2016-11-26
Q1.0住宅宇都宮三番町の家 SI-house(宇都宮市 三番町)
住宅設計

狭小敷地で駐車場を造る時に失敗しないコツ!それは施主の車を実際に駐車して、車止め位置を決めること

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正面から見ると普通に見える。しかし・・黒い外壁から塀まで駐車場幅4m74㎝。まさにギリギリ。

狭小敷地で駐車場を造る時に失敗しないコツを書きます。狭小住宅は様々な寸法がギリギリに設定されます。駐車場も狭く、建物の外壁や隣家の塀までの寸法も最小限。SI-house「猫と暮らす大屋根の家」も、施主の車2台が駐車場に入らないのではないかと、ハラハラしました。

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バックミラーから隣家塀まで10㎝で納まった

SI-houseは、終の棲家として1階で全ての生活が完結する間取りだった為、1階部分の面積が大きく、さらにバイクガレージと屋根付きウッドデッキも建物に一体化したので、駐車場が入ると、敷地に対してほぼ空いているスペースが無いという密度の高い計画でした。

図面作成前に敷地の実測が出来ない場合は、特に注意が必要

SI-houseは建替えです。敷地には、既存住宅と塀が建っており敷地内を通行できず、図面作成前に敷地の奥行を測ることが出来ませんでした。

 

普通、建替えの場合は、打ち合わせを重ねて新築図面が決まり、見積をして施主の了承を得た後で既存住宅を解体するので、新築計画時には既存敷地を実測できないケースも出てきます。

 

既存住宅の解体後に敷地奥行を測ると、想定していたよりも狭かったのです。元々図面上でも余裕のない駐車スペースだったので、もしかしたら施主の車が入らないのではないかと思ったのでした。

 

自分の(施主の)車は本当に駐車場に入るのか?実際の車を駐車してみる

駐車場を造るのは(土間コンクリートを打設するのは)、建物の足場が解体された後です。足場が解体された後、土間コンクリート打設前に、思ったよりも狭い駐車スペースを見ながら行った施主との会話

 

●施主Sさん「(狭い駐車スペースを見ながら)ここに、車2台入らないと思いますよ。玄関のポーチ(玄関前のタイルの貼ってあるステップ)に車の後部がぶつかるでしょう」

 

■私「間口はギリギリ大丈夫なのですが、奥行が図面よりも短いので、玄関ポーチのタイルに当たるかもしれないですね。」

 

●施主Sさん「ここに2台入らなければ、1台減らすか、近所に駐車場を借りるしかないな。」

 

■私「・・・。とにかく土間コンクリートを打設してから、実際の車を駐車してみましょう。」

 

狭い駐車場の場合は、車止めを付ける前に、施主の車を駐車してみる必要があります。

 

狭小敷地の駐車場は、施主に車を乗ってきてもらい「車止めの位置」を決めるのが重要
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狭小住宅の駐車場は車止めの位置が大切

土間コンクリートを打設してから、旦那様と奥様、車1台すつで現場にきてもらい、実際に車を停めてみました。間口は(外壁から隣地境界まで)は4m74㎝、まさにギリギリ。2台分の駐車スペースだと幅5.5Mくらいは、欲しいところかと思います。ただし、狭小敷地・狭小住宅では、無理なことが多いです。

 

一番上の写真のようになんとか駐車できました。幅も奥行もギリギリですが、慣れればスムーズに駐車出来そうです。

 

狭小住宅の駐車場では車止め設置は必須です。ここで重要なのは、実際に駐車する施主の車を持って来ること。狭小住宅の駐車場は、車から建物の外壁や塀までがギリギリの寸法になるので、実際に駐車する車を施主に乗って来てもらい、施主に車庫入れしてもらうことが大切です。

 

車種によっては癖があるので、車止めの位置を調整する必要があります。例えば、一番上の写真左。イタ車のフィアットプントはマニュアル車。バックでゆっくりと停車することが苦手な車種。だから建物から出来るだけ離して駐車するように車止めの位置を決めました。ホントは建物から車止めを離す余裕はないが、できるだけ離さないと危なそうだったので。

 

狭小敷地の住宅はエアコンの室外機や給湯器設置寸法により、建物位置が決まる
エコキュート基礎

Befor

 

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After  エコキュートが正常に作動する位置で建物配置が決まる

 

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エアコン室外機が正常に作動する位置で建物配置が決まる

ちなみに狭小敷地の住宅で、建物の配置(外壁の位置)を決める場合、エアコンの室外機やエコキュートのヒートポンプユニットが、なんとか作動するであろうという、敷地一杯の位置に設定することが多いです。SI-houseもこんな感じです。

 

エアコンやエコキュートのヒートポンプユニットは音と風が出るので、隣家になるべく迷惑をかけない場所で、かつ正常に作動するところを狙って機械を設置します。狭小住宅を造る時は毎回苦労しています。

 

狭小住宅・狭小敷地については、以前も書きました。

 

狭小敷地に家を建てる場合は、特有の計画や施工方法があるという話

 

狭小住宅を建てる施主が事前に理解しておくべき隣地状況と対策

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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