お客様の声

Q1.0住宅 小山の家

過去のブログを全て読んでから問い合わせしました。ヨシダクラフトの建てた家を体感し、実際に暮らしている人の感想を聞いて依頼しました。

Q1.0住宅 小山の家は小山市の静かな住宅街に建つ29.6坪の小さめな住宅です。

外観の特徴は、杉板の外壁材と、機能から意匠になった下屋の水平ラインです。

一般的に外壁材は、窯業系サイディング等の工業製品が使われますが、この住宅では、無垢の八溝杉板が貼られています。存在感のある、厚さ18ミリの地元の赤身の杉板です。

洗濯物と布団を、出来るだけ外で干したいという施主の強い希望があり、それならと、小雨程度では洗濯物を濡らさないように南面全体に下屋を掛けました。この下屋によって、より水平ラインが強調された外観になりました。

内観の特徴は、いつもの当社の家と同じく、片付く室内が実現できていること。

小さめな家ですが「収納がたくさんあるので、物が溢れるといったことがなく、よかったです。」と下記に感想を頂きました。持ち込み家具を把握した上で、設計前、既存住宅にお邪魔して話し合い、既存の収納内を見せてもらいました。施主の「今までの住まいぶり」を確認した上で、各スペースごとの収納や家具を計画しています。施主がキチンと片付けしていることもありますが、設計前のこの作業も「片付く室内」を実現する要素です。

SNS上では、断熱性能の高い、いわゆる高性能な自宅を、啓蒙?自慢?している施主がいらっしゃいます。しかし、そのような暖かく快適な家に住む施主たちのSNSを見て、私は何となく違和感を感じていました。

違和感の原因は直ぐに分かりました。大概の場合、ダイニングとリビングに収納が少ないのです。そのため、近い将来、モノがあふれて片付かず、室内は雑然とした雰囲気になるだろうと予想していました。いくら室内が暖かく快適でも、新築した家の室内が散らかっていたら、快適な家とは言えません。

そのように感じていたところ、他社で設計施工した新築の高性能住宅にお住まいの方から、ダイニングとリビングが片付かないので、アドバイスが欲しいと相談がありました。

室内写真と図面をメールで送って頂くと、やはりダイニングとリビングに収納が少なかったのです。1日かけてレポートを書いてお宅に伺い、有償のアドバイスを行いました。

高性能住宅のダイニングとリビングに収納が少なくなる理由は2つあるように感じます。1つ目は、造り手も住まい手も、温熱環境を重要視するあまり、そもそも収納が軽視されているように感じること。2つ目は、南側の窓を日射取得窓として大きめにすることが殆どなので、南面の室内壁と、南面に対して垂直に配置される壁にも収納は設けにくくなるからです。収納や家具を造ることは、普通の壁にするよりお金が掛かります。だから、高性能住宅の場合は、普通の家よりも意識して、収納を確保する必要があります。

「お客様の声」と「施工例」からは、温熱環境の快適性だけでなく、収納が適切に造り付けられた「使い勝手の良さ」と、「片付く室内になっている、安心感のようなもの」を読み取って頂けたらと思います。

Q1.0住宅小山の家の施工例も貼っておきますので、写真から収納や家具をご覧ください。

家づくりを考えたきっかけを教えてください?

結婚を機会に、早いうちに家を建てたいと思ったからです。

当社で家づくりをする前、家について、どんなことでお悩みでしたか? お悩みがあったら教えてください。

どのような流れで家が建つのか、全く知識が無かったので心配でした。

またアパートに住んでいましたが、冬場はかなり寒かったです。実家も築30年以上経っており、かなり寒かったです。床は氷のように冷たく、窓が結露し、一部サッシにはカビもあり、健康面で不安がありました。そのため、寒さや健康面で、何も心配のない家が良いと、漠然と思っていました。

そんな中、家について住宅雑誌やYouTube、Twitter(現X)等でかなり調べました。(Ua値やC値、耐震等級などの性能面や外観や室内の意匠面です。)

しかし、人によって言っていることが真逆な場合がありました。(C値はそこまで意識しなくてよい。耐震等級は3でなくてもよいなどです。)

多くの施主にとって家づくりはたった1回であり、家を建ててからでは取り返しがつきません。

どの情報が正しいのか?と言う点は、かなり心配でした。

当社をどうやって知りましたか?

