2010-06-16
建材・住宅設備・便利グッズ

(更新)建築の難しさとローコストビルダーについて

毎年、梅雨の時期に限って防水工事や防水の見積依頼が多い。
先日も防水の見積依頼があり、防水業者と現場調査へ。
雨漏りは、なってからでないとお客さんは、なかなか対処しないのだ。
街中。
4階建てのビルの4階ベランダと5階の防水。
長く雨漏りをしていたが、階下に人が住んでいなかったので
建築のプロを入れての工事は、したことが無いとのこと。
屋上にもベランダにも、物が大変多い。
ベランダや屋上に荷物があると、雨水が上手く流れないので
劣化を早めることになります。
防水を長持ちさせることを第一に考えるなら、何も物を置かない事です。
さて、この建物
30年以上前の建物なので、手摺りや笠木もアルミでなく鉄。
それが錆びてしまい。朽ちてきている。
鉄が錆びて落下したら、街中なので人や車にあたってしまう。
きちんと直すなら、手摺りや笠木等の鉄部を全て撤去して
アルミの部材に交換してから、防水をやり直すが、
これをやるとかなりのお金が掛かってしまう。
街中なので、既存の部材を撤去するだけでも大変なのだが。
「建替え」も考えているとのことなので、あまりお金は掛けたくないらしい。
そうなると、どこまでの見積もりを提案するかが、とても難しい。
考えた末に、鉄部の撤去は錆がひどい部分だけにして
塗装をして、今以上にひどくならないようにして、
施主に定期的に様子を見てもらう見積もりを出す事に決めた。
一応、頭の中で方向性が決まり、少しすっきりした。
分かりやすくいうと、癌を全て切り取るのはリスクも大きいので
最小限に留めて、延命するといったところ。

中途半端なリフォームになるから、顧客満足度は低くなる場合が多いが

予算や将来の建替えの可能性も考えると、「いい落し所だろう」

と勝手に思って提案するしかない。
明日も、リフォーム工事が始まった現場を抜け出して、
解体業者と塗装業者と一緒に、もう一度現地調査に行く事になった。
防水工事の見積もりを1つ作るにしても、
とてもいろんな要素が絡んで、手間が掛かるし
正直に言うと、今回のような延命措置の場合は特に
提案する内容が正しいのかは、時が経たないと分からない。
その防水工事のことを考えながら頭に浮かんだのは、
「建築の難しさとローコストビルダーについて」
建築(主に注文住宅)は、大きく分けると、予算、敷地状況、施主の要望の3つが
それぞれ違うので、どれとして同じ建物は無い。
それぞれ違う状況を施主と対話して、整理していくのはとても難しく
巷で言われているような、ローコストでは出来るわけないのだ。
事実、住宅の世界では、永続しているローコストビルダーは1社もなく、
かの有名ローコストビルダーも、CMが無くなっているところを見ると
永続はできないという事かもしれない。(意味深な謎笑)
きちんと上記のことを説明するので
うちのお客さんでローコストでやれという人は居ないけれど
極端なローコストに出来るのは、ユニクロ等の既製品の大量生産販売のみだろう。

 

リフォーム 栃木県 ヨシダクラフト 
注文住宅 栃木県 ヨシダクラフト

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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コメント
くま塾長

>建築(主に注文住宅)は、大きく分けると、予算、敷地状況、施主の要望の3つがそれぞれ違うので、どれとして同じ建物は無い。 教育も同じですね。 人によってすべてヤル気やら能力、置かれている環境が違うので、本気で教育しようとしたらそれなりにコストもかかります。 ただ、安くすることは出来ます。それはこちらの都合で教えっぱなしにすること。あとはしっかり復習して下さいねと。 授業料の安さ(一見)を売りにしているところは、ほとんどそうしているのですが、そう見えないようにしているところはたくさんありますね。 塾業界にも○○ホームはあるということです(笑) しかし、ここ、cmを最近みませんねえ・・・

2010年06月16日
ヨシダクラフト

くま塾長さん くま塾長さん 書き込みありがとうございます。 やはり、教育業界でもそうでしょう。(納得笑) cm見ないでしょう。 参院選の後は、住宅業界に激震か? 私は関係ないけれど。(謎)

2010年06月16日