お客様の声

Q1.0住宅 小幡の家

様々な住宅会社を検討する中で、オープン工法である新住協のQ1.0住宅を選び、さらにブログを読んでヨシダクラフトに依頼しました

通常「お客様アンケート」は、事前に施主様へメールで送付し、ご記入いただいた内容を掲載しています。しかし今回は少し違い、設置させて頂いた温湿度計を回収する際にお宅へ伺い、インタビュー形式で直接お話を聞きました。そのため、普段よりも詳しく率直なお声を伺うことができました。

この住宅は2024年9月6日にお引き渡ししましたが、当社から近いこともあり、その後も折に触れて訪問し、住み心地を確認したりアドバイスをさせていただいています。

住宅の仕様については、施主様のご希望で「できるだけ安全で簡単にメンテナンスできること」を重視しました。安全・簡単にメンテナンス出来る住宅設備を選んでいます。また、内外装材は、いつもの当社標準仕様の長く使える建材としています。必要と考えられる手摺は全て造り付けて、日差しの強い夏に活躍する、窓の日射遮蔽材も付けました。要するに、住んでから手間や費用の掛からない家になっています。

新築や大規模リフォームを行うと、完成後に施主様が確認すべきことや行うべきメンテナンスは既存住宅より格段に増えます。住宅設備が電動化され複雑になっているためです。私自身も58歳を迎え初老となり、家のメンテナンスは安全で容易でなければ続けるのが難しいと実感しているため、この考えに強く共感します。高齢になると脚立を使うような高所作業や複雑な設備の管理は避けるべきであり、設計時、安全で簡単にメンテナンスできるような設備を選ぶことが重要です。

また、「個室の近くにトイレがあって良かった」という施主様の感想も印象的でした。一見当たり前のことのようですが、年齢を重ねるとトイレに行く回数が増える為、トイレが近いことは大きな安心につながります。

さらに施主様が選ばれた置き家具は、上質で扱いやすいものばかりです。特に椅子は軽量で移動しやすいタイプを選ばれており、伺うたびにその実用性を感じます。椅子のように座る度に動かす家具は、年齢を重ねるほど軽さが重要になります。豊かな人生経験と新たな情報を取り入れながら、ご自身の暮らしに合ったアイテムを選んでいることが伝わってきます。

また、画家である娘さんの作品が住まいに飾られており、空間に素敵なアクセントを添えている点も印象的でした。

北西から建物を見る
お客様ご夫婦と写真を撮らせて頂きました

家づくりを考えたきっかけを教えてください?

区画整理に伴い、家の建て替えを考えました。

当社で家づくりをする前、家について、どんなことで不安やお悩みがありましたか?不安やお悩みがあったのなら、教えてください。

せっかく家を建てるのだから、何よりも住み心地の良い家にしたいと思い、YouTubeを中心にWebでも情報を集めて勉強しました。

以前の家は店舗併用住宅だったため、どうしても店舗部分を中心にこだわっていました。しかし今回は「終の棲家」となるので、暮らしやすさや快適さを第一に考えるようになりました。

さらに、掃除やメンテナンスを安全かつ簡単にできることにも強くこだわりました。

当社をどうやって知りましたか?

依頼先を検討する中で、新住協に興味を持ちました。そして宇都宮市のQ1.0住宅マスター会員の中から、家から近いヨシダクラフトを知りました。

その時の当社の印象について教えてください?

ウッドショックの時期で、木材や資材が高騰を続けており、住宅の値段が高くなっていると言われたことが印象に残っています。

上空から建物を見る。南隣家が近いので、家の半分以上が日陰となる

他にも似たような住宅会社があったにもかかわらず、何(どの部分)が決め手となって当社と契約されたのですか?

・家からヨシダクラフトが車で5分程度と近いこと

・何かあれば、すぐ来てくれそうなこと。

・区画整理が決まった10年ほど前から家づくりの勉強を始め、高断熱高気密住宅を建てているさまざまなハウスメーカーや地域工務店の展示場、現場見学会に足を運びました。訪れたのは、一条工務店、スウェーデンハウス、土屋ホーム、北洲ハウジング、ファースの家の加盟工務店などです。

その頃から特に重視していたのは「湿度管理をどのように行っているか」という点でした。各社の話を聞く中で、大規模な設備や複雑な仕組みによって温湿度管理を行う方法には違和感を覚えました。

