SI-house(宇都宮市), 高断熱高気密省エネ住宅.

栃木県宇都宮市に建てた、Q1.0住宅の2017年の年間光熱費と、冬と夏の室温の計測結果をを公開します。

 

この住宅は、延床面積37坪のオール電化住宅です。

 

冬の4か月間は、24時間床下エアコンを連続運転し、夏は7月くらいから8月くらいまで、吹き抜け2階エアコンを24時間連続運転した結果の光熱費。

 

温度は、室内5か所と外1か所を計測しました。

 

次に、この家の断熱性能と温熱設計のポイントを書きました。

 

最後に、東日本大震災以降、電気料金は25パーセント上がっており、新築時に断熱材を分厚くてして断熱性能を上げておくことは、断熱材は機械のように壊れずメンテ費用も掛からないため、お得だということを書きました。

 

Q1.0住宅SI-houseの2017年の年間光熱費

SI-house 2017年 年間光熱費

 

この住宅はオール電化住宅で、結果として、2017年の年間電気代は171,779円になりました。

 

年間電気代は171,779円を12で割って1か月当たりの平均を出すと、14,314円。月ごとの料金を、使用量で割って、月ごとの電気単価も出してみました。

 

暖房の使い方と室内温度

床下エアコン

暖房はエアコンのみです。

 

12月から3月までの4ヵ月間は、人が不在の時間も、LDKの床下エアコン1台を24時間運転しました。

 

床下エアコンを連続運転した理由は、完成引き渡し後の基礎コンクリートを乾かすためです。

 

床下エアコン以外の冬の暖房は、寝室のエアコンを寝る前の1時間程度付けていました。

 

冬の4か月間、室内の5か所と外1か所の合計6か所の温度を計測しました。

表を見ると、温度分布の重なりが多く、エアコン1台で家全体の温度が、ほぼ一緒になり、室内の全てが寒くないのが分かります。

 

普通の家なら寒い廊下や脱衣室も寒くない。非常に快適性が高いことが分かります。

 

温度差が無いので、小さな家の場合も広く使えます。温度差のある家の場合は、暖房している部屋しか人は滞在できませんから、大きな家でも広く使えません。

 

表を見ると、玄関ホールだけ室温が下がっているのは、猫が玄関に行かないようにする「引き戸」がり、それを閉めておいたからです。

正面のガラス引き戸が、普段は閉めている猫が玄関に行かないようにする引き戸。奥が玄関ホール。

また、冬の日射熱がもっと取得できる敷地環境ならば、冬の光熱費は、より抑えられたと思います。

 

このお宅の、冬の夜から朝にかけての温度変化も実測しています。こちらもご覧ください。

 

Q1.0住宅(キューワン住宅)の無暖房状態での夜から朝にかけての外気温と室温の変化をカメラに収めた

 

夏の冷房と室内温度

夏の冷房は、7月から8月の終わりくらいまで、人が不在の時間も、LDKの2階吹抜け部のエアコン1台を24時間運転しました。

 

人が居ない時間帯も、冷房を付けっぱなしにした理由は、室内で猫を2匹飼っているからです。昼間の不在時間に室温が上がると、猫の体調が悪くなると考えて、冷房を連続運転しました。

 

8月終わりに(実際に停めたのは8月中旬だったのかもしれません)冷房の連続運転を辞めたのは、朝の時点で、室温が26~27度程度になっていれば、外が30度を超えていても、冷房無して夕方の帰宅時に、室温が上がらないことが分かったからです。

 

エアコンを止めても室温が上がらなかった理由は、断熱性能の高さと、一番上の写真のように南側隣地の4階建てのビルが迫り日射遮蔽材となっており、日射遮蔽が上手くできる環境であったからです。冬の日射取得がイマイチな代わりに、夏の日差しも防げたということ。

 

高断熱高気密Q1.0住宅は「夏は暑いのか?涼しいのか?」室温を実測し考察してみた

 