インターネットで自分なりに調べていく中で、たどり着きました。

「耐震等級3(許容応力度計算) C値(気密) 自然素材 栃木」あたりで検索したと思います。

その時の当社の印象について教えてください?

ウェブサイトが見やすかったです。

①「ヨシダクラフトが大切にしている6つのこと」
②「家づくりの特徴」
③「ブログ」
が特に分かりやすく、家づくりの不安が大きく解消されました。

①「ヨシダクラフトが大切にしている6つのこと」
 1.地域を限定して家を造る
 2.価値観の近い住まい手の家を造る
 3.自然素材と造作建材を使って家を造る
 4.永く快適に暮らせる、「ランニングコスト」と「メンテナンスコスト」が最小にできる家を造る
 5.コンパクトな高断熱Q1住宅を造る
 6.完成後はメンテナンスとリフォームもしっかりと行う

②「家づくりの特徴」
 1.普遍的な内外観
 2.長く使える自然素材と造作建具
 3.断熱性能と耐震性能
 4.小さな家で豊かに暮らす
 5.家と庭を一体で計画する
 6.床下エアコン

1つ1つ読み、どれもが、理想に近いと感じました。
ブログも様々な内容が書いてあり、素人でも分かりやすく、読みごたえがありました。

当社を知ってすぐ問い合わせしましたか? しなかった方はどのような不安がありましたか?

すぐに問い合わせはせず、栃木県内の何候補かの工務店のサイトを見たり、情報収集したりしていました。

また、ヨシダクラフトのブログを全て読んでから問い合わせしました。

他にも似たような会社があったにもかかわらず、何(どのような部分)が決め手となって当社と契約されたのですか?

ウェブサイトが見やすく、ブログの内容も多肢に渡り、読みやすかったからです。

特に前述した「ヨシダクラフトが大切にしている6つのこと」「家づくりの特徴」が詳しく書いてあり、共感できるものだったからです。

また、SH-Houseを見学させていただき、内外観を見たり、暮らしている人の感想を聞いたりと、実際に体感することができたからです。

設計中の打ち合わせで印象に残っていること。参考になったことなどあったら教えてください?

1.疑問に思ったことや不安な点などは、吉田さんにすぐ聞きました。返信がとても速く、かつ丁寧に教えてくれました。

2.メリットだけではなく、デメリット含め提案などもたくさんしていただき、安心感がありました。

3.また、今までの経験を踏まえた上での説明はとても分かりやすく、納得感がありました。

4.話して決定した内容は議事録として、その都度データとして送っていただきました。そのため、決めることが多く不安もあったのですが、整理しつつ決めていくことができました。

家づくりでこだわった点、ゆずれなかった点は?

1.イニシャルコストは多少かかっても良いが、ランニングコストがかからない家。

2.冬、温かい家

3.なるべく自然素材を多く使った家

4.健康的に暮らせる家

施工中、印象に残っていることなどありますか?職人や現場の様子など、何でも結構です。

「いつでも現場を見に来てください。」「どんどん写真を撮ってください」と言ってくださった。自信が無ければ言うことのできない台詞だと思います。足を運ぶ度に姿を変える家を見るのが楽しかったです。

また、7の質問の答えと同じですが、疑問に思ったことや不安な点などは、吉田さんにすぐ聞きました。返信がとても速く、かつ丁寧に教えてくれました。

メリット、デメリット含め提案などもたくさんしていただき、安心感がありました。

実際に暮らしてみていかがですか? 率直な感想をお聞かせください。

・とても快適に過ごせています。吉田さんから教えていただいた「暮らし方」を参考に暮らしています。

・夏…外部内部共に日射遮蔽を行い、冷房を24時間連続運転しました。室内の各扉は基本開けっ放しにし、家中涼しく快適でした。24時間連続運転ということもあり、電気代が心配でしたが太陽光で収支はプラスでした。湿度を下げるのが難しく試行錯誤中です。

