2017-09-12
本・映画

アマゾンよりも安い「日本の古本屋」で、高額古書「栗の木のある家/生田勉」を9,000円安く買った話

先週金曜日、建築家/生田勉さんの設計した小さな家、「栗の木のある家」についてブログを書きました。

 

小さな名作平屋住宅「栗の木のある家 設計/生田勉」の現代性

 

生田勉さんは第2次大戦後、東大で教鞭をとるかたわら、木造の小さな家や山荘に独自の境地を開いた建築家(設計者)です。

 

素敵な小住宅ばかりを設計した方なので、その住宅のどこに魅力があるのかを整理するためにブログを書きました。

 

定価2,400円の本「栗の木のある家/生田勉」が、アマゾンでは11,459円の高額古書になっており買えなかった

生田勉さんは、「栗の木のある家」という著作も出しており読んでみたかったのですが、古い本なので絶版になっており、栃木県内の図書館にもなく、アマゾンでは11,459円(送料別)の高額図書になっていたので、手に入れられませんでした。

 

どんな内容の本なのか分からないので、1万円は出せません。

 

先日のブログには、「栗の木のある家」3000円なら買います。と書いておいたのでした。

 

「栗の木のある家」が3000円で売っていると連絡が来た

すると、ブログをアップした当日夜に、施主のSIさんから電話が来て、「日本の古本屋」というサイトで、「栗の木のある家/生田勉」が3000円で売っているようだと教えてくれました。

 

その上で、すかさず本を持っている調布の古本屋に電話をしてくれて、それが建築家 生田勉の著作だということを確認した上で、取り置きの手配まで申し出てくれたのでした。

 

すごい!

建築やアート等の専門書の絶版本は、アマゾンよりも「日本の古本屋」が安い

 

「日本の古本屋」というのは、古本・古書検索最大級の通販サイトです。 日本全国900軒の古書店、古本屋が参加しており 書籍データ600万件超。

 

Amazonにもない絶版書や探していた珍しい本・資料が見つかることがあります。

 

日本の古本屋

 

SIさん自身も最近、アマゾンで30,000円以上の高値が付いていた本を(何でも、県北の医師で小説家の方が書いた本)、同じく「日本の古本屋」にて1,800円で買ったとのことです。

 

アマゾンでは、「せどり」で副収入を得ている人や商売で古書を販売している人が多く、とくに「建築やアートなどの専門書」は高くても買う人が居るので、値段が高めなのです。

 

※せどり・・・古本屋仲間の店頭から本を、転売目的で抜いて買うこと。それをする仲買人。

 

SIさんが「栗の木のある家/生田勉」を探して教えてくれた時の会話

 

●SIさん「吉田さんが、今日のブログで3000円なら買うと書いていた『栗の木のある家』。日本の古本屋というウェブサイトに3000円で出ていますよ。」

 

■私「えー、ホントですか?!」

 

●SIさん「『栗の木のある家』という同名の漫画もあるけど、価格が3000円になっているから漫画ということはなさそうなので、生田勉さんの『栗の木のある家』で間違いないと思うなぁ。アマゾンではいくらでしたっけ?」

 

■私「一番安いもので、11,459円(送料別)だったと思います。少し前に日本の古本屋もチェックしたのですが、その時は無かったです。犬の散歩中なので家に帰ったら調べてみます。」

 

と言って電話を切って家に戻り、古書店に電話をして確認しようとパソコンを立ち上げたところで、再びジョギング中のSIさんから連絡がありました。

 

スマホでお店に問い合わせてくれて、間違いなく生田勉さんの「栗の木のある家」だと確認してくれた上に、私が買っておきましょうか?と申し出てくれたのでした。

 

ちょうどパソコンを立ち上がったので「今から買います」と返事をして購入しました。

 

やった!手に入れた。

 

小さな家の名手/生田勉さんの「栗の木のある家」が届いた。その内容は?

「日本の古本屋」で注文した本「栗の木のある家/生田勉」が、今届きました。

包みを開けると、メッチャ状態良いです。

ほぼ新品。

内容は、

・生田勉さんが様々な機会に依頼されたエッセイと論文

・ル・コルビジェについて

・磯崎新さんとの「建築家 立原道造」についての対談

・自作に対しての解説

です。

 

残念ながら文字ばかりで、私が期待していた生田さんが設計した小さな家や山荘の「図面や完成写真」はありませんでした。

 

しみじみ読んで、名住宅作家のエッセンスを吸収したいと思います。

 

本好きな人は、絶版書を探すのも上手い

本好きな人は、絶版書を探すのも上手く、タイミングも良いのだなと思いました。

 

SIさんは大量の本を持っているので、お宅には吹抜に面した大きな本棚を造りました。

 

私のお客さんには本好きの人が多くて、本棚を造ることが多いのですが、今までで最大の本棚です。

 

本棚を美しく見せるために、一部を除いて棚は固定にしています。

 

写真の本棚は、1マスには薄めの単行本や雑誌なら20冊程度入ります。

 

この本棚には62マスありますから、62マス×20冊=1240冊程度は入る本棚です。

 

蔵書はこの本棚の3倍程度あるとのことなので、1240冊×3倍=3720冊程度の本をお持ちなのかもしれません。

 

定期的に、他所にある本と入れ替えて生活されているようです。

 

SI-houseの本棚については、こちらをご覧ください。

吹抜けの壁一面本棚にはキャットウォーク(通路)が無いと、実際には使いにくいという当たり前の話

 

本棚についてはこちらもご覧ください。

私の失敗事例から、造作本棚の寸法と形状を考える

本が好きな人やお金持ちほど、本棚を必要としなくなる理由

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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