栃木の住宅価格と依頼先
栃木県の住宅の平均坪単価は67.7万円。
分かりやすく68万円。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の平成19年度フラット35利用者調査報告書より。
報告書はこちら。
これによると、栃木の注文住宅の平均価格は2867万円(設計料、消費税込)
平均床面積 約42.3坪(140平米)。
2867万円÷42.3坪≒68万円(平均坪単価)
この金額は何年も前から殆ど変わっていません。
この坪単価。
高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、注文住宅を造っているプロから見ると妥当な金額。
平均はそのくらいだろうなと。
エンドユーザーの方でも、家造り経験者からすると納得だと感じる方が多いと思います。
残念ながら、報告書には依頼先の情報までは載っていません。
依頼先は間違いなく、ハウスメーカー、工務店、設計事務所の3者が殆ど。
設計事務所の家を造っているのは工務店です。
大きく分けると、日本の家づくり。
造り手は、ハウスメーカーと工務店の2つに別れます。
少し強引に2つに分けた理由。
それは、ハウスメーカーの家と工務店の造る家は、似て非なるものだから。
得意分野が全く違います。
しかし、家造りを始めるエンドユーザー。
違った特徴のある家だということを分かっていない。
一番分かりやすい使用材料を例にお話します。
ハウスメーカーの最大の特徴は、工期の短縮、品質の安定。
それらを効率よく図る為に、現場での仕事をできるだけ減らし、工場生産化率を上げます。
もっとも進んだ形が室内の仕上げまでした箱を現場で積み上げていく。
それが「ユニット工法」。
品質はとても安定しますが、工場生産の為、コンセントの増設程度の変化にも対応しずらい。
工場生産を多くするメリットとデメリットがあります。
建材が安く供給できる等のスケールメリットは、殆どないようです。
沢山の住宅を供給しますから、本物素材を使った家はとても造りづらい。
また、現場で手間の掛かる物を造ってもメリットが出ない。
例えば、無垢のパインフロアは1枚1枚節の入り方や色が違う。経年変化もします。
本物素材の特徴や良い経年変化が、人によってはクレームになります。
そうなると、いちいち説明に廻ったりする必要がある。
だから使えないのだと思います。
人によって感じ方の違う建材は使いにくい。
おのずと、同じ柄の新建材ということになります。
実際に市井に建っているハウスメーカーの家で本物素材を多用している家を見たことがありません。
住宅業界で昔から言われている「本物のお金持ちはプレハブ住宅を建てない。」
というのも本物素材を使っていないからだと言われています。
新建材とは、塩ビシートで覆われたドア、壁紙等。
新建材を多用しますから、品質は安定していて、規定路線から外れない。
でクレームが少ない。
結論。
・品質の安定を第一に考えるならハウスメーカー。
(新建材を使った工場生産での品質安定。神経質な人はハウスメーカーが良いと思います。)
・オーダーキッチンや造作建具等の一品物。
本物の素材を使いたいなら、それが得意な工務店に依頼すべきだと思います。
(建材は反ったり色が変化したりする。一品物なので間違える可能性あり。)
今日のブログ。
私の現場とハウスメーカーの現場の進み方が対照的だったから書いています。
宇都宮は今日から週末まで雪模様の予報。
昨日から始まったA-houseの外壁左官工事。
気温が5℃以下だと凍結の恐れがあるので左官壁が塗れません。
対照的なハウスメーカーの現場。
窯業系サイディングをバンバン貼っています。
左官は冬が苦手。
暖かくなるまで作業は中止。
暖かくなるまで中止なんてやっているハウスメーカーは殆どない。
大組織ですから、工期が長くなる素材の使用が多くなると利益は落ちてしまいます。
左官は湿式工法。
主に「水」を混ぜて材料を練ります。
気温が低いと固まるのと乾くのに時間が掛かります。
寒い時期は凍結しない配慮をしなくてはなりません。
原始的ですが、配慮とは仕事をしないこと。
せっかく塗った材料が乾かないうちに凍ってしまうと、水よりも氷の方が体積が大きくなる性質があることから、一度凍ってしまった壁が溶けた後はその壁はボロボロになってしまいます。
同じように見える家でも、ハウスメーカーと工務店の家造りはこんなに違います。
そこを理解して、自分に合う依頼先で住まいを造るのが良いと思います。
要望があれば、そのあたりも今週の薪ストーブ体験会(実際は雑談会)で話します。
うちで使っている自然素材の供給元。
紅春ことオストコーポレーション北関東の吉田さんも土曜日に参戦決定。
参加は5組となりました。
お時間ある方はお越しください。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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カントリーライフ@oregonさん ハウスメーカーの家と工務店の家は、まったく違うということを分かった上で、自分に合った物を造れば良いと思います。 素材のことで話すと分かりやすいと思ったのですが、長文になってしまいました。 >職人の造るよさを感じたい人にとっては、新築 >バリューミール#1は拷問のような館ですね。
こっちとしては“推して知るべし”的な家なので わかりそうなもんなんですが やはり素人さんでは区別が付かないので 根気良く啓蒙していくしかないんですよね。
紅春1970【3】さん 皆さん、とりあえずハウスメーカーに行くようです。 自分の意思(こだわり)のある方は、うちのような会社を見つけてくれます。 それを多くしたい。と思います。 >こっちとしては“推して知るべし”的な家なので >わかりそうなもんなんですが >やはり素人さんでは区別が付かないので >根気良く啓蒙していくしかないんですよね。