木造3階建て美容室併用住宅「TROOP」の外壁下地と室内壁下地の状況
ホントは白い壁なのに現状は真っ黒
木造3階建て美容室併用住宅「TROOP」の現場状況です。外壁仕上げは、ラスモルタルの上に塗装です。写真は、ラス板の上に黒い防水シート(アスファルトフェルト430)を貼り、山形ラスを貼った状態。今日からモルタル下地の施工です。完成すると真っ白な外壁になりますが、現在は、黒い防水シートが貼ってあるため、真っ黒。
週1回、施主と現場で進捗状況確認と打ち合わせを行っています。現状が黒い壁になっているので、白い外観のイメージが湧かないという話になりました。私は設計施工者として、何度も家を造っているので、現状が黒い壁でも、完成した白い外観を想像出来ます。しかし、一般的感覚だと、ボリュームの「色の違い」はイメージの把握に大きく影響します。外観パースや模型でもご覧になっていますが、実物が出来てきて、それが黒い壁だと、完成形の白い外壁が実感できないというのは、とてもよく分かります。
完成すると隠れてしまう下地こそ、ホントは見てほしいところ
室内は、店舗部分の壁下地を施工中。室内の壁は、基礎を隠す為に全ての柱の外側に2本の木材を打ち付けています。これは、「壁をふかす」といいう施工方法。また、壁をふかした上に、防火関係の法律で、厚めの石膏ボードを使っているので、壁の厚さは、普通の家の約2倍の厚さ。存在感のある壁になります。室内を広くつかうためには、できるだけ壁は薄くしたいところですが、後々問題になる施工は出来ませんので、考えた末の落としどころが、この壁下地の施工方法になりました。耐力面材を貼ったり、装飾の下地となる木材を入れたり、壁をふかしたりと壁の厚さに比例して、室内の下地を造る大工作業は、通常の木造住宅の2倍以上の仕事量になっています。完成してしまうと、普通の白い壁ですが、下地造りに普通の住宅には無い手間が掛かっていたので、ブログにしておきたかったわけです。大工工事は、4人の兄弟の大工で施工されています。4人のうち3人が現場で作業を行い、1人が作業場で窓枠とドア枠の加工中です。今回から、窓枠やドア枠の材料を定番だったスプルスから杉にしています。
※壁をふかすというのは、通常、壁を厚くすることと同義
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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