・冬…1年目は床下コンクリートを乾燥させるということで、暖房を24時間連続運転しました。1年目以降は間欠運転です。太陽が出ている日は、日中に日射取得することで、とても暖かいです。外に出る服装で家の中にいると暑いくらいです。日射取得ができれば、エアコンをつけていなくても、1月の寒い時期でも朝6時時点でほぼ20℃はあり、18℃以下になることは、ほぼ無かったです。乾燥しないように風呂開けっ放し+サーキュレーターを廻して加湿しています。

・杉板の床がとても良いです。幅広で節目がなく木目が美しいです。夏はサラサラとして、冬はあたたかく気持ちよいです。伸縮したり、傷がつきやすかったりということもありますが、生活していれば全く気になりません。

・収納がたくさんあるので、物が溢れるといったことがなく、よかったです。

・家がコンパクトなのは、イニシャルコスト面、清掃面、消費エネルギーの面で効率がよいのでよかったです。逆にコンパクトで、吹き抜けもあるため、音が響きやすいように感じます。子どもの寝かしつけなどには注意をしています。

家の中でお気に入りの場所、ちょっと自慢したくなるところは?

・杉板外壁です。和の趣があります。まだあまり変化していないですが日に焼けたり、カビが生えてシルバーグレーになったりと経年変化が楽しみです。年を重ね変化する・・・人と同じでそれが魅力だと捉えています。

・これも室内では無いのですが、下屋+ウッドデッキです。屋内から庭、庭から屋内の移動が容易であり、ウッドデッキには腰掛けられ、よい居場所となっています。

・無垢の床、珪藻土の壁、造作の扉や洗面台、棚等の自然素材の内装です。チープな感じが全くしませんし、長く使えそうです。

実際に暮らしてみて、こうしておけばよかったと思う所がございましたら、教えてください?

1.引き違い窓がリビング、和室、寝室にあるのですが、片方しか開けないため、片開きにした方が気密性能の面で良かったかもしれません。

2.リビングにもう1口、コンセントがあればよかったです。

3.寝室は、ほたるスイッチの明るさが気になってしまうので、ほたるスイッチでなくてもよかったです。

4.和室はダウンライトでなくてもよかったです。

家づくりを計画中の方たちに一言アドバイスをお願いします。

一生に一度の家づくりです。後悔のないよう、楽しむことがよいと思います。

自分では絶対に建てられません。家づくりに関わる全ての方々へのリスペクトが必要だと思います。

デッキも家族の居場所になっている。

冬場、快適であったことを教えてください?(引き渡し後2年経過した2024年7月に聞きました)

温かいことにつきます。外の寒さを忘れるほどに温かい。私は外の格好で室内にいると暑いくらいでした。

アパート時代には2枚以上毛布を使っていましたが、私は1枚で快適でした。

※冬の温湿度については下記の「Q1.0住宅小山の家」の文字をクリックして、ページの下の方にある「冬の温湿度データと考察」をご覧ください。

Q1.0住宅 小山の家

冬場、不快であったことがあれば教えてください?(引き渡し後2年経過した2024年7月に聞きました)

不快ではないのですが、大変なのが湿度のコントロールです。

お風呂の湯気+サーキュレーターで加湿していました。(湿度60%位を目指して)そうすると結露してしまいます。
     
50パーセント以上でハニカムサーモスクリーンを全部閉めると結露します。
     
湿度50パーセント以下で、ハニカムサーモスクリーンの下部を少しだけ開けておくと結露しません。
     
しかし、ハニカムサーモスクリーンを少し開けると、コールドドラフトを感じることがあったため、寝る前に(下部を少しだけ)開けていました。
     
また、実際には子どもの睡眠のため、扉締め切り(夜泣きの声もれ防止)とハニカムサーモスクリーンは全閉(光が入って起きてしまう)をしているので、寝室はいつも結露していました。(大人1人・子ども1人)

お風呂のお湯で加湿しない+部屋を閉め切らないというのが最も良いと感じました。

ヨシダクラフトより

施主が休みの、毎週土曜日の10時から、現場で進捗確認を行いながら、作業が進みました。

施主と、毎週現場で顔合わせして、30分程度話しをするのは、私にとっては大切な時間です。

現場の状況を説明しながら、施主にもう一度確認したい点や微妙なニュアンスを知ることができます。施主は出来上がっていく家を実感できることはもちろん、図面に書いてある家具等の寸法を、造る前に実感できたりします。

