2019-11-21
Q1.0住宅宇都宮の家 SH-house(宇都宮市)
家庭のエネルギー
高断熱・高気密住宅

床下エアコンに床置きエアコンを採用している4つの理由

格子の中に床下エアコン(床置きエアコン)が入っている。床下エアコンを家具化した。

昨日の夕方現場に行ったのは、床下エアコン廻りの気密をとるためでした。

 

SH-houseでは、床置き用のエアコンを半分床下に入れて「床下エアコン」としています。

 

床下エアコンと、その廻りの蓋には1㎝程度の隙間が出来ます。

 

その隙間を特殊な「ゴムの気密部材」で塞いで隙間を無くし、床下の暖気が床上に出ないようにしました。

 

気密化したことにより、床下の暖気はより広がるはず。

 

また、このエアコンの「室温測定部」は、エアコン本体の上部内側にあります。

 

隙間から床下の暖気が上がりやすいと、室温測定部分が暖かくなってしまい、室内が暖かくないのにエアコンが止まってしまうこともありえます。

 

だから、床下からの暖気をなるべく上げないようにして、室温測定をより正確にするため、ゴムの気密部材を付けて床下エアコン廻りを気密化しました。

 

この2つが、床下エアコン廻りの気密性を確保した理由です。

 

ゴムの気密部材は、こちらのゴムパッキンの専門サイトで買えます。

 

HC-2というゴムの気密材です。

 

ゴム通

 

床下エアコンに床置きエアコンを採用している4つの理由

当社の場合、床下エアコンは壁掛けエアコンを床下に入れるのでなく、床置きエアコンを採用しています。

 

床置きエアコンを採用している4つの理由は、

 

  1. 給気部と吹き出し部に距離があり、その中間を床蓋(ふた)で区切りやすく、ショートサーキットしにくいと考えたから
  2. この床置きエアコンは、奥行が23㎝程度と壁掛けエアコンより薄いので、家具の一部として家具化しやすいから
  3. エアコン本体の掃除の話。上から下にカバーを開けてメンテするので、床上からカバーが開けやすくフィルター清掃がしやすいから。
  4. 床置きエアコンが、床面から出ていても見た目の違和感がほとんど無いから

床置きエアコンを半分床下に設置する方法。

床下エアコン廻りの蓋をするとこんな感じ。床下に暖気が噴き出す排気部分があります。

このように上から下にカバーを開けて掃除するので、床上からカバーが開けやすくフィルター清掃がしやすい。壁掛けエアコンはカバーを下から上に開けて掃除するタイプが普通。

床下エアコン廻りの蓋は、フローリングで造るので違和感はない。

 

床下エアコン廻りの隙間に使ったゴムの気密部材

断面はこんな感じ。このゴムで床下エアコン廻りの気密性を高める。

 

床下エアコン廻りの蓋に、気密ゴムをビス留め。

ゴムを留めたところ。

床下エアコン廻りの隙間がほぼ無くなった。

床下エアコンの住み心地

床下エアコンの住み心地はこちらを参考にしてください。

 

室温よりも、2度程度床温度が上がるので、マイルドな床暖房になるのが最大の利点です。

 

私が設計施工した断熱性能Q値1.35、C値1のお客さんのお宅に宿泊した感想と室内温度

 

床下エアコンにする場合の断熱性能、Q値はいくつ以上が良いのか?

床下エアコンにする場合のQ値は1.5以下が妥当だと言われている。

栃木県宇都宮市で床下エアコンを設置するにはQ値1.5が必要?!。床下エアコンの快適性と設置状態を連続写真でご覧あれ。

 

DDSボードと書いてあるのが基礎床版全てに設置した断熱材。表面にアルミ箔が貼ってあり拭き掃除しやすい。豆腐のように四角い基礎の上に床下エアコンを置きました。もちろん豆腐下まで断熱材が入っています。

 

床下エアコンよりも日射取得と断熱強化が重要

前回床下エアコンを設置したSI-houseがQ値1.35で、今回のSH-houseはQ値1.19。

 

大きな違いは、基礎のスラブ上全面に断熱材を敷いたことと、前回より日射取得しやすい(日当たりの良い)敷地だったこと。

 

基礎の断熱性が強化されより高性能になり、床下エアコンの効き方も格段に良くなった気がする。(Q値は数値が小さいほうが高性能)

 

また、日当たりが良いと下のブログで書いたように、窓を暖房機代わりにできる。だから「日当たりの良さ」が、敷地を買うかどうかを決める重要な要素の1つとなる。

Q1.0住宅は無暖房でも暖かいので、「室内に誰か居るんじゃないか?」と心配になる家ですw

 

床下エアコンよりも、日当たりの良い敷地と断熱を良くすることのほうが大切である。

 

こらから土地を買う人は、できるだけ日当たりの良い敷地を買ってください。

 

そして床下エアコンにするには、付加断熱してQ1.0住宅にするのが良いと思います。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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