また、ハウスメーカーの「型式認定住宅」や工務店グループが展開する「独自工法住宅」といった、いわゆるクローズド工法の高断熱住宅にも不安を感じました。というのも、会社やグループそのものがなくなった場合や、社長に後継ぎがいない場合、あるいは代替わりで方針が変わってしまった場合には、新築した住宅会社にリフォームを依頼できなくなり、新たにリフォームやメンテナンスの依頼先を見つけるのが難しくなると思ったからです。

その点、どの住宅会社でも建築可能なオープン工法である、新住協が推進する木造在来構法のQ1.0住宅は、工法として普遍性があり安心できると感じました。情報がオープン化されており、建てた会社がなくなったとしても、他の会社が引き継ぎやすいという点も魅力でした。さらに、地域の新住協会員の中でヨシダクラフトのブログを読み共感できたことも、依頼する決め手になりました。

最終的に、構法としては汎用性の高い木造在来構法を選びました。そして付加断熱によって高断熱高気密化を図り、温湿度管理は普通のエアコンと日射遮蔽材で行う。このシンプルで普遍的な方法こそが、自分の考えに合っていると感じ、ヨシダクラフトを選びました。

※オープン工法=縛りがなく、どんな住宅会社でも少額の会費を払って勉強会に参加したり、もしくはマニュアル本を買って勉強すれば建てられる(かもしれない)普遍的な工法。設計施工情報と材料情報が、会合や本でオープン化されており、新築した住宅会社や工務店グループが無くなっても、他の会社が引き継ぎやすい

※クローズド工法=ハウスメーカーや加盟工務店グループの専用の工法。独自の設計施工基準・独自材料を使い、情報を外部に漏らさないようにして建てるので、設計施工情報や材料情報が表に出てこない。そのため、新築した住宅会社や工務店グループが無くなると、情報と材料が入手しずらくなるので、リフォームの時、他の会社は引き継ぎにくい

2階ダイニングスペースからリビング方向を見る

設計中の打ち合わせで印象に残っていること。参考になったことなどあったら教えてください?

・設計に入る前に、既存住宅に来てもらい、これまでの生活の様子を実際に見てもらった上で、詳細な聞き取りを行っていただきました。その結果、これまでの生活で良かった部分を新しい設計にも反映させることができました。

・また、1階で生活が完結する間取りや、2階にリビングを設け、そのリビングを来客時の寝室として使うといった要望が明確だったこともあり、初回のプラン提示の時点でほぼ間取りが確定したことが、特に印象に残っています。

家づくりでこだわった点、ゆずれなかった点は?

・快適な室内環境、メンテナンスしやすい設備、自然素材と造作建具・造作家具の内装、ガルバリウム鋼板の外壁材と屋根材など。

・家造りは、とてもスムーズにいったと思います。

施工中、印象に残っていることなどありますか?私や職人の対応、現場の様子など、何でも結構です。

・建築中は、ヨシダクラフトから毎週土曜日に現場を訪れる時間が設けられていました。毎週、進捗状況について説明を受けながら現場を確認できたことは、安心に繋がりとても良かったと思います。その場で説明を聞き、必要に応じて変更ができたこともありました。たとえば、電気配線前にスイッチやコンセントの位置について打合せを行い、位置を少し動かしたり、数を増やしたり、1階個室にエアコンを追加したりしました。

・ヨシダクラフトのお客さんは、どなたも住まいに強いこだわりを持っているので、毎週現場を見たいと思います。そのため、毎週の現場確認の仕組みは、今後も続けていった方が良いと感じました。

・また、工事は大工さんがほぼ1人で担当していたのですが、もし2人で作業していれば、もっと効率的に、工期も短くできたのではないかと思います。

東側から建物を見る

夏の温熱環境について。実際に住んでみた、夏の暮らしについて。快適だったこと、不快であったこと、こうすればよかったことがあれば教えてください。

快適です。

全ての部屋が26℃±1℃くらいになっています。我が家に来た人も、とても快適だとおっしゃいます。

現在は、住みながら日射遮蔽の方法やエアコンの温度等を色々試して、より快適に過ごせる方法を模索しています。

例えば、全ての窓を終日、日射遮蔽してしまうと、2階の冷房用エアコンが止まってしまいます。なので、朝のうちは東側2階の窓のみ外付電動ブラインドを一定時間空けて日射取得しています。あえてそうすることで、少しだけ室温を上げてエアコを動かして、湿度を下げる工夫を行っています。

