2025-04-02
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知らないと損!漏水修理後の水道料金減額申請時、『メーター指針』で間違えないための完全ガイド

山形県南陽市の水道メーター指針の説明

家の中や敷地内の給水・給湯配管で漏水が発生した場合、宇都宮市では多くの自治体と同様に、修繕後に水道料金の減額申請を行うことができます。

これは、漏水によって発生した、通常ではあり得ない水道使用量の増加に対して、市が一定の減額措置を講じるものです。

現在のところは、給水・給湯配管の老朽化による破損に対しても、減額申請が出来ますから、覚えておいた方が良い制度です。

宇都宮市の公式WEBサイトには、減額申請の方法が詳細に説明されており、一見すると分かりやすいように見えます。

しかし、申請書類に必要な添付写真の中で、「メーター指針」という表現が使われており、この言葉は一般的に使われていない上に、言葉自体が誤解を招きやすいポイントとなっています。

一般社会は勿論、住宅建築業界でも「メーター指針」が、具体的にどこを指すのか知っている人はほとんど居ない専門用語に属する単語だと思います。そのうえ、宇都宮市の公式WEBサイトには「メーター指針」の単語の意味も説明されていません

私も「メーター指針の言葉の意味」と「メーター指針がどこを指すのか」を理解していなかったことで、提出した「メーター指針写真」の写すべき箇所を間違ってしまい、指摘を受けました。

今日のブログは、今回行った漏水工事の概要を説明した上で、水道料金の減額申請(水道料金の減額申請)で間違えやすい『メーター指針』について書きます。

※宇都宮市役所 宅地内の水道の漏水申請について

給湯配管漏水工事の内容

先日、12年前(2013年)からリフォーム工事のご依頼を頂いている施主から、漏水修理依頼がありました。

内容は、浴室からの漏水です。

漏水修繕前写真。基礎に水染みがあり、漏水していることが分かる

見積する為、現地調査に伺うと、浴室外部の外壁と基礎の間から、2か所お湯が漏れ出しており、何とかお湯のある生活は出来ているが、給湯器には、エラー表示が付く場合があるとのことでした。

このお宅は築34年(1991年新築)の、大きな和風住宅で、浴室もユニットバスではなく、床暖房付のタイルの造作浴室です。

当時からユニットバスはありましたが、あえて床暖房付のタイル浴室となっている、手間とお金の掛かった、こだわりの住宅です。当然のことながら室内建具も、建材メーカーの既製品でなく造作建具で、家具も造り付けられています。

通常、築34年のタイルの造作浴室の場合、当時の住宅は断熱性能が低い上に、浴室の窓が大きかったため、冬は凍えるほど寒過ぎるので、ユニットバスへのリフォーム対象となります。その場合は、既存浴室を解体撤去して、断熱材を入れ直し、気密シートを貼って、断熱内窓を付けた上で、断熱性の高いユニットバスを設置すると、驚くほど暖かい浴室になります。

しかしこのお宅は、今だタイル浴室の床暖房は効いており、浴室も暖かいとのことので、ユニットバスにリフォームするのではなく、漏水している給湯管のみをを、交換もしくは新設する、2種類の見積を提出しました。

給湯管を交換する見積は、以下の2種類提出しました。

①外壁を剥がして、漏水していると思われる壁の中の給湯管を交換した後で、外壁を新設して塗装を行う見積です。このリフォーム方法のメリットは②のように、既存外壁上に新設の給湯管は設置しないので、外観は元通りとなりますが、デメリットは、漏水箇所が壁ではなく、土間の土の中である場合、外壁を剥がしてみたら作業出来ないこともありえることです。その場合、結果として②の方法になるので、二度手間になるかもしれないこと。またこの方法は、外壁を剥がすので、②よりも大掛かりになるため、値段が高くなること。②は設備職人のみの1業者で済みますが、この方法は、設備・大工・外壁・塗装・板金の5業種が必要になります。

②外壁は剥がさず、外壁の中で立ち上がって、漏水していると思われる2本の給湯管はそのままとして使わないようにしてしまい、新たに、外壁の外側から2本の給湯管を新設する方法です。メリットは、外壁を剥がさなくても、ほぼ確実に2本の給湯管を新設できること。また、設備工事だけで済む可能性が高いことです。デメリットは、2本の給湯管が既存外壁の上に露出配管になること。濡れていると思われる壁の中の断熱材を交換できないこと。

結果として、②の見積内容で行うことになりました。理由は、上記したように、①を選択しても、壁を剥がしてみたら工事が出来なくて、②の方法になるかもしれないことと、②のほうが値段が安いためです。

給湯管漏水工事施工中写真。既存外壁上に露出配管したところ

この際なので、1階床下の給湯管として使われている銅管は、全て撤去して架橋ポリエチレン管に交換しました。銅管は、地中埋設したりすると地中の硫黄成分や酸性土壌が銅を腐食させたりするので、銅管は設備配管としても使用されなくなっています。

給湯漏水工事完了写真

ちなみに、25年前くらいまでは、銅という材料は値段は高いが、長期使用できるということで、主に屋根材や雨樋等の外部板金材として、木造住宅建築にもたくさん使われていました。しかし、現在では、銅は塗装が濡れないなど、メンテナンスが出来ないという理由もあり、住宅では使われない材料になっています。今後、住宅材料の銅の歴史をブログにしたいと思います。

修繕完了時のメーター指針写真として、この写真を提出したがダメだと言われた

私が提出した水道料金等減額申請書類の、どこがダメだったのか?