家の断熱性能と温熱設計のポイント

壁の付加断熱。普通の住宅の2倍の断熱厚さ225mm。

住まいの断熱性能、Q値の決め方。温暖地ではQ値1.5以下にすると、 40坪程度までの家なら間取りや採光条件が良ければ、冬は床下エアコン1台、夏は吹抜エアコン1台程度で、ローコストで全館冷暖房できると言われている。Q値1.5以下を参考に温熱区分5の宇都宮市ではQ値は1.3のG2レベル程度を目指した。

 

冬の日射を確保するため、南東面の窓は大きし、冬の夜はハニカムブラインドを下ろして熱損失を軽減している。

 

かつ夏の日射遮蔽をするために、南側の軒を深くしている。夏の日射遮蔽については、簾やターフも提案したが、短期間で劣化することが多く、交換するのが面倒とのことで付けていない。ハニカムブラインドは日射遮蔽にも効果があり、劣化も少なく室内も静かになるので付けて良かった。

 

躯体の断熱仕様を上げるだけでなく、天井高も2.2Mと抑え吹抜とのメリハリを付けることで広がりを確保しながら容積を少なくし、消費エネルギーを減らす工夫も行っている。

 

中間期は南東面の窓とトップライトを開けることで、驚くほどの川風が確保できて気持ちが良い。個室入口以外はすべて引き戸としてドアを開け放しておきやすいので、建物がワンルーム化されて、室温の均一化が図れる。

 

高断熱高気密住宅の室内の静かさに由来する快適性。街中の住宅なので騒音がすることがあるが、断熱気密性能の高さから由来する室内の静かさが別世界のようで、非常に快適である。特に静かさには寝室のハニカムブラインドが効いているようだ。施主はこの住宅に引っ越してきて、とてもよく眠れるようになったとのことである。私も冬に一泊したが同感である。

 

東日本大震災以降、電気料金は25パーセント上がっている

出典:経済産業省 電気料金の水準

 

 東日本大震災以降、電気料金は25パーセント上がっています。次は省エネにするには断熱性能を上げるのが合理的な理由を説明ます。

 

新築時に断熱材を分厚くてして、断熱性能を上げておくのは、メンテ費用も掛からずお得

新築時に断熱性能を上げておくと、省エネになり室内が暖かく快適性が上がります。室内が暖かいと、ヒートショック等、循環器系の疾患にも掛かりにくい。

 

新築時に初期コストが上がっても、断熱材を分厚くてして、断熱性能を上げておくのが良い理由は、例えば床暖房や太陽光発電、給湯器等の「機械もの」は10~20年程度で壊れ、修理や交換をすると、大金が掛かりますが、断熱材は、一度施工してしまえば、メンテナンスは不要。

 

新築時に断熱材にお金を掛けておくのは、コスパが高いのです。

 

栃木県宇都宮市の場合、冬暖かく省エネで過ごすための断熱性能の目安は、Q値1.3程度で、設計するのが良いと思います。

 

きちんとした断熱性能・気密性能にするためには、住宅会社や設計者には、設計時に温熱シュミレーションソフトでQ値1.3程度の断熱性能で計画してもらい、施工中に気密試験をしてきちんと気密性が確保されているかを確認してもらうのが間違いありません。

 

今日のわかった

今後は冬も夏も、人が不在の時はエアコンを止めておく予定なので、光熱費は減ると思います。

 

また電気代は、今後も高くなることが予想されます。

 

太陽光パネルを付けるのも良いですが、その前に

 

①家の断熱性能を上げること(栃木県宇都宮市ではQ値1.3程度の断熱性能が良い)が必須であり、

 

ランニングコストを減らすという点では、新築時に

 

②メンテナンス費用の掛かりにくい内外装にすることが必要です。

 

こちらもご覧ください。

太陽光発電を載せる家の条件と「屋根一体型太陽光パネル」のメリット

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士

栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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