2025-12-01
Q1.0住宅 宇都宮小幡の家(宇都宮市)
高断熱・高気密住宅

Q1.0住宅 小幡の家|年間光熱費の実測データ公開

お客様のご協力により、「Q1.0住宅 小幡の家」の1年間の光熱費収支をまとめた3種類の表を公開します。

今回のデータは、比較的在宅時間が長いご家族の年間光熱費です。

太陽光発電は昼間に発電しますが、表を見ると発電した電気の多くが、昼間の在宅時に自家消費されているため、売電に回る電力量が少ないことがわかります。

この結果、売電価格よりも買電価格のほうが高くなっています。

売電量を増やすには、昼間に発電した電気をできるだけ使わず余らせる必要があります。

しかし、現在は売電単価より買電単価が高いため、自家消費したほうが経済的に有利です。

つまり現在は、太陽光を使って売電するよりも自家消費が得になる状況であり、このお宅は合理的なエネルギー利用ができていると言えます。

蓄電池を導入すれば自家消費がさらに増え、よりお得な電気利用が可能です。

2025年12月1日時点では、宇都宮市では蓄電池補助金(最大20万円)が交付されているため、活用すればさらに経済的メリットがあります。

【電気代の収支】買電(消費電力)と売電(6kW太陽光)の年間比較

・売電は、太陽光6KWの数値です。
・冷暖房は、家全体で、暖房用の床下エアコン1台と、冷房用の壁掛けエアコン1台の合計2台のみ。
・給湯器はお日様エコキュート。
・各グラフの差額は、掛かった買電(消費電力)から、売電 (太陽光)の価格を引いたものです。
・表右下、4,553円が月平均の実質電気代でした。

【電気+ガス】乾太くんのガス料金を加えた年間光熱費―乾太くんのガス代は1日58円

2つ目の表は、上記の表に都市ガス(乾太くん専用)料金を加えたものです。

・洗濯用ガス乾燥機、乾太くん(6キロデラックスタイプ)のガス代は、1日あたり58円くらいでした。

・乾太くんは天候に左右されずに、とても安く洗濯物が乾き、ベランダに干して取り込む手間が無いので、時短になることが分かりました。

【電気+ガス+水道】すべてを含めた1年間の総光熱費

・表右下を見て頂くと、電気・ガス・水道に太陽光売電を加味した総光熱費の月平均は11,883円でした。

まとめ

今回公開した「Q1.0住宅 小幡の家」の年間光熱費データから、太陽光発電の電力は昼間の在宅時に自家消費されていることが分かりました。

現状では、売電単価より買電単価のほうが高いため、自家消費した方が家計にとってメリットが大きいというのが実測値からも明らかです。

このお宅では、エアコンは暖房用1台+冷房用1台の計2台のみ、給湯器はお日様エコキュートというシンプルな設備構成でありながら、全館空調の快適性を維持しつつ、年間の実質的な光熱費は十分に抑えられています。

さらに、乾太くんを導入することで洗濯物乾燥が天候に左右されず、時間や手間の節約にもつながっています。ガス代も1日あたり58円程度と経済的であることが確認できました。

そして、宇都宮市では蓄電池の補助金制度もあるため、将来的に蓄電池を導入すれば、さらに自家消費量を増やすことができ、光熱費の削減効果が高まります。

今回のデータから分かるように、高断熱高気密のQ1.0住宅に太陽光発電を組み合わせることで、一年中室内が快適であり、電気料金の高騰が続く現在においても、合理的で経済的なエネルギー利用が可能になっていると言えます。

今後も、実際のお客様のデータをもとに、より良い住まいの省エネと快適性について考察していきたいと思います。

施工例には、完成写真・この光熱費データ・夏と冬の温湿度実測データも掲載しています。

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吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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