2024年9月6日に引き渡しを受けましたが、今年2025年は、去年よりもエアコンや日射遮蔽材の操作を、色々と試して快適になっていると思います。

冷房用エアコンは2台設置しています。

家全体を冷房する2階の壁掛けエアコン(10畳用)は24℃設定で24時間運転。個室の冷房用エアコン(6畳用)は、24℃設定で寝る前の2時間のみタイマー運転しています。

エアコンを付けた個室については、冷気が降りてくる吹抜けから一番遠いため、個室を冷房しないと、他の部屋より約1℃室温が高くなっています。1℃くらいの差ですが、暑く感じます。そのため、猛暑日の昼間、個室に居る時には、エアコンを付けることもあります。

室内の空気をより動かすために、1階床下のブースターファンは、夏は24時間微弱で付けています。

床下温度も26℃くらいと安定しているため、ブースターファンを廻して、床下空気を床上に動かしているほうが、家全体の室温は均一になりやすいです。また、1階個室と2階作業室のパイプファン、1.2階の廊下に付けた送風ファン、吹抜け天井のシーリングファンも廻して、室内の空気を動かしています。

※お客様は、1.2階の合計4か所に温湿度計「みはりん坊ダブル」を設置して、温湿度管理をしています。

※ブースターファンとは、床下の空気を室内に上げる送風ファンです。ブースターファンについては、こちらのブログをご覧ください。

※夏の温湿度は、2025年夏に実測しました。グラフが出来たら、ブログを書いて添付致します。

冬の温熱環境について。実際に住んでみた、冬の暮らしについて。快適だったこと、不快であったこと、こうすればよかったことがあれば教えてください。

冬も快適です。

冬は、窓からの日射熱取得と床下エアコン1台のみで暖房しています。

床下エアコン設定温度は22℃。床下エアコン稼働時間は、17時〜翌朝6時の約13時間稼働。晴れの日は、暖房せずに日射熱のみで過ごすこともあります。

南隣家が近く、南面の半分が日陰になりますが、床下エアコンから遠い各個室の床にブースターファンを付けたことで、床下の暖気を移動でき、各個室もほぼ変わらない室温になっています。ブースターファンは冬は弱で設定していますが、ファンの音も気になりません。

布団は、夏は薄い肌掛け布団1枚のみ、冬は薄手の羽毛布団1枚のみなので、夏も冬も布団が軽く快適で、交換も楽で良いです。

冬は夏よりも、温湿度管理が簡単です。

※冬の温湿度はこちらのブログをご覧ください。Q1.0住宅 小幡の家、冬の温湿度 実測結果【総二階でなく、かつ建物の半分以上が日陰になる環境で、室温を均一に近づけた高断熱住宅】

1階ダイニング
2階リビングを見る

温熱環境以外の間取り、内外装の仕上げ材、収納などについて、率直な感想をお聞かせください。

・間取りも、とても満足しています。特に個室のすぐ前にトイレがあるのは、とても良いと思いました。以前の家は、個室からトイレまでが遠かったからです。

・内装は自然素材と造作建具・造作家具が希望でしたが、それらが標準仕様だったので安心していました。自然素材の産地まではこだわりませんでした。ガルバリウム鋼板外壁材も、以前の住宅の一部分で使用しており、長く使えることは知っていました。

※フローリングと天井羽目板は、八溝の杉板です。

メンテナンスについて。安全な姿勢で簡単に掃除できるからと、マーベックス社の換気システムを選ばれました。他に掃除とメンテナンスについて、気を付けたことはありますか?

・マーベックス社の換気システム澄家は、他社の換気システムと比較して、給排気口と本体が天井や壁の上部でなく、床面に付いています。脚立を使わないので、安全な姿勢で簡単に掃除出来ます。また、本体のフィルターも外で、下向き姿勢で安全に掃除出来ます。外部でフィルター掃除できるので、ゴミや虫の死骸なども室内に散らかりません。

・脱衣室に付けた洗濯流しは、以前の家で付けていて、便利なので再度付けました。花瓶・犬のマットなど、大きく長いものを洗えます。

・キッチンの自動洗浄できる「洗エールレンジフード」も、簡単に掃除出来て付けて良かったです。

・水廻りの汚れやすい壁は、広い面積をマグネット式キッチンパネルとして、掃除のしやすさと、収納性をワンランクアップさせたこと。キッチン・リビング・洗濯流し廻り・洗面台廻りに貼りました。

※メンテナンスとは、住み続けるために行う日常的、定期的な、お手入れ・掃除・点検のこと。

家の中でお気に入りの場所、ちょっと自慢したくなるところは?

