2025-03-21
Q1.0住宅 宇都宮小幡の家(宇都宮市)
高断熱・高気密住宅

スイッチボット温湿度計で、「Q1.0住宅小幡の家」を遠隔観察&実測

スイッチボット温湿度計5個、スイッチボット温湿度計プロ1個、ハブミニ1個、スイッチボット温湿度計外部用1個

初めてスイッチボット(Switchbot)温湿度計を使い始めました。スマホを使って、遠隔地でも現況確認できて、自動で温湿度の記録も取れます。値段も安く、使いやすそうなので、ご紹介します。

昨年9月6日に完成・引き渡しを行った「Q1.0住宅小幡の家」にて、3月2日から14日までの12日間、冬の温湿度を実測するため、スイッチボット(Switchbot)温湿度計を設置しました。

引き渡した住宅の温湿度を実測し、施主の暮らしぶりを見て話を聞くのは、次回の設計時に、「あたり」をつけるためでもあります。

ここで言う「あたり」とは、建物の周辺環境を考慮した上で、冬暖かく夏涼しい家の、アウトライン・間取り・窓配置・エアコン位置が、ざっくり頭に浮かぶようにすること。

当社の断熱仕様に基づき、要望と予算を考慮した上で、なるべくアウトラインを小さくしたい(家を小さくしたい)、かつ冬は日射熱を取得、夏は遮蔽することで、エアコン等の機械に頼らない合理的な家にしたい。

施主が使いやすい片付く家にもしたいので、暮らしぶりを見て話しを聞くのは大切である。

今回の実測では、スイッチボット温湿度計を「Q1.0住宅小幡の家」の外部1箇所と、床下を含む室内6箇所の合計7箇所に設置しました。

さらに、スイッチボットハブミニという中継器も設置し、私のスマホからもリアルタイムで温湿度を確認できるようにしました。

後日、最も寒かった日の、室内各所の温湿度変化をグラフにして、ブログで公開する予定です。

本日のブログでは、スイッチボット温湿度計の特徴、購入理由、購入先、価格などについて書きました。

スイッチボット温湿度計の、3つの用途的特徴

各温度計の履歴データが自動で、エクセルで出力される
  1. 施主のお宅の各所に、スイッチボット温湿度計と、スイッチボットハブミニという中継器も一緒に設置することで、離れた場所に居る私のスマホで、全ての箇所の温湿度を、一覧で現況確認できます。
  2. スイッチボット温湿度計を使うと、離れた場所に設置した、各温湿度計の履歴データが自動で、CSVファイルという互換性が高い形式で保存されて、ExcelからCSVファイルの読取りができます。
  3. スイッチボット温湿度計は、同じような温湿度計と比べて、値段が安く機能も多めなようです。

スイッチボット温湿度計とは?

各温湿度計の履歴と現況をスマホで見られる

スイッチボット温湿度計は、室内や外部に温湿度計を設置して、温度と湿度を測定し、離れた場所でも、スマートフォンアプリで確認できる機器です。主な特徴は以下の通りです。

■スイッチボット温湿度計の主な特徴

  • 高精度な測定:
    • スイス製の高精度センサーを搭載し、正確な温度と湿度を測定します。
    • 4秒ごとにデータを更新し、1分ごとにデータが保存されて、微細な変化も感知します。
  • スマートフォン連携:
    • Bluetoothでスマートフォンと連携し、専用アプリでリアルタイムの温湿度を確認できます。
    • 温湿度の履歴データをグラフで確認でき、変化を把握しやすいです。
  • スマートホーム連携:
    • スイッチボットハブミニ等と連携することで、外出先から温湿度を確認できます。
    • AlexaやGoogle Homeなどのスマートスピーカーと連携し、音声で温湿度を確認できます。
    • スイッチボット製品と連携することで、温湿度の変化に応じてエアコンや加湿器などを自動で操作できます。
  • 多様なモデル:
    • スタンダードモデルに加え、防水モデルやProモデルなど、様々なニーズに対応するモデルがあります。
    • Proモデルでは、温湿度に加え、快適指数や天気予報、日時なども表示されます。

■スイッチボット温湿度計の活用シーン

  • 住宅会社の社員や住宅設計者が、施主のお宅の温湿度を、遠隔で実測確認&データが取れて、その後の設計・施工の参考にできる
  • 乳幼児やペットのいる家庭での温湿度管理
  • 観葉植物の栽培環境管理
  • エアコンや加湿器の効率的な運転
  • カビやダニの発生予防

スイッチボット温湿度計は、快適な室内環境づくりに役立つ、便利なアイテムだと思います。

スイッチボットハブミニとは?

