建築いろいろ, .

買うか買わないか。迷っていた建築雑誌を買ってしまった。建築雑誌は値段が高く嵩張るが、電子書籍では見にくので紙の本を買うしかない。だからホントに欲しいものだけを買うようにしている。

 

買った建築雑誌は、「人はどんな場所を欲するのか?藤森照信の住居の原点」

 

表紙は、魅力的な芝屋根の低い軒(のき)の建物。

 

屋根の一番水下の、外壁から出っ張っている部分を「軒」と言います。

 

芝屋根の住宅は魅力的に感じるが、自分が造ることはないだろうから、立ち読みで済ませようとしていた。

 

しかし、表紙写真が印象的で、本屋で見かける度に「低い軒の芝屋根」の「どこに自分が魅力を感じるのか?」がよく分からなくて気になってしまい、写真と解説をじっくり見たくて買いました。

 

長瀞と同じ集客数のお菓子屋さん「ラコリーナ近江八幡」

雑誌表紙の建物は「ラコリーナ近江八幡」という、滋賀県近江八幡市にある和洋菓子を製造販売する「たねやグループ」さんの店舗。この店舗には年間200万人の客が訪れる。

 

「ラコリーナ近江八幡」 上の写真もラコリーナ近江八幡さんにお借りしました。

 

観光客数をネット検索したら、ライン下りで有名な埼玉県長瀞の年間観光客数が200万人だから、この民間企業のお菓子屋さんの建物群と庭は、公的観光地並みの集客を誇る。

 

1軒のお菓子屋さんで、そんなに集客するのは凄いことだ。お菓子も美味しいのだろうけど、建物と庭の魅力も大いにあるだろう。

 

と思ってインスタグラムで「ラコリーナ近江八幡」を検索したら、お菓子よりも建物と周囲の風景の写真が多いから間違いない。

 

こんな感じ。インスタ映えする建物および周囲なのです。

 

広大な敷地には、フードコート・たねや本社・田んぼ・菜園などが美しく配置されている。

 

低い軒の住宅が魅力的な理由

本屋でこの雑誌、低い軒の芝屋根の建物を見て、非常に魅力的に感じた。

 

もともと私は勾配の付いた屋根を持つ、低い軒の住宅が好きだ。

 

好きな理由を考えると、きちんと屋根に勾配が付いていると、屋根に降った雨水が素早く流れて建物が傷みにくいという安心感があるし、

 

低い軒の住宅は、自分の手が屋根の軒先に触れそうだという、普通の住宅では体験出来ない可愛らしいスケール感がある。屋根に触れそうだと自己所有感も強くなる。

 

屋根の一番の機能は、雨水を素早く外に出すこと。切妻・寄棟・片流れ等の屋根形状は、雨水を的確に素早く外に出すことで決まってきた。

 

だから、宇都宮市という雷雨の多い地域で屋根勾配の緩い平らな屋根(フラットルーフ)の住宅を見ると、本能的に違和感がある。ちなみに宇都宮市は雷雨が多いので、雷都(らいと)とも言われています。

 

軒の低い住宅の魅力は、自分のものになりそうな愛らしさだと思う。

 

低い軒の芝屋根が魅力的な理由

かつ、この建物は屋根が芝になっている。

 

普通の住宅なら屋根材は板金か瓦だ。安い住宅だとコロニアルとか。

 

普段は「地べた」に生えている「芝」が「屋根」にあるという「驚き!」があり、かつ「芝屋根」が地面と離されて「浮遊」しているように見え、屋根の芝は触れるくらい低い位置にあるのだから、魅力的に決まっている。

 

「軒が低いという愛らしさに芝屋根という驚きがプラスされ、人間の根源的な感情に訴えかける建物になっている」というのが私が感じた低い軒の芝屋根の建物が魅力的な理由。

 

このような建物は、見たことが無いからとても印象に残る。

 

魅力的な低い軒の芝屋根が、可愛らしいディティールと合体して、いわゆるインスタ映えもしています。

 

店舗内部のインテリアも魅力的。

 

芝のメンテナンスが大変そうだけど、たねやの社員さんがメンテしているらしい。お客さんが年間200万人も来ているのだから、苦にならないだろう。w

 

この雑誌には、一般の人は見たこともないような宮崎駿映画に出てきそうな住宅が並ぶが、使っている建材は昔からの普遍的な材料だ。外壁材だと、木か板金かモルタル。室内は無垢フローリングに壁は板張りかぬり壁。

 

味が出て、廃盤にならず更新できる材料が、魅力的だということ。

 

藤森さんの本は文章も面白く魅力がある。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士

栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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