2015-01-10
リフォーム

建物を壊す減築リフォームよりも、暮らしの減築が現実的

減築写真はベランダの減築リフォーム

 

減築とは・・・

増築の反対語。家を小さくするリフォームのこと。子供が独立した後の高齢者夫婦の住まいのリフォームで行われる事が多い。

 

減築リフォームするメリット
  • 2階建てを平屋にする減築リフォームの場合は、家の総重量が減ることによる耐震性能の向上につながる可能性がある。
  • 2階に行く必要が無くなるので高齢者には楽になる。
  • 面積が狭くなり、生活動線が短くなり暮らしやすくなる。
  • 家が狭くなるので、メンテナンスコストが安くなる。基本的に、建築の価格=面積×単価なので、大きい家はメンテナンスコストが高くなる。
  • 狭くなるので掃除が楽になる。
  • 隣家との距離が取りやすくなるので、採光や風通しが良くなる可能性がある。

 

減築リフォームするデメリットは
  • 減築リフォームは建築費用が高い。減築する場合、足場を組んで家の一部を解体撤去するところから始まります。
  • 建物は、簡単に分割撤去出来るわけではありません。2階建てを平屋にする場合は2階の屋根を慎重に解体し、新たに屋根を造らなければなりません。
  • 階段が無くなるので1階部分の間取りの変更も必要になります。
  • リフォームは多額の建築費用が掛かるが、2人もくしは1人用の住まいなので、身内もしくは他人に引き継げない住まいになる可能性がある。

 

耐震性を上げるだけなら減築しないほうが安く済む場合が多い

1階部分の壁等を補強して、2階の屋根を軽くするような葺き替えをした方が、耐震性を上げるだけなら、減築リフォームするよりも安く済む場合は多いです。瓦屋根の場合は、ガルバリウム鋼板屋根やカラーステンレス屋根のように軽く耐久性のある屋根に変更します。

 

建物を壊す減築よりも、暮らしの減築が現実的

建物を壊す減築リフォームよりも、エリアを絞って壊さずにリフォームしたほうが現実的だと思います。減築はコストが掛かる。安く済ませるには、減築を行わずに、部分的に断熱リフォームや耐震リフォーム、水廻りリフォームを行うのが効率的だと思う。

 

住まい手の希望と、既存住宅の現状を踏まえ、費用対効果を考えた上で、減築のリフォームをするのか、または減築をしないで改善型リフォームを行うのかを決める必要があります。また、これから新築する場合は、小さく高性能な家にしておくことが重要である。結果として小さな家となり、坪単価が高い家が良い家だと思う。家族4人までなら30坪以下で充分である。野池新聞に「建物を壊す減築よりも、暮らしの減築」という記述があり、とても現実的だなと思いブログを書きました。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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