2019-07-31
Q1.0住宅宇都宮の家 SH-house(宇都宮市)
高断熱・高気密住宅

Q1.0住宅(付加断熱)の外壁材に、木材や建材を取り付ける場合の下地の造り方

縦に入れた下地材が「縦樋のデンデン下地」、横方向が「掃除道具を取り付けるための下地でステンレスアングルを取り付けた」

宇都宮市でQ1.0住宅を造る場合、壁の断熱仕様は、ほぼ間違いなく付加断熱となる。

 

付加断熱の場合、「外壁仕上げの下地の造り方」も、普通の充填断熱の家とは違う。

 

今日のブログは、付加断熱の外壁材に、木材や建材を取り付ける場合の下地の造り方について書きます。

 

付加断熱と充填断熱の外壁に、木材や建材を取り付ける場合の下地の造り方の違い

物干し金物用の下地木材を設置した。

付加断熱でない、普通の充填断熱の住宅なら、外壁材の直ぐ下は、15もしくは18mmの通気胴縁でその下は柱になるので、外壁材から柱までが近く、外壁材から柱に直接ビスが打てる。

 

例えば「物干し金物」を壁付けする場合、普通の充填断熱の家であれば、履き出し窓の脇に付ければ、柱があるのですぐビスが効く。

 

しかし付加断熱の場合は、柱の外側に断熱材を入れるために、105mmもしくは120mm付加間柱でふかしてあり、外壁材の直ぐ下には柱が無いため、付加間柱部分にビスの効く下地木材を入れておく必要がある。

 

縦樋のデンデンとはこれです。雨樋は塩ビでなくガルバリウム鋼板が耐久性が高いので採用している。

また、縦樋のデンデンを取り付ける下地も、付加断熱の場合は、柱がかなり奥に設置されることになるので、付加間柱と一緒に下地を造っておく必要がある。

 

Q1.0住宅(付加断熱の家)は、外壁下地の造り方も普通の家とは違うのだ。

 

外壁材の外側に木材を設置する場合は、ステンレスアングル金物を使う

さらにSH-houseでは、外壁材を仕上げた後に、腐りにくい木材である「アイアンウッド」を取付けて、①自転車当て防止板②掃除道具取付板③ガス給湯器取付板④外付ロールスクリーン取付板とする。

 

このアングルを外壁下地に20個取付けました。取付たのは大工ですが、位置出しするのも大変でした。

そのため、タイベックの上に、写真のように、あらかじめステンレスヘアラインのアングル金物を取り付けた。

 

外壁の外側に木材を設置する場合は、どのような外壁材であれ、このようにステンレスのアングル金物を取付けて、外壁材と木材に隙間を空けたほうが、「雨水の水切れ」が良く、乾燥しやすい。隙間を空けると、外壁材と木材が傷みにくくなるばかりか、木材の下を確認できて、漏水もしずらくなると考えるため、このようにステンレスのアングルを取り付けている。

 

120×120のステンレスアングル。大阪の町工場で造っている。

ステンレスアングルはこのような梱包で到着した。

外壁材の外側に木材を設置する場合の、木材の種類

アイアンウッドってコレ。デッキ材に使われる硬いハードウッドです。

 

外壁材の外側に木材を設置する場合、雨が掛かりやすい所は、雨水に強いアイアンウッド(イペ)等のハードウッドが良いと考える。SH-houseでは、外壁材外側に付ける木材とウッドデッキはアイアンウッドを使用する。

もちろん、この金物の下地も付加間柱と一緒に木材を入れてある。写真は当社施工例 M-house

 

自転車当て防止板は、この木造住宅の実用納まり図鑑を参考にした。安全性の高い、下地や仕上げの納まりが掲載されている教科書として使っている。施主のSHさんも、この田中さんの本を持っており、共通認識を得ることが出来た。

この2冊は教科書である。

 

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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