注文住宅は、以前に造られたことのない、この世で唯一の一品生産になります。時間をかけて打ち合わせして、詳細に図面を書いたとしても、何度も繰り返して造られていないので、どうしても間違いが発生しやすい特徴があります。ですから工程ごとに確認する必要がありますし、施主にも約束通りになっているかを見てもらいます。

また、当社の住宅は、無垢の床や階段、珪藻土など、職人が現場で造ったものが、雰囲気や手触りが良い内装となり、長く修理しながら使えることに繋がります。かつ、付加断熱工事及び気密工事は、通常の木造住宅と造り方が違う点がありますし、特殊な気密部材を使って細かな作業をするため手間も掛かりますが、材料と手間を掛けて行うことが快適と健康に繋がります。ですから、その工程を毎週のように見てもらい、適宜説明することも大切だと感じています。

造り手側の決断が多いと、住まい手側の決断も多くなり、不安も多くなりがちです。施主も書いているように、打ち合わせ時点では、打ち合わせ内容は議事録のようにしていますが、現場が始まってからは、毎週1度、顔合わせして話をすることで、その代わりとしています。

毎週1回程度、なるべく現場で顔を会わせて、コミュニケーションを取って話をするようにしているのは、説明や確認が必要なことはもちろん、施主が不安になっていないか様子を伺う意味もあるのです。

大手ハウスメーカーの家のように、工場で造られた新建材で構成されたユニット部材をトラックで運んできて、クレーンでジョイントするのは、工期や精度面や間違いの少なさからは素晴らしいと思います。しかし、塩ビシートに印刷された木目シートなどの、新建材の仕上げ材は、経年劣化すると、よりチープになり、かつ表皮の塩ビシートの剥がれなどの劣化が、建て替えや大規模リフォームにつながることが多いと感じています。毎週の現場での進捗確認は、新建材と無垢材の経年変化の違い、既製品と造作部材の違いなどを、もう一度、実物を見て説明する場でもあります。

上記の施主の言葉で、「メリットだけではなく、デメリット含め提案などもたくさんしていただき、安心感がありました。」とあります。注文住宅を造ることは、造り手側も住まい手側も、決断の連続になります。大きいものとしては家の外観から、小さなものとしては家具や棚に至るまで、形と寸法と材料を決める必要があります。そのほとんどは、造り手側が決めて施主に提案し、受け入れられますが、決断をすると、必ずそこにはメリットとデメリットが生じます。メリットだけのモノやコトはありませんから、なるべくデメリットも説明するようにしています。

正直にお話すると、造り手である私は、決断することで多くのストレスを感じています。新築やリフォームを行う度に、膨大な数の決断をする必要があります。決断の数が多くなるだけ、きちんと考えたという点で良い家が出来ますが、一方で失敗の可能性も増えるのでストレスになります。

ストレスの内容をザックリ説明すると、施主と何度も打ち合わせをした上で、家の大きさや形はもちろん、部屋の寸法、構造や下地材、様々な収納や家具やドアの寸法と形など、建築に関する、ありとあらゆる形と寸法を決めるのは大変です。その決断が、結果として間違えだったということも、あり得ます。さらに造作工事が多くなり、断熱気密工事も付加断熱まで行うと、一般的な木造住宅と比較して、設計及び施工の作業工程が倍以上に増えます。それにつれて設計と施工時の確認事項が膨大になりますし、中には間違ってしまうことや、結果として施主にとって不利益が出ることもあり得ます。

既製品の新建材の内装材を多く使い、造作部材を無くし、付加断熱や気密工事も辞めてしまえば、決めることや確認事項もかなり減って、自分の責任範囲も小さくなるのでストレスは減ります。しかし、快適・健康・長持ちとは反比例した、魅力のない家になります。もちろん、そのような家では、私は納得できませんので、自分が良いと考える現在の家づくりを続けています。

現在建てている家は、私が25年くらい前に建てていた家と違い、打ち合わせの段階から完成まで、桁違いに仕事量は増えています。また、大工や電気工をはじめとして、職人の作業量も桁違いに増えています。宮崎駿さんも「世の中の大事なことって たいてい面倒くさいんだよ(だからやるんだよ)」と言っていました。私も巨匠に激しく同意いたします。

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