2019-08-02
SH-house(宇都宮市)
自然素材

製材工場を見学、幅180mm×厚さ30mmの鹿沼産杉フローリングを使うことに決定!

昨日8/1(木)は午前中現場で大工とお盆休み前後の工程と、それに伴う現場への建材の搬入日程を打合せた。

 

その後、施主のSHさんご夫妻と那須塩原市の製材工場に、現場で使う杉フローリングを見に行ってきました。

 

以前のブログにも書きましたが、栃木県は全国1~2位を争う日本トップレベルの杉の産地です。柱や梁の構造材はもちろん、杉フローリングも素晴らしいものを造っている製材所があります。

 

だから、栃木県で家を建てる人は、杉フローリングを使わないと勿体とも言えます。

 

栃木県産の杉フローリングの品質が高い理由!他県のフローリングと、何処がどう違うのか?

 

栃木で家を建てる場合、室内を素足で歩きたい方は、杉フローリングが最右翼の1つとなる。

 

製材工場の専務に、広大な工場内を案内頂き、全国屈指の杉材のレクチャーをしてもらい有意義な1日になりました。

 

昨日を振り返ります。

 

SH-houseは、杉の板庇を採用

2階の充填断熱

現在、現場は雨が降っていない場合は外部作業、雨の場合は室内での作業となり、壁の充填断熱が、ほぼ完了した段階です。

 

この後、気密シートを貼っていきます。

腰窓の上には、杉板の「板庇」を付ける。完成すると窓下から木目が見える。水勾配が付いているのが分かる。

外部の窓上には、杉材の「板庇」を付けます。幅910mm×庇出180mm。日射のコントロールと、外観に陰翳が付くので雰囲気が良くなります。

 

板庇は、ガルバリウム鋼板で覆われますが、下から見ると杉板が見えるので「素朴で日本的な雰囲気もする外観となります」

 

栃木の杉材が日本屈指な理由の1つは、60~70年前に、山の手入れを欠かさず行っていたから

まずは製材所の専務から、杉材についてレクチャーを受けた。手元にあるのが採用が決まった幅180mm×厚さ30mmの杉フローリング。

 

11時半くらいに出発し、東北自動車道を北上して13時過ぎに那須塩原市の製材工場に到着。

 

日本でも10指に入る規模の、広大な工場内を見学してきました。

 

まずは、事務所内で日本国内の各産地の杉材についてのレクチャー。

 

栃木の杉材が日本屈指な理由の1つが、「60~70年前に、山の手入れを欠かさず行っていたから」とのこと。

 

手入れとは、山の地面に太陽光が入るように、不要な枝を省いたりすることである。

 

それを欠かさずに行ってきたことが、栃木の杉材が良質な最大の理由。

 

その他の地域は、戦争?その他の何らかの理由で、手入れが出来ていなかったそうだ。

 

「栃木県より南の暖かい地域は、木の生育が良く、太く大きな丸太が早く取れるが、成長が早いため木の断面が密実になりにくく、当然フローリングの断面も密実になりにくい。栃木県は適度に寒く、杉の発育にはベストバランス。」

 

「逆に、栃木県より北の雪の多い地域は、雪の重みで木が真っすぐに育ちにくい。したがって、長尺で目の良い木材が育ちにくい。また雪の重さで枝が折れやすいので、折れた部分から、幹に水がさすことにより発生する腐れがあったりするが、雪の少ない栃木県はそれが少ない。」

 

「要するに、栃木県は、杉が育つ上でベストバランスな気候である」とのこと。

 

「栃木 杉フローリング」でネット検索し、他地域の杉フローリングと画像検索して比べてみると、節の無さが際立っていることが分かる。また、栃木のフローリングは断面も非常に密実である。

 

施主のSHさんに、自宅で使う杉フローリングが出来るまでを見て頂く

最初は丸太の説明。良い丸太は年輪が細かく、円形に近いもの。

杉材のレクチャーの後は、製材工場内を40~50分ほどかけて案内してもらった。

 

不揃いな丸太の断面が美しいと感じるのは、なぜだろう?