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スイッチボット ハブミニ。電源必要

スイッチボット温湿度計は、室内の温度と湿度を測定するデバイスですが、単体では測定データの記録や遠隔地からの確認、他のデバイスとの連携が制限されます。

■スイッチボット温湿度計は、スイッチボットハブミニと連携することで、以下のことが可能になります。

  • インターネット経由でのデータ確認
    • 外出先からでもスマートフォンアプリで室内の温度と湿度を確認できます。
  • データ履歴の記録と確認
    • 測定された温度と湿度のデータがクラウドに記録され、過去のデータを表などで確認できます。
  • 他のスイッチボット製品との連携
    • 温湿度計のデータに基づいて、スイッチボット対応のエアコンや加湿器などを自動的に操作する「シーン」を設定できます。
    • 例えば、湿度が低い場合に自動で加湿器をオンにする、温度が高い場合にエアコンの冷房をオンにするなどの設定が可能です。
  • アラート機能
    • 設定した温度や湿度を超えた場合に、スマートフォンに通知を送ることができます。
    • 例えば、ペットがいる部屋の温度管理などに役立ちます。

このように、スイッチボットハブミニは、スイッチボット温湿度計をはじめとする、スイッチボット製品の機能を拡張し、より便利で快適なスマートホーム環境を実現するために不可欠なデバイスです。

スイッチボット温湿度計を使う時の、スイッチボットハブミニの設置場所と役割は?

Q1.0住宅小幡の家に設置した、7個のスイッチボット温湿度計の数値を、離れた場所に居る私のスマートフォンで確認するには、スイッチボットハブミニを、現地の温湿度計の近くに設置する必要があります。

今回スイッチボットハブミニは、1階ダイニングのダイニングテーブルとキッチンの間に設置した棚に設置しました。スイッチボットハブミニは電源に差し込むので、コンセントがある場所に設置します。

■スイッチボット温湿度計とハブミニの役割

  • スイッチボット温湿度計の役割とは
    • 温度と湿度を測定するセンサーです。
    • 測定したデータはBluetoothで送信します。
  • スイッチボットハブミニの役割とは
    • Bluetoothで受信した温湿度計のデータを、Wi-Fiを経由してインターネットに送信します。

■スイッチボット温湿度計を、遠隔地から確認するための条件

  • スマートフォンがインターネットに接続されていること。
  • スイッチボット温湿度計とハブミニがBluetoothの通信範囲内にあること。
  • スイッチボットハブミニがWi-fi環境に接続されていること。

■まとめ

スイッチボット温湿度計はBluetoothで通信するため、スイッチボットハブミニが近くにないとインターネット経由でデータ送信できません。そのため、遠隔地からスマートフォンで温湿度計の数値を確認するには、ハブミニを温湿度計の近くに設置することが必須となります。

Q1.0住宅 小幡の家の断熱気密性能と冷暖房設備容量

南側からQ1.0住宅小幡の家を見る。白い家と接近しており、南から全面的に日射取得はできない

当社はQ1.0住宅レベル3を標準仕様として、設計・施工しています。

しかし、「Q1.0住宅 小幡の家」は、南側に建物が迫っており日射取得が難しく、かつ「1階で生活が完結する間取りの要望」だったので、2階よりも1階が広くなりました。総二階に出来なかったため、総二階の住宅に比べると、外壁面積が広めになったこともあり、Q1.0住宅レベル3よりも、少し省エネ性能は劣る、Q1.0住宅レベル2の性能でした。

Q1.0住宅小幡の家のQpex性能計算結果

施主からは「冬暖かく、夏涼しく快適な家」という言葉を頂いていますが、実際の室内の温湿度変化を実測することで確認し、訪問することで施主の暮らしぶりも含めた、生活状況をざっくりと把握することは、コミュニケーションができるという点でも大切だと考えています。

敷地は宇都宮市の中心市街地。Q1.0住宅小幡の家の直ぐ南側に隣家建物があるため、全面的には日射取得できない敷地。しかし、南側の住宅と建物の配置を「ずらす」ことで、出来る限り南側から日射取得できるようにしました。

