2025-08-10
Q1.0住宅 宇都宮小幡の家(宇都宮市)
冷暖房・換気システム
建材・住宅設備・便利グッズ

住宅設備機器の予想外の早期故障から学び、「まもりすまい住宅設備機器延長保証サービス」をおすすめする理由

かつて、日本製の住宅設備機器が築5年以内に壊れることは、ほとんどありませんでした。メーカー保証は、通常、引き渡し後1年間ですが、故障が滅多になかったため、1年間という短い保証期間の存在すら、意識する機会は少なかったと思います。

しかし、最近は状況が変わりつつあります。先日のブログ(高断熱住宅にエアコンは2台以上必要?真夏のエアコン故障で再認識した“バックアップ冷房”の重要性)で書いた通り、当社で新築した住宅で、4年目と6年目にエアコンが故障しました。エアコン本体は1年保証、冷媒回路(熱交換器)は5年保証だったため、4年目の故障は無償修理できましたが、6年目は保証切れとなり、施主負担でエアコン交換となりました。

私自身、エアコンを含む住宅設備機器は15年程度は問題なく使えると考えていましたが、実際には思ったより早く壊れることもあります。最近では、当社以外の住宅でも、完成後2~3年もしくは5~6年で設備が壊れて、保証対象外になっているケースを聞くようになりました。

実際に故障の数が多くなっているのかは分かりません。下記に添付した主要耐久消費財の買い替え状況の表では、ルームエアコンの平均使用年数は、いまだに14年と長いのです。しかし、自分の手がけた住宅のうち、3年間でエアコンの早期故障が2軒起こり、他社でもエアコンでない機器が早期故障していることを2軒聞きました。

そこで今後は、新築・リフォームのお客様には「まもりすまい住宅設備機器延長保証サービス」に加入していただき、主要な住宅設備機器を10年保証とすることにしました。

新築の場合は、引き渡し後1年以内なら新品扱いで最長10年保証が可能です。Q1.0住宅「小幡の家」は、引き渡し後1年以内のため、施主と相談した上で、今月この保証を付けることになりました。

「まもりすまい住宅設備機器延長保証サービス」とは

「まもりすまい住宅設備機器延長保証サービス」は、住宅の主要な設備機器について、メーカー保証が切れた後も、修理や交換を最長10年間カバーする延長保証サービスです。

提供しているのは住宅保証機構株式会社(公式サイト)。当社は、10年間の瑕疵保証も、住宅保証機構株式会社に依頼しているので、書類が省けるなど、都合も良いのです。メーカー保証とほぼ同等の内容を延長でき、保証期間中に発生した故障は部品代・出張費・作業費がすべて無料になります。

Q1.0住宅小幡の家で選んだ、プレミアムプランと24時間駆けつけサービス

「まもりすまい住宅設備機器延長保証サービスのうちのプレミアムプランでは、以下の7項目の住宅設備が10年間保証対象になります。プレミアムプランが、住宅設備機器の保証を、一番網羅できるプランです。

  • システムキッチン(コンロ・レンジフード・水栓・ビルトイン食洗機など)→1か所
  • システムバス(浴室換気乾燥機・水栓・照明など)→1か所
  • 洗面化粧台→2か所
  • トイレ→2か所
  • 給湯器(エコキュート含む)→1か所
  • 24時間換気システム→1か所
  • ドアホン→1か所

さらに、24時間駆けつけサービスもセットにしました。これは、水漏れや排水詰まり、鍵のトラブル、ガラス破損などの緊急事態に、24時間365日、年中無休で専門業者が駆けつけてくれるサービスです。特殊作業を伴わない60分以内で終了する作業で、加入期間中は利用回数無制限。

住宅会社側も、職人を含めて少子高齢化しています。夜間や早朝は以前から駆けつけるのは、難しかったのですが、平成時代までのように、ウィークデイの昼間や夕方にも、早く駆けつけられない場合もあるので、24時間駆けつけサービスもセットにしました。

エアコンも10年保証の対象にできる

上記のプレミアムプランにはルームエアコンは含まれていませんが、オプションで追加できます。


今回、小幡の家ではこのオプションも付け、床下エアコンを含めて、エアコン3台も10年保証対象にしました。

猛暑や高断熱住宅で常時稼働するエアコンの寿命は短くなる?ChatGPTに聞いてみた

最新版エアコンの平均使用年数は14年。このページは下記PDFの44ページにあります

最近の消費動向調査(令和6(2024)年 12月実施分)の表です。主要耐久消費財の買い替え状況では、ルームエアコンの平均使用年数は14年になっています。

消費動向調査(令和6(2024)年 12月実施分)結果の概要

https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/kekkanoyouten2024.pdf


ただし、猛暑の頻発や高断熱高気密住宅の普及によって冷房の使用時間は長くなり、寿命が短くなる可能性があります。

エアコンは長時間運転によってモーターや部品が摩耗しやすく、熱による劣化も進みます。特に酷暑や常時稼働の環境では、海外のHVAC業界のデータでも平均寿命は8〜12年程度とされます。


一方、使用時間が控えめで、定期的にメンテナンスを行えば、15〜20年持つ場合もあります。

つまり、環境や使い方によって寿命は大きく変わるため、長く使えると信じて住宅設備機器延長保証サービスを付けないのはリスクが高い時代になってきたと言えます。

チャットgptは、住宅設備機器延長保証サービスを付けたほうが良いと回答しています。

まとめ

「まもりすまい住宅設備機器延長保証サービス」は、

  • 設備の予想外の早期故障
  • 修理・交換費用の高騰
  • 使用環境の変化による寿命短縮

といったリスクをカバーするための、保険のような存在です。
これから新築やリフォームをされる方には、主要設備を10年保証にしておくことをおすすめします。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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