2018-08-30
研修会・展覧会

照明の与える印象の大切さは美術館も住宅も一緒だという話

8月26日(日)宇都宮美術館で開催されていた「ジョルジュ・ルオー展」に行ってきました。最終日のため、たくさんの人が来ていました。

 

「ジョルジュ・ルオー展」の他に、隣の会場で宇都宮美術館が所蔵するコレクション展も観てきました。

 

感想をブログにします。

 

美術作品は照明の明るさによって、観客の感じ方が大きく変わる

美術作品は、過度な照明が当たると劣化するので、美術館では美術作品の耐光性ごとに、展示室の照明の明るさを制限しているらしいのですが、キッチリその作家に焦点を当てて、明るさを調整した単独展のほうが、美しく見えることが実感できました。

 

これは如実に分かります。

 

ルオー展の方は、かなり暗めに照明が設定されており、ルオーの描いた太い輪郭線と鮮やかな色彩と相まって重厚な印象。できればもう少しだけ明るい場所でも見たかったですが、好印象。

 

「ルオー展」の後に、隣の部屋で宇都宮美術館所蔵の「コレクション展」を観たのですが、全ての絵がとても安っぽく見えました。ルオーだけが素晴らしく、多数の作家の展示が見られるコレクション展が全てダメだなんてありえません。

 

「ルオー展」と「コレクション展」の何が違うのか、直ぐに分かりました。

 

コレクション展の照明は、ルオー展より明るく蛍光灯が強めなので、全ての作品が安っぽく見えていたのです。

 

「ルオー展」と「コレクション展」の照明の明るさと色が違う理由は、多数の作家の作品を並べるコレクション展は、照明の明るさや色も、それぞれの作品の最大公約数になるため、「ルオー展」のように特定の作家と作品に焦点を当てて、明るさや色を調節することができないからだと思います。

 

「ルオー展」では、電球色と昼白色(蛍光灯)の両方が使われており、電球色が強めでした。

 

照明による、観客が受ける印象の差はとても大きいです。

 

美術館でも住宅でも、欲しいのは照明器具でなく「灯り」

YM-houseリビング。照明を集中させて配置し、天井が出来るだけスッキリ見えるようにしている。

住宅でも、照明の与える印象はとても大きいので注意が必要です。

 

リビングの天井に、デーンと大きな照明があると、目障りでうるさい感じになってしまいます。

 

美術館も住宅も、欲しいのは照明器具でなく「灯り」なのです。

 

なるべく天井に大きな照明を付けないようにして、付ける場合も必要最低限の電球色のLED照明を集中させるなどして、照明計画したいと思います。

 

ヨシダクラフト住宅設備仕様

 

ジョルジュ・ルオーをザックリ説明すると

写真出典

ジョルジュ・ルオーはフランスの画家です。1871年パリに指物(さしもの)職人の子として生まれ、14歳の時にステンドグラス職人に弟子入りします。ルオーの描く太い輪郭線は、ステンドグラスの影響だと言われています。

 

19歳でパリの国立美術学校に入学。この学校の同期生がアンリ・マティスです。この学校で、ルオー、マティスらの指導にあたっていたのは象徴派の巨匠、ギュスターヴ・モロー

 

ルオーは道化師や娼婦、貧困者など、社会の底辺に生きる人々を描く一方、キリストとその周辺の日常も多く描きました。

 

描いた対象が一般庶民のよく目にする風景であり、太く力強い輪郭線と、重厚でかつ鮮やかな色彩を用いたので、それが現代でも普遍的魅力になっています。

 

配色がとても美しいのですが、絵の近くに寄ると、それが油絵具をキャンバスから盛り上がるほど塗り重ねた結果だというのが分かります。厚い部分は5mm弱はありそうです。

 

重厚と鮮やかさは、対義語のようにも思えますが、油絵で効果的な色を塗り重ねることにより、それを実現しています。一流の画家なので当たり前のことですが、構図も上手いです。

 

遠くからみても、近くで見ても魅力があります。

 

じっくり観てしまい、とても疲れてしまいましたw。

 

国内ではパナソニック汐留ミュージアムがジョルジュ・ルオーの作品を多く所蔵しており、その巡回展ということで全国を廻っています。

 

宇都宮美術館の次回企画展は「篠山紀信展 写真力」

写真出典

次回9月16日(日)~11月4日(日)まで、宇都宮美術館では「篠山紀信展 写真力」が開かれます。

 

ジョンレノンやオノヨーコ、宮沢りえ、夏目雅子、山口百恵等々の芸能人と、東日本大震災で被災された方々まで、圧倒的迫力の写真が展示されるようです。

 

宇都宮美術館 「篠山紀信展 写真力」

 

この本、とても良かったのでおススメします。成毛さん流の住宅の造り方もP22から3ページに渡って書いてあります。新建材を使わず「時間が経つほどよくなる本物の材料」で新築しておくのが、長い目でみるとお得だと書かれています。家を建てる前にキッチリそれを見抜いて実行するのですから、やはり流石です。成毛さんのおススメの住宅仕様に、高断熱住宅の性能をプラスさせて、程よい大きさにすると100点ですw。その他にも成毛流の、様々なモノや事象に関するキュレーション事例が多数掲載されています。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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