新型コロナウィルスと二世帯住宅の関係。「完全分離型の二世帯住宅」は高齢者にウィルス感染しにくいという話
先日Eテレのコロナウィルス特集で、イタリア在住の漫画家ヤマザキマリさんが、イタリアでコロナウィルスが感染爆発した要因として、
- 高齢化社会であること→65歳以上人口の比率は日本が1位で、イタリアが2位
- 高齢者は家族と同居していることが多く、ハグやキス等、家族同士のコミュニケーションが密接
- 核家族の場合でも、親の近くに住んでおり、とにかくコミュニケーションが密なこと
を挙げていた。
高齢者で、かつ基礎疾患があるほど新型コロナウイルによる死亡率は高く、反対に若者は感染してもまったく症状を示さないことがあるようだ。同居していると、気付かないうちに高齢者に新型コロナウィルスを感染させてしまう可能性がある。逆に、高齢者ほど大量にコロナウィルスを出していることが分かったので、高齢者からの感染も注意が必要である。
日本の住まいで、高齢者と若者が近いのが二世帯住宅である。日本の二世帯住宅(三世代世帯)の割合は、全世帯の中で13.2%であり、65歳以上の者がいる世帯の割合は、全世帯の約半数の46.7%である。
私は「中間型の二世帯住宅で三世帯同居」である。娘2人は学生なので、授業再開するとインフルエンザのように学校からウィルスを貰ってくる可能性があるし、私も仕事先で感染する可能性もある。
今後二世帯住宅を建てる場合は、「完全分離型の二世帯住宅」にすることが、高齢者にウィルス感染する可能性を低くすることだと思う。新型コロナウィルスは、ワクチンが出来たら安心だが、次の新しいウィルスがいつ来るか分からないからである。次は二世帯住宅の3つのタイプを見てみよう。
二世帯住宅は3つのタイプに分かれる。完全分離型が高齢者にウィルス感染しにくい
- 「完全分離型の二世帯住宅」→玄関が2つあり、親世帯と子世帯が完全に別々。外に出ないと行き来ができない。このタイプが高齢者とその他の家族を分離しやすい。
- 「中間型の二世帯住宅」→部分的に機能が独立しているタイプ。例えば玄関が1つで、1階と2階で世帯が分かれて、水廻りはそれぞれ独立しているというタイプ。玄関・階段・廊下等で、高齢者とその他の家族が会う可能性が高い。
- 「同居型の二世帯住宅」→サザエさんの家のような、玄関・水廻りも一緒の二世帯住宅。高齢者とその他の家族が一番密接。
3つのタイプに分かれる二世帯住宅の建築費と背景
「完全分離型の二世帯住宅」は、キッチン・お風呂・トイレ・玄関も完全分離しており、それぞれ2箇所以上あるので、建築費は一番高くなる。
3つの中で一番安く建てられるのは、玄関・水廻りも1箇所の「同居型の二世帯住宅」。
一般的に親世帯は、せっかく二世帯住宅にするなら、子供夫婦や孫と一緒に楽しく暮らしたいという気持ちが強く、同居型か中間型を好む。多いのは息子夫婦との同居である。私の家も一緒。
今後二世帯住宅を建てるなら、できれば高齢者にウィルス感染する可能性が低い「完全分離型の二世帯住宅」が良いと思う。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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