2020-03-10
TROOP美容室併用3階建て(宇都宮市 仲町)
リフォーム

床上浸水から4ヵ月半が経過した建物の壁の断熱材と耐力面材はどうなっているのか?

壁の石膏ボードを剥がしたところ。

昨年10月12日の台風19号から約4ヵ月半。2/25から床上浸水の被害を受けた、店舗併用3階建て住宅「美容室TROOP(トゥループ)」のリフォーム工事が始まりました。

 

美容室のある宇都宮市仲町は隣の千波町と並んで、宇都宮市内で最も水害の酷かった地域です。床上1000mm前後の浸水となったお宅が多かったようで、現在も多くのお宅がリフォーム工事を行っています。

 

今日のブログは、床上浸水の被害を受けてから4ヵ月半が経過したお宅の、解体時の写真を見ながら「床上浸水した建物の壁の断熱材と耐力面材はどうなっているのか?」をコメントします。

 

ちなみに美容室TROOPの新装開店は4/26(日)です。美容室TROOPの口コミはこちらをご覧ください。

 

リフォーム工事中、一番現場にいる時間が長いのは解体工事の時

リフォーム工事を行う場合。解体工事は最初に行う工事であり、最も大切な工事の1つである。その理由は2つあり、1つ目は更地にしてしまう解体と違い、内装と下地材の解体工事は状況を見て判断し、必要最低限で丁寧に解体すれば、造り直す箇所も減るので、工期短縮とコストダウンにつながる。反対に予定以上の範囲を乱暴に解体されてしまうと、見積どおりには納まらなくなる。だから丁寧に解体する職人に依頼している。

 

2つ目として解体工事は、「解体してみたら予想以上に下地木材や構造材が傷んでいた」などということもあり、どこまで壊してどのように補修するかは、設計者兼現場管理者の私の判断となる。その場合、現状説明と見積金額以上に掛る予算の件で、急遽施主と相談することもある。結果としてリフォーム工事中、一番現場にいる時間が長いのは解体工事の時になるのだ。今回は、準防火地域内の3階建ての住宅+店舗併用住宅ということもあり、外壁内側の石膏ボードが2重貼り以上、多いところでは6層の壁構成になっていたので、4人で約5日間の解体工事となりました。

 

床上浸水してから4ヵ月半が経過した建物の壁の断熱材はどうなっているのか?

床上浸水にあった壁の断熱材は下から300mm程度が濡れていた。土台の上の白いのは白カビでなく石膏ボードくず。

床上浸水約1000mm。壁の断熱材は床から750mm程度(土台上端から300mm程度)までが濡れていた。断熱材が水を吸ってしまい、床上浸水した高さ以上に断熱材は濡れているのかと考えていたが、床上浸水した高さから250mm下がった部分しか断熱材は濡れていなかった。一晩で水が引いたことと、気密シートを貼っていたことが、断熱材が予想以上に濡れなかったことに関係しているのかもしれない。断熱材を絞ると、濡れ雑巾のように黒い水がでた。

 

グラスウールはファイアーストップとして入れた間柱まで撤去し新設。気密シートを貼り直した。

 

店舗部分の床の構成は、ベタ基礎のスラブ上に塩ビシート直貼りの仕上げで床下はありません。唯一床下のある玄関は、玄関ホールを含めて1畳。床下がほぼ無い1階部分の構造は、水分を除去しやすく、そのことはカビが出にくいことに繋がったと思う。実際、カビは至るところから出ていましたが、床下があったら、もっと大量に発生していたと思います。

 

耐力面材 ダイライトは床上浸水による劣化なし

濡れた断熱材を撤去して1日経つと、ダイライトも乾いていた。

壁の断熱材を撤去した後1日経つと、断熱材の外側に貼られたダイライトは乾いていた。触ってみると「サラっ」として湿気のあるような感じはないし、しっかりと柱に留まっていて一安心。ほぼ新品と変わりない様子。

 

耐力面材が水害により釘が効いていない等、ダメになっていた場合、外壁まで壊してやり直す必要が出てくる。そうなると、より工事範囲が増えるので、新装開店4/26(日)に間に合わない可能性が高かった。一番の懸念事項だった耐力面材が無事で一安心。

 

土台や柱等の無垢材は水害にも強い

断熱材を撤去して木材を乾かしてから断熱材を入れた。

土台と柱は、濡れた泥が溜まっていたので掃除して乾かせば問題なし。黒くなってはいたが変形も無い。無垢材は水害にも強いです。無垢材が水害に強いのは内装建材でも同じ。カラーフロアや新建材のドアは、合板なので変形しやすく水害に弱いですが、それに比べて無垢フローリングや無垢羽目板は水害に強いです。

 

【無垢材と造作建具は水害にも強い説】台風19号で床上浸水した結果から水害にも強い建材を考える

 

洪水による美容室TROOPのリニューアル工事で、再度ウェスタンレッドシダー(WRC)を使う理由

 

断熱材が入っていない間仕切り壁も、同じようにカビが出る

水分を含んだ断熱材は、早期に除去しないとカビが出やすいのですが、断熱材が入っていない間仕切り壁も、断熱材の入っている壁と同じようにカビは発生していました。特に風通しの悪い部分の間仕切り壁は、断熱材が入っていなくてもカビは発生する。

 

残る水害リフォームは2軒

水害リフォームは残り2軒となりました。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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