2016-11-16
Q1.0住宅宇都宮三番町の家 SI-house(宇都宮市 三番町)
住宅設計

天井の低い家は、狭く圧迫感を感じるのか? 天井高さ2.2Mの家の感想をレポートするよ

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個室の天井高さ2.2M。建具と窓は天井までとして「下がり壁」は無い

今週末、11/19(土)・20(日)に完成見学会を行う、宇都宮市三番町の「猫と暮らす大屋根の家」は天井高さ2.2M。一般的な住宅の天井高さは2.4Mなので、20センチも天井が低いです。

 

2.2Mの低い天井なのに、広いと感じた人もいた

しかし、見学した人で「天井が低い」とか「狭い」と言った人は、今のところ皆無です。見学後、何人かに「天井が低く、狭く感じましたか?」と聞いたところ、「広く感じた」という方もいました。

 

「この住宅は天井が低いです、よく見てください。」と私が天井に手を伸ばして、ようやく天井の低さに気が付いたようで、「広い」と感じた人は、天井が低いことに全く気付いていませんでした。

 

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低い天井2.2Mと吹き抜けの高い天井5.1Mのメリハリが広く感じる理由

 

2.2Mの低い天井と、吹抜け部分の5.1Mの高い天井の「メリハリ」に気を取られて、天井の低さが気にならなかったのだと思います。低い空間があるからこそ、高い空間に行くと広がりを感じるのです。

 

逆に言うと、天井高さ2.7Mの天井が高い家を造っても、全ての天井が2.7Mならばメリハリがないので、あまり広くは感じません。以前、お客さんのリクエストで、2.7Mの天井高さの住まいを造った私が言っているのだから、間違いありません。

 

今日は、天井が低い家なのに広いと感じた理由を書きます。

 

ちなみに今週末の完成見学会の予約を受け付けていますので、ご希望の方はご連絡ください。

 

完成見学会を行う「猫と暮らす大屋根の家」

 

天井を低くして失敗した人と、天井を低くして成功した人

 

天井を低くすることのメリットとデメリットについては、以前、「天井高さは何センチが最適なのか? 天井高さ2200㎜を考える」というブログを書きました。天井高さについては、不満や疑問を持っている方が多いらしく、ブログの書き込み欄に多数のご意見や質問を頂きました。このブログの一番下の書き込み欄をご覧ください。

 

天井高さは何センチが最適なのか?天井高さ2200㎜を考える

 

最初に書き込みをした方は、工務店に勧められて天井高さを2.2Mにしたら失敗した、2.2Mの天井はあり得ないと嘆いています。

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文面から推測すると、失敗した原因は、造作建具にせずに既製品の建具を使って天井高さを2.2Mにしてしまった住宅会社にありそうです。造作建具はオーダー品なので、既製品の建具よりもお金が掛かります。

 

逆に、天井高さ2200㎜の家を新築して快適に暮らしている渡邊さんからの書き込みもありました。

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リビングには吹き抜けがあり、リビングから続く和室の天井は2200になっています。和室とリビングを仕切る建具は2200高の造作建具で、解放するとリビングとの一体感がとても有ります。

 

2Fは勾配天井で、南北の窓枠上端と天井高が一致してます(2120)。勾配天井なので建物全体の高さが抑えられ、大きく出した軒と合わせて、低くワイドな外観になりました。天井高2200の標準化、是非頑張ってください。造作建具と造作キッチンを使っている工務店しか出来ない試みだと思います。

 

注) 渡邊さんは、たまに私のブログを読んでくれて、メッセージのやり取りをしたことがあるfacebookの友人です。

 

天井が低い家なのに、広いと感じた理由
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写真のモデルはOBのAさん。Aさんのお宅の畳リビングは天井高さ2.1Mです。

 

2.2M程度の低い天井にしても、狭く感じないコツは、吹抜けを設けて高い天井も造ること。室内の建具を造作建具にして天井一杯の高さにして、建具の上に下がり壁を設けないこと、窓の上端も天井一杯にして下がり壁を極力無くすことの3つです。低い天井と高い天井を造ると空間にメリハリが付き、実際は天井が低いのに広く感じるのだと思います。また、下がり壁を無くすと空間が連続して感じるようです。

 

「猫と暮らす大屋根の家」では施主のご理解もあり、初めて天井高2.2Mの家としました。思い切って天井を低くして良かったと感じています。

 

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階段の吹き抜け

 

A-house→天井が2.1Mの部分もありますが、不思議と狭くは感じず、逆に低い天井が落ち着いた気分になり心地よいです。天井の低い部分の床は畳で座る体勢になるので、そう感じるのだと思います。このお宅も低い天井は吹抜けと繋がっていました。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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コメント
A

吉田さん,こんばんは.施主Aです. ウチの天井ネタ,ブログにアップしました.参考になれば幸いです. http://plaza.rakuten.co.jp/pinholeshot/diary/201611180000/

2016年11月18日
yoshidacraft

Aさん、ありがとうございます。低い天井に住む施主の意見として、参考になると思います。

2016年11月21日
yoshidacraft

Aさんのお宅は、こちらです。https://yoshidacraft.net/works/a-house/

2016年11月21日
オレンジ

我が家のリビングは240の標準ですが、26畳あるせいか低く感じます。実際の高さより、感じる方が大事ですね。天井に高低差をつけると、広く感じるというお話は納得です。寝室とか和室とか廊下、洗面所、浴室、トイレとか低くて全然いいですものね。無駄がなく、かえって落ち着きますし。今度自宅を建て替える時は、ヨシダクラフトさんに頼みたいなー(切望です)

2017年02月11日
yoshidacraft

オレンジさん、書きこみありがとうございます。リビングが26帖と広いので、天井高さと床の幅の比率で天井高さ2.4Mでは低いと感じるのだと思います。 そうですね。実際の高さよりも、人がどう感じるかで「天井が高く感じるか、低く感じるかが決まる」のだと思います。同意同意。 低い天井と高い天井の「メリハリ」を付けると、天井が高く感じて豊かな空間になると思います。 今回は2.2Mの天井高さと建具高さにしましたが、出来れば、天井と建具高さを2.1Mとすると、よりメリハリが効いて、天井を低くしたのに、かえって広がりのある空間に感じるかもしれません。 おっしゃるように、寝室、和室とか廊下、洗面所、浴室、トイレとか低くて良いです。無駄がなく落ち着きますし、容積も小さくなるので省エネにもなります。 当社の施工範囲なら喜んで引き受けます。ご自宅の建て替えの時は、是非ご依頼ください。

2017年02月11日
まる

天井の低い家を検索したらこのページに来ました。母子家庭で、将来は年老いた私と成人しても130cmの娘との暮らし。天井が低ければ二人でも不自由なことなく暮らせるのかと想像していましたが、実際の写真を拝見、天井が低い家はアリだと思えました(*^^*)

2017年02月27日
yoshidacraft

まるさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。 参考になって良かったです。

2017年02月28日