2016-06-10
Q1.0住宅宇都宮三番町の家 SI-house(宇都宮市 三番町)
土地・地盤

宇都宮市の宅地に埋蔵され、住宅建築の邪魔をしているのは、市の特産物のアレでした!

餃子

 

ちなみに、敷地の土中に埋蔵されている特産品は「宇都宮餃子」ではありません。他の特産品です。

 

解体工事と地盤改良工事中に埋蔵されたアレが出てきた

さて、当社の近くで建築中のSI-houseは、既存家屋の解体工事が完了。

 

基礎工事前で、地盤改良工事をしております。

 

地盤改良工事とは、敷地が軟弱地盤の場合に行う工事で、地盤を住宅自体の荷重に耐えられるよう補強することです。

 

軟弱地盤だと建物自体の重さで地盤沈下し建物が傾いてしまうこともあるのです。そうならない為に地盤改良工事をします。

 

なるべく早く地盤調査をするのが「吉」

地盤改良が必要かどうかは、地盤調査をしてみないと分かりません。既存家屋が建っている場合は、基本的には建物を解体撤去してからでないと地盤調査は出来ません。

 

SI-houseも既存建物の解体撤去後に地盤調査をしたところ、地盤改良が必要との判定が出ました。

 

建て替えを含めて新築する場合は、地盤改良が必要になるかもしれないので、改良工事も含めて資金計画をしておくことが大切です。

 

地盤改良の方法は3種類

地盤改良工事の方法は、主に3種類。表層改良工事、柱状改良工事、鋼管杭工事の3つです。

 

地盤改良出典

 

お借りした上の表からも分かるように、3種類どの工法も支持層と呼ばれる固い地盤で建物の荷重を受けるようにしています。

 

支持層が浅いか深いかによって工法が決まります。地中障害物の有無も工法選択に影響します。

 

「砕石置換工事(さいせきおきかえこうじ)」で地盤改良しました

 

砕石置換工事1

軟弱地盤を1mゴッソリ排除したところ。脚立の下が建物の荷重に耐えられる地盤

 

SI-houseの地盤改良は、「砕石置換工事」で行いました。砕石置換工事をザックリ説明すると、軟弱な地盤を排除し転圧された砕石と置き換えることで、支持力を得る工事です。

砕石置換工事2

軟弱地盤を砕石に置き換えて転圧。支持力のある地盤を連続させる

 

解体工事の状況と地盤調査結果から、地表から1mくらいには、地中障害物(ガラ)が入っている可能性が高いと判断しました。

 

※ガラ・・・建築業界用語で、コンクリート片等の建築廃材の総称

 

SI-houseの支持層は、地面から1mと浅く(1m掘ると建物を支持できる地盤ということ)、通常なら敷地の土とセメント系固化材を混ぜた表層改良工事になるところでしたが、宇都宮の特産品である「アレ」が埋蔵されておりましたので「砕石置き換え工事」になりました。

 

敷地に埋蔵されていた宇都宮の特産品の「アレ」とは・・・

大谷石

出典

敷地に埋蔵されていた宇都宮の特産品の「アレ」とは、宇都宮市の大谷町で採掘される「大谷石」です。

 

大谷石の石塀なのか蔵なのか分かりませんが、写真のような大谷石が地面から1m近くまで埋蔵それており、その上に土や川石がゴロゴロと入っておりました。

 

表層改良工事をするには、大谷石と川石を全て撤去し、改めて表層改良工事をする必要がありました。

 

地中1mに入っている大谷石を掘り起こして撤去し、土も入れ替え表層改良工事をするのはコストが掛かります。

 

それは勿体ないので、「砕石置換工事」で地盤改良することにしました。

 

施工方法は、良質地盤である1mまで、全ての大谷石と川石と土を撤去して、締め固めた砕石に置き換える工事です。

 

また、表層改良工事以外の柱状改良工事や鋼管杭工事も、地中障害物である大谷石を撤去するということになり、コストが掛かるので適していないと判断しました。

 

宇都宮市は大谷石が多い街

おしゃらくおしゃらく出典

 

宇都宮市には、街中も郊外も含めていまだに大谷石の蔵が点在しています。

 

それらの中には、カフェや美容室等の店舗にリノベーションされたものもありますし、会社や個人宅の蔵として使い続けられているモノも多いです。

 

街中だけでこんなに大谷石蔵があります。大谷石の塀も含めると非常に多くの大谷石が宇都宮市では見ることができ、宅地の地中にも埋まっている可能性があります。

 

宇都宮市大谷石蔵マップ

 

 

宇都宮市の中心市街地の既存家屋の下には大谷石が埋蔵されている可能性あり

 

IS-houseの解体工事を依頼した解体業者によると、宇都宮市の中心市街地の古い住宅を解体すると、建物の下には、大谷石が入っていることがよくあるそうです。

 

昔は、大谷石の倉や塀を解体すると、処分方法が無かったので、近くの建築現場の建物の下に入れて処分したのかもしれません。

 

郊外では、大谷石が既存家屋の下に入っている例は少ないとのことです。郊外は敷地が広いので、解体した大谷石を土中に埋めずに置いておき、再利用していたのではないでしょうか?

 

土中に敷かれた大谷石同士には隙間ができますから、地盤調査をすると、軟弱地盤だという判定が出る可能性が高いと思います。

 

現在、同じ通り沿いの町内でマンションの建設をしている現場があり、前を通りかかると、その敷地も同じように大量の大谷石が出ていました。

 

宇都宮市の中心市街地の宅地には、古い大谷石が埋蔵処分されている場合が多々あり、建替えする場合は、地盤改良になる可能性があるという話でした。

 

宣伝します

大屋根の家SI-house模型2

 

宣伝しますが、工事が始まったSI-houseは延床面積37坪。

 

分厚い225㎜のダブル断熱の家で、床下エアコン。

 

猫が室内を動き回る猫ステップのある住宅であり、猫が室内を傷つけないような工夫をしている住宅でもあります。

 

また、吹抜けの上下に本棚の並ぶ「本棚の家」でもあり、バイクガレージも併設されいるという見所の多い住宅です。

 

外観は、滑り台のような大屋根の家。

 

見学希望の方は、ご連絡ください。

 

宣伝終わり。


                        
吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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