くもないので、自然に各部屋の稼働率が増します。
極端な話、冬でも廊下や納戸で寝られるため、部屋の用途を兼ねやすく、小さな家でも大きく暮らせます。この住宅でも床下エアコンと壁掛けエアコンの1台ずつで、全館冷暖房し快適な室内を実現しました。
施主SHさんの要望は「家は小さくて良いが、収納を多めに造りたい」というものでした。家づくりの考え方が一緒なので、依頼して頂けたのだと思います。
小さな家で快適に暮らすには、コツが要ります。施主の収納面の現況と要望を整理し、飽きが来ないようにシンプルに設計する必要がある。収納の要である、造作家具と建具は、そのままインテリアになるので暮らしの中での印象が大きい。
家具と建具はいつも目にして触れるので、造り手と住まい手の意匠面での相性が一番出る部分です。小さな家でも収納が適切なら、コックピットのような使い易い家にすることも可能です。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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