・とても使いやすい家になりました。

・家と置き家具の関係ですが、設計前に、ダイニングテーブル・ベッド・2階のソファーベットなど、ほぼ全ての置き家具の配置を決めて、図面に描いてもらいました。置き家具も決めておいたので、室内がとても使いやすいです。

なるべく天井に照明を付けないことで陰影が出来て、かつすっきりした印象になった

実際に暮らしてみて、こうしておけば良かったと思う所がございましたら教えてください?

・1階の掃き出し窓のシャッターを、電動シャッターにしておけば良かったと思います。その理由は、現在の手動シャッターには、閉める場合に使う紐が付いてはいるものの、紐を付け足しても妻の手が届きにくく、シャッターを上げ下げしずらいからです。

・キッチンの背面、造作開き戸のパントリー的収納の内部に、照明が付いていたら良かったと思いました。収納奥行きが60㎝あるので収納量は充分なのですが、奥行きがあるためか、夜は中が見えにくいです。頻繁に使う収納だということもあると思います。

・2階作業室のコンセントについて。コンセントの位置は良いのですが、全て2個口のコンセントであったため、3個口のコンセントのほうが良かったと思いました。

・引越しの時、家具の搬入に手間取ったので、大きさや搬入経路を考えていた方が良いと思います。家具を2階に上げるのに吹抜けが役立ちました。

軽い椅子のため、手前の2脚はテーブルに引っかけてあり空中に浮いている。椅子下の掃除がしやすい。そのような仕様の椅子。絵画上の長細い機械は送風ファン。

これから家づくりをする方に、一言アドバイスをお願いします。

長く暮らす上で、施主が行うべきメンテナンスは、安全で簡単に出来ることが大切です。また、困った時に来てくれる、近くの住宅会社に依頼するのが良いと思います。

ヨシダクラフトより

このページに掲載した上空からの写真を見ると分かりますが、家の半分以上が南隣家の日影となり、日射取得がしずらい状況です。かつ総二階では無い下屋のある住宅であり、吹き抜け位置も建物の中央ではありません。要するに、暖気と冷気を建物の隅々まで行きわたらせにくく、室温を均一にしずらい住宅でした。

しかし、いつもの付加断熱仕様で高断熱化したことと、様々な設計の工夫と暮らし方の工夫により、ほとんど温度差の無い家になりました。上記したようにお客様から「夏も冬も快適です」と言って頂いて、良かったです。

住まい手が造り手を選ぶ上で、「当たり前ではあるけれど、見落としがちな大切なこと」を書きます。

住宅の重要な特徴は、地面にしっかりと密着して動かせないことです。家は宅急便の荷物のように運ぶことはできません。そのため、敷地から近い住宅会社に依頼するのが自然です。逆に、遠方の会社に依頼した場合、長い目で見ると後悔している住まい手が少なくないと感じます。

例えば「完成から15年後にリフォームを依頼したところ、遠いため、後回しにされているように感じる」「少額のリフォーム工事なので来てくれないのかも・・・」とか、「新築後に代替わりがあり、遠方の現場は行かないと言われてしまった」といった話を聞いたことがあります。また、「遠方の有名住宅建築家に依頼して、紹介を受けた遠方の工務店で新築したが、設計担当者が辞めてしまい疎遠になり、かつ工務店とのつながりも切れ、リフォームの際に信頼できる新たな工務店が見つけられない」といったケースも珍しくありません。

新築時に、現場まで高速を使って、片道1時間以上掛かって完成させた家をリフォームするような場合。交通費やガソリン代の経費や、近いと発生しない通勤時間の労務費は、新築と同じように掛かるので、リフォームの請負金額の結構な割合を締めます。真面目な造り手の場合、このような経費を正規に見積すると請負金額も上がるので、リフォームは請けにくいと感じているのかもしれません。

家が宅急便で運べるのであれば、遠方の優秀な造り手に、宅急便で送って依頼するのが良いのかもしれませんが、家は移動ができません。

これからは少子高齢化がさらに進み、職人も高齢化して少なくなります。そうなると、毎日早朝から遠方の現場に通うよりも、できれば近くの現場で働きたいと考えるのが自然でしょう。反対に、現場までの距離が近ければ、造り手側にとっては隙間時間に伺いやすく、結果として住まい手にもメリットとなります。

上のインタビューにも出てくるように、近くの造り手に依頼し、地産地消的に家づくりを進めることは、やはり自然な流れだと感じました。

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