コンセントの仕様と位置で後悔しないためには、新築・リフォームの前に準備が必要
「ここにコンセントが欲しい!」ということはありませんか?コンセントを露出配線でなく新設出来るのは、新築・リフォームの時しかありません。コンセントの仕様と位置で後悔しないためには、新築・リフォームの前に準備が必要です。
家電と情報機器の増加と共にコンセントも増えている
掃除ロボット、電動歯ブラシ、タブレット、美容家電等、家庭で使う家電と情報機器は増え続けています。しかし、古いお宅のコンセントの数と位置は以前と変わらない。だから使いにくく「ここにコンセントが欲しい!」ということになります。
古いお宅ではコンセントが足りないことが多く、計画をミスしてしまった新しいお宅では、位置が悪くて使えないコンセントが多いです。
電源コードが届かない場合は、電源タップや延長コードを使っています。しかし電源タップや延長コードが露出されているお宅は、スッキリした印象の室内にはなりません。インテリアを素敵に造っても、延長コードが目についたら台無しです。
また、延長コードが足に引っ掛かって転倒したり、電源タップがタコ足配線となり、定格容量を超え,発熱して発火する危険が高くなります。また、埃が溜まって火災の危険もあるなど、コンセントが使いにくい場合は良いことはありません。
コンセントを新設、移動できるのは、新築・リフォームの時だけです。新築・リフォーム前にちゃんと準備をして、後悔しないコンセント計画をしましょう。
コンセントの仕様・デザイン
スイッチとコンセントは毎日見て触れる物なので印象に残り、インテリアの素材としてもとても重要です。
材質は主に2つ。プラスチックとアルミです。お客様が希望すれば陶器のコンセントプレートにすることもあります。
スイッチ部分が大きく使いやすいパナソニックのコスモワイドも良いですが、アルミのプレートにすると汚れが目立たず、スッキリした印象になります。
スイッチプレートの仕様であるマルチメディアコンセントとは、各部屋でインターネット、テレビ、電話を利用するためのコンセントです。
コンセントの位置と高さについて
コンセントは通常、床から30㎝をコンセントの中心にして設置します。スイッチは床から1.2M。エアコンのコンセントは、エアコンの下になるように床から1.9Mにしています。
掃除機を使う時、腰痛のある方は、いちいちしゃがみこむのは大変なので、スイッチとコンセントが一体になっているものを使い、床から1.2Mに設置して、しゃがまずに掃除機を使えるようにすることもあります。
普通、コンセントは壁に付けますが、壁の無い場合は床に付けることも可能です。ホットプレートをダイニングテーブルで使う時は、床用コンセントをダイニングテーブルの下に設置すると便利。使わない時は蓋を閉めてフラットになります。
電気図を描いてもらい打合せする
コンセントの位置、スイッチの位置、照明器具の仕様と位置を描いた「電気図」がないと、検討と確認が出来ません。必ず設計者に他の図面と一緒に電気図も描いてもらい、図面を見ながら家族で相談し納得してから見積をしてもらいましょう。
電気図の計画前には、ダイニングテーブルやベット等の置き家具の位置も、ザックリ想定しておかないとコンセントの位置は計画できません。
実は電気図を描いている住宅会社は少ないのが現状。だから使いにくいコンセントやスイッチになるのです。
施主も参加する現場での電気工事打ち合わせ
図面の段階で詳細に打ち合わせをしても、実際の位置や使い勝手は現場で確認する必要があります。私はこれを「現場での電気打ち合わせ」と言っています。
打合せする時期は、室内の壁が想定できるようになるころ。新築時は上棟して屋根材が葺き終って3日後くらい、柱や梁がむき出しの状態で打ち合わせします。リフォームの場合も同じです。床下地のベニアが貼ってあれば、素人でも建物に入れます。
現場で実際にコンセント、スイッチ、照明の位置と使い勝手を確認します。現場打ち合わせに立ち会うのは、施主(できればご夫婦で)、設計者・現場監督、実際に工事をする電気業者の3者です。
必要なコンセント、スイッチ、照明の位置を全て把握するのは難しく、住んでから気付いて後悔したというネット上の声も聞きます。しかし、電気図で充分検討してから、この「現場での電気打ち合わせ」を行うと、ほとんど後悔は無くなると思います。
コンセント、スイッチ廻りの気密部材
新築時は、外壁面の断熱気密工事も行うので、コンセント、スイッチ廻りの気密部材は必須です。隙間風が入ると断熱材は効かなくなってしまいます。気密部材とは、文字通り気密性を高めて隙間風を入れないようにする為の部材です。
リフォームの場合も断熱気密工事を行う場合は、コンセント、スイッチ廻りの気密部材は必須です。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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