私もこの製材工場に来たのは初めて。自分が使っている杉のフローリングが出来る工程が見られて、強くおススメできるようになった。

 

施主のSHさんご夫妻にも、自宅で使う杉フローリングが出来るまでを見て頂けた。

 

皮を剥いた丸太が全自動で製材される。

その後、乾燥窯へ入れて木材を乾燥させる。乾燥窯の数も凄い。

乾燥の後で構造材やフローリング等の造作材に製材します。超仕上げが凄いのは、刃の交換を頻繁に行っているから。

普段見ることが出来ない製材工場内の隅々まで見せて頂けて、私もSHさんご夫妻も興味深々。

製材工場内はゴミを出さないエコシステムが出来ていた

その乾燥窯の熱源は、油を買って燃やすのでなく、製材工程で出た木の皮を燃やして熱源としていた。

製材工程をザックリ話すと、丸太で仕入れて→皮剥き→構造材と造作材それぞれに製材し→構造材は基本的に高温乾燥し、仕上げ材は低温乾燥して→もう一度仕上げて→完成。

製材工程で出たチップは製紙工場に売り、おがくずは養豚業者へ売る。無駄がない。

ゴミとなって捨てられるのかと思われた、木の皮は、燃やされて「木材を乾燥させる窯の燃料」となり、製材される時のチップは製紙工場に売られて、おがくずは養豚業者に売れるので、ゴミとなるものがほとんど出ないとのこと。

 

丸太1本の半分が製材されて建築材料となり、半分がチップやおがくずになるそうだ。歩留まりは50%とあまり良いとは思えないが、全てを使い切っており、木材の品質はとても高い。

 

唯一、東日本大震災以降に大きく変わったのが、木の皮を燃やした灰は、震災前までは肥料として農家に売ってお金になっていたが、震災以降、放射能の影響がある「木の皮の灰」は、お金を払って産廃に出しているそうである。東電からは、全く補償もないとのこと。

 

そんな話をしながら40~50分ほどかけて、暑い工場内を、熱く案内してもらった。

 

幅180mm×厚さ30mmの杉フローリングに変更し、鹿沼産を指定

右が今回使う180幅。左が今まで使っていた150幅。

工場内を案内して頂いた後、再び事務所にもどり冷たいコーヒーを出してもらい、今見た製材工場内に「エコシステム」が出来ていることに驚いたと感想を話した。

 

その時に、さっきから気になっていた、存在感抜群の、幅180mm×厚さ30mmの杉フローリングを使いたくなってしまい、恐る恐る値段を聞いてみた。

 

この幅で、この品質の杉フローリングを見たのは初めてだったのだ。

 

その答えは、「見積していた幅150mm×厚さ30mmの杉フローリングと同じ値段である」ということで、すかさず使いたい旨をSHさんご夫妻に告げた。

 

ご夫妻にも賛成してもらい、幅180mm×厚さ30mmの杉フローリングを初めて使うことになりました。

 

幅の広いフローリングを使うと、床のフローリングの継ぎ目が少なくなるので、小さな家でも、より広がりを感じる。

 

私が考える「小さな家で大きく暮らす」には幅広いフローリングを使うという項目があり、これに合致しています。

 

よかったら下のリンクをご覧ください。

https://yoshidacraft.net/made-to-order-home/small-house/

 

高断熱高気密で家の温熱性能が良いことはもちろん、フローリングの面積は広く、直接肌が触れる部分なので、「仕上げ材の見た目と肌触り」も温熱性能と同じように大切だと考えます。

 

フローリングの産地指定が、細かくできることも、この製材所の特徴

栃木の杉材の中でも、鹿沼地域の杉材が特に良いとのことで、鹿沼産を産地指定しました。

 

日光杉や八溝杉よりも鹿沼の杉材は、平均点が高いらしいです。

 

フローリングの塗装は、浸透性のオイル1択としています。

 

木の呼吸を妨げてしまう、塗膜を作るUV塗装(ウレタン塗装)は、初期クレームは少ないのですが、20~25年経過した時のリフォーム時に塗膜を撤去するのに大変なので、使わないようにしています。

 

奈良美智さんの美術館 N's YARD

製材工場見学の後は、栃木県那須を拠点に活動している現代美術作家の奈良美智(ならよしとも)さんが建てた美術館「N’s YARD」を見てきました。

 

こじんまりとした美術館で、奈良さんの作品や好きなモノが展示されていました。

 

家でビール飲む時に使うと結露せず冷たさが持続して最高です。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

この記事をシェアする
コメント

コメントを残す
お名前