2019-08-03
住宅設計
高断熱・高気密住宅

小さな高断熱住宅の、木製断熱玄関ドアと玄関収納の施工例10選

SI-houseの玄関廻り。性能とデザインを両立させた。

SI-houseの玄関廻り。性能とデザインを両立させた。

小さな家を計画する場合、玄関は1坪(2畳)もしくはそれ以下の広さになることが多い。

 

玄関も広く出来ないので、採光の取れる窓を付けて、かつ大きな玄関収納(靴入れにコート掛けや傘掛けが付設されたもの)を造り付けるのは不可能だ。

 

当社では、玄関収納をできるだけ充実させるため、玄関に窓を付けられないことも多いです。

 

その理由は、小さな家では適切な箇所に必要な容量の、使いやすい造り付け収納を設けることが、暮らしやすさに繋がるから。

 

玄関にモノが出ていると、室内が片付いているようには感じないし、使い勝手も悪いので、窓よりも玄関収納を優先させる。

 

だから玄関の採光は、ガラス窓付の木製断熱玄関ドアにして、玄関ドア本体から確保することがほとんどです。

 

こうすることで、使いやすい玄関収納の質と量を、採光と共に確保できる。

 

玄関内部も含めて、室内は明るすぎないほうが落ち着きが出るから、採光は必要最低限あれば良い。明るすぎる室内は家具や備品の陰影が出ず、ただ明るいだけなので、安っぽく感じてしまうのだ。このことを知っている人は少ない。

 

また玄関までのアプローチ及び玄関ドアは、「その家の顔となり、訪問者が最初に触れる場所」でもある。最低限、玄関アプローチも私が計画して、植栽と建物を一体化させたい。

 

玄関ドアは木製高断熱ドアとして、断熱性能とデザインを両立させるようにしています。アルミの玄関ドアはもちろん、のっぺりしたデザインの悪い木製断熱玄関ドアも採用しません。

 

今日のブログでは、今まで造った住宅の、玄関までのアプローチ及び玄関ドアと玄関収納、及び玄関の採光について、施工例ごとに写真を貼ってコメントします。

 

高断熱高気密にこだわるだけでは、使いやすく、普遍性のあるデザインの住宅はできませんよ。

 

1.M-houseの玄関収納は、家族5人の靴とコートが納まる設計

北欧家具の好きな奥様を意識した玄関廻りの質感と配色。玄関ドアはスウェーデン製。内外観の色は、なるべく少なくするのが基本。施主の持ち込む家具や備品の色が入るからだ。

Yチェア等の北欧の椅子と合わせても違和感の無いインテリアとした。

玄関収納は下駄箱とコート掛け。家族全員の靴が納まる。収納扉に姿見を設置することも多い。

 

M-house

 

2.SI-houseの玄関扉収納扉は、革靴のカビを防止できる丸穴仕様

革靴がカビやすいという奥様の要望で、初めて下駄箱の扉に丸穴を開けた。これをみたSHさんも採用を決定。標準仕様となった。

扉の内側には傘掛けを付けて、玄関にモノを置かないのがヨシダクラフト流。

 

SI-house

3.MI-houseの玄関ドアは現場塗装でフェラーリレッドに

元々は、白い木製断熱玄関ドアだったが、施主の希望でフェラーリレッドに塗装した。平滑な面には塗装が載らないため、表面に傷を付けて赤を載せた。庭はDIY。

玄関収納は、扉に姿見を付け、コート掛けのスペースを重視した。こんなことが出来るのも、造り付け家具ならでは。天井からロードバイクを吊っている。

 

MI-house

https://yoshidacraft.net/works/mi-house/

4.H-houseリフォームの内装は施主の好きなSHOZO cafeの雰囲気

H-houseも白い木製断熱玄関ドアに、施主指定のブルーの塗装を施したオリジナル。

玄関収納は、施主の希望であえて造っていない。Hさんの好きなSHOZO cafeの雰囲気。

 

H-houseリフォーム

 

5.YM-houseの玄関ドアは外壁材のレッドシダーと同じ材料で造った造作玄関ドア

玄関ドアと外壁を同じ板貼りとして、一体化した。玄関ポーチは植栽が施されている。

玄関をみる。玄関ドアは外壁と同じ米杉(レッドシダー)。香りも良く違和感がない。

地域の建具屋さんが造る造作玄関ドアは、断熱性能と気密性能は、既製品の木製断熱玄関ドアと比べると劣ります。

 

YM-house

 

6.Y-houseの玄関ドアはヒバの造作玄関ドア

2階リビングからオートロックで開閉ができるように、造作玄関ドアを造った。

玄関ドアと、そで壁を一体化してオリジナルポストを付けた。LDKが2階のため、この造作玄関ドアは2階から開閉できるオートロック機能付き。床タイルも個性的。

玄関ドアの上に注目。採光をLDKの床から落としている。

LDKの履き出し窓近くの床に強化ガラスを設置して、階下の玄関に採光した。

玄関内部の壁は、人を導くようにラウンドさせた。玄関収納も大容量

 

Y-house

 

7.SG-houseの玄関は、階段下を利用

小さな26坪の家だが、家族4人の靴と傘をできるだけ納められるように設計した。

玄関収納扉の内部には傘掛け金物を設置、片付く玄関を実現している。

SG-house

 

8.A-houseの玄関はポスト一体型で大容量

家族4人の靴が納まるように計画した。

外壁にに付けたポスト口は、玄関収納と一体化している。

玄関収納扉を開くと、郵便物が取れる。

パッキンを付けて気密性も確保。隙間風が入らないようにした。

玄関収納脇には、スリッパを収納できる姿見も造りつけた。

 

A-House

9.O-houseの玄関も収納優先

 

玄関内部が狭いので、雨が降っている時でも、玄関外に大人が2人立って濡れない大きさの庇を造った。

予算の関係もあったが、玄関ドアにテラスドアを使った事例。

玄関内の土間に大人2人が立つのは難しい、小さな玄関。ドア上のロールスクリーンで日射遮蔽。

窓を無くして、玄関収納を優先し、片付く室内を実現させた。天井のラワンべニアは、玄関→廊下→階段→2階LDKと繋がり、室内の統一感を演出。ラワンべニアは、通常下地材として使うものだが、オイル塗装すると悪くない。

 

O-house

 

10.TROOP

いつものようにシンプルな玄関。

美容室併用3階建て住宅のTROOP。

 

広くない玄関だが、出来る限り収納を多く確保することを心掛けた。

 

TROOP

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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