南側全ての窓から日射取得するのは、無理な敷地ですが、真冬でも、限られた南窓から日射取得すれば、暖房をしなくても暖かく過ごせる時間が長く、逆に夏は、窓の日射を、外付電動ブラインド等で遮ることで、室内への熱の侵入を防ぎ、小型のエアコンで家全体を快適に冷やすことができます。

夏は外付け電動ブラインドで、日射遮蔽する

高断熱高気密住宅は、冬は日射熱を取り入れ、夏は遮った上で、設計時に選定した小さなエアコンを最小限で動かすことで、一年中快適かつ省エネな暮らしが可能になります。

暖房はエアコンによる床下暖房
冷房は壁掛けエアコン

しかし、実際に設計した通りに、「冬暖かく、夏涼しくなっているか?」を、温湿度計を使って実測しておくことはとても大切なので、スイッチボット温湿度計で実測を行いました。

Q1.0住宅小幡の家の、冷暖房はエアコンで行っています。

暖房と冷房の設備容量

冬の暖房は、床下エアコン1台により行い、冷房は、2階リビングの壁掛けエアコン1台で行い、補助的に1階西側個室の壁掛けエアコン1台を動かして行っています。

スイッチボット温湿度計の購入理由

施主が設置している温湿度計「みはりん坊W」。暖房から一番遠い、日陰の部屋でも22℃

Q1.0住宅小幡の家の施主は、みはりん坊Wという温湿度計を1.2階の室内に2か所ずつ、合計4個購入。温湿度を確認して、適宜温度と湿度を調整して、快適に過ごしていました。

私も伺った際には、毎回みはりん坊をみせてもらい、室内の温湿度を確認して、「加湿器を置いたほうが良いのでは?」などのアドバイスをして、加湿器を置いて頂いたりしていました。

浴室の湿気をサーキュレーターで攪拌することに加えて、加湿器を置いて頂いた。

ですから、Q1.0住宅小幡の家の、温熱環境と冷暖房が上手く行っているのは分かっていました。

しかし、スイッチボット温湿度計は下記の特徴があるため購入しました。

・スイッチボット温湿度計を使えば、他の完成した住宅の温湿度も、遠隔で確認できる

・スイッチボット温湿度計は、動作記録が取れる他のメーカーの温湿計と比べて、値段がかなり安いこと

・スイッチボットハブミニという中継器を、温湿度計と一緒に、引き渡した家に設置すれば、現在の温湿度を、離れた場所に居る私のスマートフォンで確認できること

・各温湿度計の履歴データが、自動でCSVファイルという、互換性が高い形式で保存されて、ExcelからC読取りができること。

スイッチボット温湿度計の購入先と値段

アマゾンで、下記を合計18,340円(税込)で購入しました。

  1. スイッチボット温湿度計プロ(防水温湿度計と連携すれば、部屋にいても屋外の温湿度が1つのモニターで分かるため買いました)→1個購入×2,780円=2,780円(税込)
  2. スイッチボット防水温湿度計(外部設置用として購入)→1個購入×1,680円=1,680円(税込)
  3. スイッチボット温湿度計→5個購入×1,780円=8,900円(税込)
  4. スイッチボットハブミニ(Matter対応)→1個購入×4,980円=4,980円(税込)

スイッチボット温湿度計はQ1.0住宅小幡の家のどこに置いたのか?

  1. スイッチボット温湿度計 外部用(玄関外部の郵便ポストの中)
  2. スイッチボット温湿度計プロ。1階ダイニングのニッチカウンターの上
  3. スイッチボット温湿度計 1階脱衣室床下(床下点検口の下)
  4. スイッチボット温湿度計 1階西側個室のカウンター上(ほぼ日射は入らない)
  5. スイッチボット温湿度計 1階トイレカウンター上(ほぼ日射は入らない)
  6. スイッチボット温湿度計 2階リビング仏壇置き場のカウンター上
  7. スイッチボット温湿度計 2階納戸の棚の上(ほぼ日射は入らない)
  8. スイッチボット ハブミニは1階ダイニングテーブルとキッチン間の棚

温湿度計7個、ハブミニ1個設置した。

後日、各箇所の温湿度をグラフにして、このブログに載せます。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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