築50年以上の住まいの共通点!長持ちしている住宅の3つの特徴
最近続けて、築50年以上のお宅を訪問する機会がありました。
1軒は、仏壇廻りの補修等をしてブログにも書いたこちら、築60年。
そして、もう1軒は、東京オリンピックがあった1964年に建てられたお宅で、築51年。
その他にも数件、リフォームや修繕等で伺う築50年以上の住宅があります。
長持ちしている住宅には、分かりやすい3つの特徴があります。お話しします。
目次
1.長持ちしている住宅は、修理できる仕上げ材料で造られている。廃盤になった建材は部材が無くなるので修理不能になる。
仕上げ材とは文字通り、目に見える部分の建材です。例えば室内ドア。
上記の築50年以上の住宅が建てられた高度経済成長初期の当時は
まだ、大手建材メーカーの既製品のドアでなく、建具職人の手造りドア(造作建具)が多かった。
建具職人の手造りなので、職人がいれば基本的に、室内ドアは修理や交換が出来ます。
大手建材メーカーの既製品のドアだと、廃盤になると部材がなくなりますから、修理が出来ません。
何か所も壊れて、修理できないなら、新築しようという事になります。
また、外壁仕上げは、昭和30年代にはモルタル外壁が多いです。
現在、ほとんどの木造住宅で採用される窯業系サイディング等は、
時を経ると廃盤になり、交換できる部材が無くなります。
そうなると修理交換出来ない可能性が高いです。
外壁を全て交換するなら、新築しようということになる可能性が高いですから、
住宅の寿命は短くなると考えられます。
結論1
長持ちする住宅にしたいなら、廃盤になる可能性の高い建材は極力避けるべきです。
最初は多少高くても、修理交換できる可能性の高い造作建具、無垢床材、モルタル外壁
もしくは、ガルバリウム鋼板外壁、木製外壁等、長く存在している歴史ある建材にすべきでしょう。
2.長持ちしている住宅は、屋根の軒(のき)が深い。
軒とは、屋根の外壁から外側に出ている部分です。
屋根の軒が深いと、外壁が雨に当たって劣化する可能性は少なくなりますから、外壁が傷む可能性は低くなります。
建築の価格は、基本的に面積×単価で出します。外壁の面積は大きいので、傷むと修理に多額のお金が掛かります。
今、流行りの軒の出ていない真四角の箱のような家は、残念ながら短命でしょう。
街中の狭小住宅は物理的に軒が出せない場合が多いですが、それらを除いて、軒は必要十分出すべきだと思います。
ただし、軒が深すぎても太陽光が室内に入らなかったりするので、軒を長く出せば良いと言うものでもありません。
私が「軒ゼロ住宅」を建てられない理由。「軒ゼロ住宅」が抱える5つの雨漏りリスクという記事について考える。
結論2
長持ちする住宅にしたいなら、外壁が雨がかりにならないように、屋根の軒を出すことは必須。
3.長持ちしている住宅は、基本的に住人が健康である
長持ちしている住宅の住人は、当たり前ですが高齢です。高齢なので、当然すべての面で健康であるとはいきません。
しかし、ある程度健康でないと、家を修理したり、リフォームしたりはしません。
また、共通なのは、離れて暮らしているご家族が定期的に訪問しています。それが健康の秘訣なのかもしれません。
結論3
長持ちしている住宅の住民は基本的に健康。離れて暮らすご家族の定期的訪問が秘訣かも?
ちなみに、初めに書いた東京オリンピックの年に建った、51年のお宅は、今月末に内窓(インナーサッシ)の取付を予定しています。
ブロック造の平屋の住宅で、全ての窓が木で出来たお宅です。
陸屋根(ろくやね、平らな屋根のこと)のブロック造のお宅は、完成当時、超モダンだったと思われます。
驚いたことに、51年も経っている木の窓が、深い軒のお蔭で、雨に濡れる機会が少なかったせいか、
劣化も殆どなく、普通に使えています。
51年も経ったお宅の木製窓が普通に使えているのは、本当に凄いことなのです。
ただ、窓ガラスが1枚で寒いので、既存の木製窓の内側に樹脂製ペアガラスの内窓を付けて、ガラスを合計3枚にして、
熱が逃げるのを少なくして、暖かく過ごせるようにします。
また、施主の希望で、内窓でなく、既存の木製窓の外側にアルミサッシを付けるという珍しい施工も行います。
これも深い軒があるお蔭で出来ることです。内窓5カ所、外窓3カ所の施工予定です。
宇都宮市の住宅改修補助制度を使ってリフォームします。
築60年と築51年の住宅は、共に私の小中学校の同級生の実家。
狭い範囲で仕事が出来てありがたいですwww。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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