2019-11-14
SH-house(宇都宮市)
住宅設計
高断熱・高気密住宅

小さな家でも大きく暮らせる工夫。小さな家では1つの部材を多用途に使うのが合理的

今週末の11/16(土)と11/17(日)に、完成見学会を行うQ1.0住宅@宇都宮市。

 

24.5坪と小ぶりだが、大きく暮らせる工夫をした家である。

 

今日のブログは、「小さな家でも大きく暮らせる工夫」をザックリ書きます。

 

小さな家が時代に合っている理由

小さな家で質を高くすると、メンテナンス費用も抑えられるため、少子高齢化時代にも合っている。

 

一般的な窯業系サイディング外壁+カラーベストコロニアル屋根のお宅の場合。15年程度に1度、繰り返し訪れるメンテナンス時の費用は、基本的に面積×単価で算出されるので、大きな家だと、よりお金が掛かるのだが、そこまで考えて新築するエンドユーザーは少ない。

 

だから、他人と同じ大きめな家を「建てがち」であり、結果として15年ごとに訪れるリフォームの時期に、費用を捻出できないことも多いのだ。例えば外壁塗装の時期を逃すと、外壁材自体が傷んでしまい、全て壊して貼り替えになることもある。

 

それに対して、小さな家で質を高く造っておくと結果として坪単価が高くなるが、小さくてかつ長期使用できる材料で構成されるので、リフォーム費用(メンテナンス費用)が掛かりにくくなるのは、当たり前の話である。

 

Q1.0住宅の断熱性能にして、小さな家で大きく暮らす

付加断熱施工風景。壁は225mmの断熱仕様。

30坪以下の小さな家とQ1.0住宅のような超高断熱仕様は、とても相性が良い。

 

建物全体がワンルームのように広くなっても、家全体の温度が均一に近くなるため、小さな家を隅々まで広く使えて、各部屋の稼働率が上がるのだ。

 

その上、光熱費も掛かりにくい。

 

例えば逆に40坪以上の大きめな家で、断熱性能が「イマイチ」な場合、実際に使えるのが冷暖房の効いた20坪程度の「LDKと各個室のみ」だとすると、外観は大きくても、実態は稼働率の低い部屋の多い20坪の小さな家である。

 

実はこのような家は多い。

 

前述したように、大きな家は15年程度の周期で訪れるメンテナンス時のコストも多くかかるから、断熱性能が「イマイチ」である場合、毎年の冬の寒さと光熱費の多さと共にメンテナンス費用が、ダブルパンチならぬトリプルパンチを受け続ける状態となる。

 

家の断熱性能の基準はQ1.0住宅にするのが良いと考える理由

家の断熱性能の基準はQ1.0住宅にするのが良いと考える理由は、当社で建てたQ1.0住宅の夏と冬の室温の変化と光熱費を測り、施主の感想も聞いたからだ。

 

Q1.0住宅の室温変化、光熱費、施主の感想はこちらのブログをご覧ください。ブログのお宅はQ値1.35である。

 

【更新】栃木県宇都宮市で建てたQ1.0住宅の年間光熱費と、冬と夏の室温の計測結果を公開

 

高断熱高気密Q1.0住宅は「夏は暑いのか?涼しいのか?」室温を実測し考察してみた

 

設計者に最低限の要望を伝え、あとはお任せが面白い。

 

だから、栃木県で新築をする場合は、Q1.0住宅レベルの断熱性能が必要だと考え提案している。

 

この表を見て頂くと、今週末に完成見学会を行うSH-houseはQ値1.19であり、Q1.0住宅のレベル2である。

小さな家では、1つの部材を多用途に使うのが合理的

小さな家には造り付け家具も必須だ。

 

その理由は、効率的に収納スペースを確保する必要があるためだが、これは空間をすっきりと整えることにもつながる。

 

また、小さな家では室内の広さが限られるので、1つの建築部材を多用途に使って、限られたスペースを有効利用するのも合理的。

 

具体例を見てみよう。

 

洗面脱衣室の引き戸に「タオル掛け兼手摺」を付けた。

例えば、洗面脱衣室の引き戸に「タオル掛け兼手摺」を付けてドアを壁のように使ったり、引き戸に衣類が掛けられるフックを付けておく。小さな家はドアを壁としても使った方が暮らしやすい。

玄関収納のドアに鏡を設けて姿見にする。この位置に付けると廊下側から使えるし、鏡の付いたドアを開くと、玄関の土間からも使える。扉には、革靴のカビを防ぐ丸い通気孔を付けるのがヨシダクラフト流。

両側に手摺を付けた。奥の収納内に換気扇を設置。丸穴は換気用。

トイレの手掛け兼紙巻き器。飾り棚しても利用可能。

トイレの壁に向かって、右側には手摺、左側には茶色の手掛けを付けた。その手掛けは紙巻き器と兼用されている。手掛けは、便器に座ったり、立ったりする時に使う。

 

トイレの階段下は収納になっており、その中に換気扇が仕込んである。

 

玄関収納扉の内側が傘掛け。

玄関収納は、下駄箱とコート掛けと傘掛けの3つ用途を兼ねる大きめの収納を提案した。小さな家の玄関は、窓からの採光よりも収納を優先する。採光は玄関ドアのガラスから採る。

 

この住宅で唯一の開き戸であるトイレのドア。床のマグネットのドアストッパーを辞めて、扉上にドアストッパーを付け、床面の金物を無くしてスッキリさせた。

照明も最小限。なるべく照明を天井に付けないようにする。

リビングの飾り棚と床下エアコンを兼用した家具。片付く室内を目指した。

 

キッチン背面のパントリー的収納。奥行が深く、天井までの大容量収納。

扉を開けたところ。幅900mm、奥行600mm、高さ2400mm。棚奥行450mm。常温で保存できる食品等はこちらに。

開き戸の取っ手は施主の希望で木製。汚れが目立たない茶色に塗装した。

キッチンにはパントリー(食品庫)を設けるスペースがないので、幅900mm×奥行600mmの天井までの収納を設けて、パントリー的収納とした。

 

施主の希望に合わせて造った、シンブルなオーダーキッチンは底板もステンレス。

キッチンは造作キッチン(オーダーキッチン)で施主の生活に合うように造った。

 

階段手摺は取外し可能。

手摺裏面を彫り込んで持ちやすくした。

階段手摺は、家具の搬入出に備えて、取外し可能。

 

低い本棚は圧迫感がない。吹抜け手摺と高さを合わせて、スッキリと見せる。

本棚は低くして圧迫感を無くした。

 

また、LDKに7帖のウッドデッキを設けて、デッキをLDKの延長として広く使えるように計画した。

以上が24.5坪の小さな家で行った、家具と建築部材等の工夫である。

 

今週末のQ1.0住宅の完成見学会。土曜日の13時からが空いています

今日のブログで説明した今週末のQ1.0住宅の完成見学会。

 

11/16土曜日の13時からが空いています。

 

ご希望の方は、以下のブログからお申込みください。

11/16(土)・17(日) 小さなQ1.0住宅完成見学会のお知らせ@宇都宮市

 

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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