宇都宮市役所の宅地内の水道の漏水のページにリンクされている修繕確認写真貼り付け台紙PDF

施工写真の撮影は設備業者に依頼し、その中には「修繕完了時のメーター指針写真」も含まれていました。修繕後、私は宇都宮市上下水道局に「水道料金等減額申請書」を提出しました。

申請には、修繕前・修繕後・修繕完了時のメーター指針の3枚の写真を添付する必要があります。しかし、水道局から「修繕完了時のメーター指針写真にメーター指針が明確に写っていないため、受理しずらい」と指摘されました。

その際、「メーター指針とは具体的に何か?」と窓口の担当者に尋ねたところ、「水道メーターの中で、一番上にある㎥表記の数値のこと」と教えてもらいました。

私は住宅業界にいますが、「メーター指針」という言葉は初めて耳にしました。一般の人にとっても聞き慣れない言葉でしょう。さらに、宇都宮市の申請書にも「メーター指針」がどの部分を指すのか説明がなく、多くの人が分からないまま提出してしまう可能性があると思います。

提出前に申請書を読んだとき、「メーター指針」という言葉があるのは気づいていました。しかし、これまで何度か水道料金等減額申請を行った経験のある設備業者に写真を撮ってもらったため、「間違いないだろう」と思い込んでしまいました。

結局、提出前に「メーター指針」の意味を理解していなかったことが問題でした。宇都宮市水道局に事前に問い合わせたり、ネットで検索していれば、どの部分を撮影すればよいか分かったはずです。

その後、施主に電話をかけ、「メーター指針」の数値を読み上げてもらい、その数字を水道局に連絡しました。

「メーター指針」とは何を指すのか?

水道メーターは敷地内の、土間に埋まった、この量水器と書かれた蓋を開けると見ることができます
上記2枚の写真は山形県南陽市役所のWEBからお借りしました

「メーター指針」という言葉は、一般的な生活ではほとんど使われません。実際に私自身も住宅業界で長年働いていますが、初めて見たときに「どこのことを指すのか?」と戸惑いました。

「指針」という言葉の意味を辞書で調べると、

  1. 向かうべき方向を示す大方針
  2. 時計などの計器類の針

といった説明が出てきます。

しかし、水道メーターには「針」がついている部分もありますが、それが「メーター指針」ではありません。

正しい意味の「メーター指針」とは、水道メーターのデジタルまたはアナログ表示部分の「現在の使用量(㎥)の数字」を指しています。

つまり、メーター盤面に表示されている合計使用量の数値(㎥単位)が「メーター指針」です。

なぜ「メーター指針」という言葉が問題なのか?

メーター指針で検索すると、多くの写真が出てくる

「メーター指針」という言葉が、普段使われるものではなく分かりにくいため、多くの申請者が「どの部分を写真に撮ればよいのか?」と迷ってしまうと思います。

実際にインターネットで「メーター指針」と検索してみると、山形県南陽市など、他の自治体では「メーター指針とはどこを指すのか?」を写真付きで説明していました。

多くの人が、水道料金の減額申請時等に、「メーター指針」と言う言葉を、初めて聞くと思いますが「メーター指針」が水道メーターのどこを指すのか?疑問に思っていることの証拠でしょう。

「メーター指針」という言葉の具体的な問題点

  1. 申請書類には、「メーター指針」の写真を撮って提出してくださいとあるが、「メーター指針」がどこを指すのかの説明が、宇都宮市のWEB上にない
    • どの部分の数字を撮影すれば良いのか明確な指示がない。
  2. 一般の人には馴染みのない専門用語
    • 「指針(ししん)」という言葉自体が、水道メーターのデジタル、またはアナログ表示部分の数値を指すとは直感的に理解しにくい。指針は計器類の針の意味があるため、水道メーターのリットル針の数字だと勘違いしてしまう
  3. 写真の撮影ミスが起こりやすい
    • 申請者がメーターの「針」の部分を撮影してしまい、再提出を求められるケースが発生する可能性がある。
    • 業者は黒板を入れて写真撮影することが多いが、黒板を入れて、かつ「メーター指針」の写真を撮ると、距離を置いて撮影するため、「メーター指針」の数字が見えなくなる。そのため「メーター指針」撮影の説明として、黒板を入れずに「メーター指針」の数字のみ写真を撮るように書いておく必要がある。

私が宇都宮市役所に提案したこと

このような紛らわしい問題を解決するために、私は宇都宮市上下水道局の窓口担当者に以下の提案を行いました。

  • 「メーター指針」の写真例をWEBサイトに掲載する
    • 山形県南陽市のように、実際の水道メーターの写真を掲載し、どの部分を撮影すればよいのかを明確にする。
  • 分かりやすい表現に変更する
    • 例えば「メーター指針」と書くのではなく、「修繕完了時の水道メーターの一番上の数字を写真に撮って掲載してください」と書けば、誰でも迷わずに写真を撮れる。

これにより、水道料金等減額申請者の負担が減り、窓口での無駄なやり取りと、その後の数字を連絡するなどという無駄な手間も省けるため、宇都宮市側にとってもメリットがあると考えました。

まとめ

水道漏水修理後の減額申請は、市民にとって重要な手続きです。しかし、現在の宇都宮市の申請方法には「メーター指針」という分かりにくい表現が含まれているため、多くの人が戸惑う可能性があります。

「メーター指針」が何を指すのかを明確にし、分かりやすい表現に改善することで、スムーズな申請ができるようになります。漏水修理をした方は、申請時に水道メーターの「合計使用量の数値」である「メーター指針」を撮影することを忘れずに行いましょう。

また、今後も住宅関連のリフォームやトラブルについて、分かりやすく解説する記事を発信していきますので、ぜひ参考にしてください。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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