2020-02-05
TROOP美容室併用3階建て(宇都宮市 仲町)
リフォーム

洪水による美容室TROOPのリニューアル工事で、再度ウェスタンレッドシダー(WRC)を使う理由

縦格子と看板もウェスタンレッドシダー。住宅に見えない、生活感の無い外観とした。

去年10月の台風19号による洪水で、床上浸水1Mの被害にあった美容室TROOP。店舗のリニューアル工事を、2/25(火)から4/25(土)の2か月間で行います。床上浸水により、1階の店舗と住宅の玄関ホールの壁は、石膏ボードが水圧で大きく変形し、壁の断熱材も汚泥水を吸い込んでしまいました。そのため室内側は全てスケルトン状態にして、お店を新たに造り替える大規模リフォーム工事になります。新装開店は4/26(日)の予定です。

 

美容室TROOPは1階が美容室で、2~3階が住宅の店舗併用木造3階建て住宅。外観は生活感を出さないように、洗濯物等の私物が露出しない工夫をしています。また、店舗なので、お店の(オーナーの)雰囲気を表すアイテムとして、内外観にウェスタンレッドシダーという無垢の木材を用いて、白壁と対比させています。

 

今日のブログは、美容室の雰囲気を表す象徴的な素材として、ウェスタンレッドシダーを再度使う理由について書きます。

 

今回、ウェスタンレッドシダーは、1枚当たりの長さの融通を効かせてくれたチャネルオリジナルさんに注文しました。チャネルオリジナルさんは、ウェスタンレッドシダーで有名な、知る人ぞ知るマニアックな建材商社です。今回、事務所にチャネルオリジナルの青山さんに来て頂き、いろいろとお話しを聞きました。

 

美容室TROOPの情報はこちらをご覧ください。

 

ウェスタンレッドシダーとは?

北米(カナダ)を原産としている針葉樹で、ヒノキ科ネズコ属に分類されます。その独特の色味と形状安定性から外部デッキや外壁そして屋根にも使用され、世界的に愛用されている樹種です。 日本では表情が杉に似ているという事から米杉という呼ばれ方をすることもあります。

色味が強く、素材として非常に強い訴求力を持つ商品ですので、天井に使用する際には壁を、壁に使用する際には天井をそれぞれ白系統の塗り壁などの仕上げにする事で空間の完成度がより高まります。天井へのパネリングとしての活用だけではなく、リビングの一部分にのみ意匠的に活用したり、キッチンのバックパネル、外部の軒天など、仕様度が高い商品です。使い勝手の良さと意匠のアクセントもポイントです!

出典 

カナダの先住民は、このウェスタンレッドシダーからカヌー、家、衣服などの生活用具を作り、「生命の木」と呼んでいたと言われています。チャネルオリジナルさんは、カナダからウェスタンレッドシダーを輸入しています。

 

ウェスタンレッドシダーの5つの特徴

当社の外壁もウェスタンレッドシダー。

1.温もりのある見た目と匂い

室内で使う羽目板の杢目は綺麗で木の温もりがあります。外壁で使うラフ仕上げした表皮は、ザックリとして力強さも感じます。顔を近づけると、甘く渋い独特のローストされたコーヒーのような良い匂いがする木材なので、匂いによるリラックス効果も期待できると思います。

 

2. 魅力的な色の濃淡

ウェスタンレッドシダーは、プレーンでありながら色の濃淡があるのが魅力です。外壁材として使うと、この濃淡は雨水により均一になりますが、室内で使った場合、この色の濃淡が最大の魅力になります。クリアオイルを塗ると、木材の濃淡は明確になります。この濃淡が訴求力を持つので、店舗に使われることも多いです。

 

3. 優れた耐久性

ウェスタンレッドシダーは、針葉樹の中で最も優れた耐久性を持つ木材の1つです。優れた抽出成分により、湿気、腐朽、虫害に対して耐久性を発揮します。優れた耐久性は、外壁材やウッドデッキとして使われることが多いことからも証明されています。TROOPでも店舗外のデッキ、看板、外壁材とベランダデッキに使っています。また当社ショールームの外壁材もウェスタンレッドシダーを貼っています。

 

4. 加工しやすいこと

ウェスタンレッドシダーは、軽く柔らかく均一なので、大工が加工しやすい材料です。柔らかいので、釘やビスを打っても割れにくいです。その施工性の高さは、美しい仕上がりを実現する最大の要素です。

 

5. 優れた形状安定性

他の針葉樹と比べて収縮率が低いので、仕上げ後に隙間が空いたりしにくい材料です。その形状安定性は、質の高い仕上がりに直結します。今回、床上浸水してたっぷりと水分を含み、乾燥しましたが、室内壁に貼ったウェスタンレッドシダーの変形は、目視では確認できませんでした。パインや杉・檜の羽目板と比較しても、乾燥収縮して隙間が開いたりしにくいです。加工しやすい」「狂わない」「耐久性が高い」ことは、品質の高い状態が長く続くことに繋がります。

 

ウェスタンレッドシダーを美容室TROOPの外壁と室内壁に使った理由

壁のコンビがウェスタンレッドシダー。

新築時、内外観の一部にウェスタンレッドシダーを使った理由は、当時、オーナーが店を構えていた下北沢の街の雰囲気と、下北で23年間、店を構えていたオーナー自身の雰囲気にも合うと思ったからです。外部に使ったウェスタンレッドシダーは雨に当たって古着のように色落ちするので下北的だと感じますし、室内の茶色のコンビ壁が少しずつ濃くなっていく様子もオーナーの齋藤さんの雰囲気に合います。またウェスタンレッドシダーを外観に使った場合のラフな経年変化と、室内で使った場合の質の高い経年美化が、白壁と対比され美容室のシンボルツリー的存在になると考えました。そのため、新築時には外部の縦格子、看板、デッキ。内部の壁にウェスタンレッドシダーを使いました。

 

今回、洪水によるリニューアル工事で、再度レッドシダーを使う理由は、オーナーからの強い希望です。見た目と質感が気に入ったのだと思います。再度使う建築的な裏付けとしては、上記にも書きましたが、内外部共に浸水しても形状が安定しており、質感が落ちなかったからです。

 

シャンプースペース壁の黄色いタイルは廃盤

黄色いタイルは残念ながら廃盤で再使用できず。

ウェスタンレッドシダーの濃い茶色と合う、シャンプースペースの黄色いタイルも再使用したかったのですが、廃盤になっており他のタイルを使うことになりました。

タイルの選択についてはこちらをご覧ください。

住宅建材はカタログ写真と実物が大きく違う場合があるので、必ずサンプルを取って検討すべきだという実例!

 

美容室TROOP施工例とお客様の声はこちら

https://yoshidacraft.net/works/troop/

https://yoshidacraft.net/works/troop2/

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

この記事をシェアする
コメント

コメントを残す
お名前