2017-02-09
リフォーム

一戸建て住宅と共同住宅の比率で、中古マンションリノベーションの数が決まるという当たり前の話

建築雑誌やインテリア雑誌の中古マンション購入+リノベーション事例のほとんどが、東京や大阪などの大都市の事例です。

 

私の住む栃木県宇都宮市で、素敵な中古マンション購入+リノベーションをしたという話を聞いたことがありません。

 

大都市は、共同住宅 (マンション)の比率が多く、逆に栃木県のような地方都市では、一戸建て住宅の比率が高いのが宇都宮でマンションリノベーションが少ない理由だと思い、ザックリ栃木県の一戸建て住宅と共同住宅の比率を調べてみました。

 

また、マンションに住むお客さんに聞いた古いマンションのメリット・デメリットも書いてみます。

 

栃木県の一戸建て住宅と共同住宅の比率
栃木県一戸建て住宅比率

栃木県と東京都の一戸建て住宅の比率

栃木県持ち家比率

栃木県の一戸建て住宅と共同住宅比率

資料出典

栃木県は、一戸建てが72.8%で、共同住宅が25.5%。逆に東京都では、一戸建てが28.4%で共同住宅が69.6%である。栃木県は、そもそも共同住宅(マンション)の戸数が少ないので、マンションのリノベーション、リフォームが少ないということがハッキリ分かる数字。

 

お客さんに聞いた古いマンションのメリット・デメリット

 

お客さんに古いマンションの組合理事をしている方がいらっしゃり、マンションの住み心地を色々と聞いた。そのマンションは宇都宮市の中心市街地にあり、とにかく立地が良いので、病院に行くにも買い物に行くにも歩いて行けるので便利とのこと。高齢者の悲惨な交通事故が報道される昨今、高齢になっても車なしで生活できるのは利点だろう。車無しでも生活しやすい場所に、程度の良い中古マンションがあれば、という話。

 

しかし、宇都宮市ではマンション自体が少なく、中心市街地にも優良中古マンションは思い浮かばない。

 

東京のように鉄道が発達しており、中古マンションの戸数が多ければ、優良中古マンションの数も多く車なしでも生活できる。

 

お客さんに聞いたデメリットは、マンションが古くなると住戸所有者が変わり、収入格差、貧富の差が出てくること。マンションの外壁等の共用部分を修繕するための、修繕積立金も支払えないような人も居て、マンションの維持管理、住民の意思統一を図るのが年々難しくなっているらしい。

 

マンションと戸建住宅のリフォームでは作業面でも全く違う
マンションリフォームEV内

エレベーター内は職人の道具で一杯

まず、マンションリフォームでは、材料や廃材の搬出入が大変です。クロス貼り替え程度の小規模な内装リフォームでも、写真のようにエレベーターの中は職人の道具で一杯。

 

また、職人の作業場所の確保が難しいことも大きな違いである。室内をスケルトンにしてしまうようなリノベーションでは、スケルトン後には住戸内に作業場所は確保しやすい。

 

マンションリフォーム廊下

作業場は住んでいないお部屋の前をお借りした。

しかし、修繕的リフォームでは、一般的にマンションは一戸建て住宅よりも狭く庭もないので、作業場所が確保しにくい。だから事前に作業場所を確保しておく必要があります。

 

写真は、お客さんの室内で作業出来なかったので、廊下の入居してないお宅の前をお借りしたところ。

 

マンションと戸建住宅のリフォームでは作業面でも全く違います。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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