木製断熱玄関ドアの養生方法を連続写真でご紹介します
SH-houseにガラス窓付の木製断熱玄関ドアが入りました。
当社では、小さな家を建てる場合が多く、かつ玄関収納(下駄箱にコート掛けや傘掛けが付いたもの)をできるだけ充実した設計をするため、玄関に窓を付けられないことも多いです。
そのため玄関の採光は、ガラス窓付の木製断熱玄関ドアにして、玄関ドア本体から確保することがほとんどです。
今回は断熱性能(熱貫流率U値=1.0w/㎡K)のチーク材のスウェーデンの木製断熱玄関ドアを採用しました。数値が低いほうが断熱性能は高いです。ガラスはトリプルガラスで鍵はダブルロック。
玄関ドアは、「その家の顔となり、訪問者が最初に触れる場所」でもあるので木製として、機能とデザインを両させるようにしています。アルミの玄関ドアはもちろん、のっぺりしたデザインの悪い木製断熱玄関ドアも採用しません。
毎回、木製断熱玄関ドアを採用しますが、取付後すぐに必ず行う儀式があります。
それが木製断熱玄関ドアの「養生」です。
住宅建築業界で使う「養生」の意味は何なのか?
住宅建築業界で使う「養生」の意味は、「施工した建材の傷や破損防止の手当て」のこと。
北欧から輸入される木製断熱玄関ドアは、現場で養生する必要あり
日本製のアルミの玄関ドアは、搬入時からドア本体は養生されているので、玄関ドア本体を養生する必要はありません。
しかし、北欧や東欧から輸入される玄関ドアは、養生がされていないため、傷を付けないために取り付けた後に、すみやかに誰かが養生する必要があります。
当社では大工が取り付けた後に、私が動作確認をした後で養生しています。
今日のブログは、木製断熱玄関ドアの養生の方法を連続写真とコメントでご紹介します。
ちなみに、造作木製玄関ドアを何度か造ったことがありますが、断熱性能と気密性能で北欧の玄関ドアに全く勝てません。
北欧の玄関ドアは、メーカーが違っても、枠外寸法が同じものがあるので、玄関ドア廻りの壁を壊さずに玄関ドアを交換することが可能です。
既存の北欧の木製断熱玄関ドアから、他メーカーの北欧の木製断熱玄関ドアに交換したブログはこちらをご覧ください。
玄関ドアリフォーム 外壁を壊さず玄関ドアを枠ごと交換する 栃木県宇都宮市
SH-houseの木製断熱玄関ドアの養生の方法を連続写真とコメントでご紹介
養生する以前に、出来れば「ドアクローザー」を取付けておくほうが良いです。
ドアクローザーを付けると、ドアを開けた時にドアが壁に当たる可能性が少なく、ドアを所定の位置で開けておくことが可能になるので作業性も良いからです。
1.まず、玄関ドア(枠部分ではなく動くドア部分)の外側に沿って、表と裏の両面、幅50mmのピンクの養生テープを貼ります。
またその時に、鍵穴廻り・ハンドル廻り・ドアクローザー廻りにもピンクの養生テープを広めに貼っておきます。これがコツです。
ピンクの養生テープは、接着力が弱めなのでこれを使います。グリーンの養生テープは接着力が強めなので、基本的に木部には使いません。
2.次に玄関ドアが梱包されてきた段ボールをカットします。玄関ドアが梱包されてきた段ボールは捨てずに取っておき利用します。
ドアの寸法W×Hを測って、その寸法から6㎝程度(左右と上下3㎝ずつ)小さく、カッターかハサミで段ボールをカットします。
段ボールをドアの表と裏の2枚分作ります。それから2枚の段ボールの、鍵穴廻り・ハンドル廻り・ドアクローザー廻りを少し大きめに切り抜いておきます。
3.次は、段ボールを玄関ドアに貼る作業になります。
ピンクの養生テープの上に、段ボールを、今度は「布ガムテープ」で貼って完成です。
4.ハンドルも付属されている「プチプチ」で養生します。
木製玄関ドアの段ボール養生作業は、1~1.5時間程度かかります。
ドア枠には、見切り木材を施工するので、私は養生しません。
玄関ドアの下枠養生
5.玄関ドアの下枠は、登られやすいので、最初にピンクの養生テープを貼って、「のるな!」とマジックで書いておきます。
下枠には「木製のパッキン」を設置して、玄関ドアが下がらないようにしますが、できたら玄関ドアの下枠にはモルタルを詰めてしまったほうが良いとと思います。
小さな家の玄関ドアは収納を優先して、採光は玄関ドア本体から取る
こちらが引き渡し済のSI-houseの玄関。玄関ドア本体にガラスがある。小さな家の場合は、玄関収納の容量を優先すると、玄関に窓を設置できないことが多くなります。その場合は、玄関ドア本体にガラスを設置しているモノを選んで採光をとります。
下駄箱内に、傘掛けやコート掛けを造って、玄関に何も置かないでスッキリ生活するのがヨシダクラフト流。廊下や階段の手摺も既製品を使わず質感を統一する。照明もなるべく天井には付けない。
こちらもご覧ください。私がオールアバウトの専門家をしていた時に書いた、小さな家の玄関ドア選びを収納と採光から考えた記事です。
断熱性能については、当時からするとかなり向上しましたが、玄関の収納と採光の基本的な考え方は変わっていません。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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